第29話 2人のレベル上げ

・・・なぜだ、解せぬ。

コクヨウを強化したら、神聖化されてしまった私。

・・あれ、可笑しいな。

こんなはずじゃなかったんだけど。



「ふふ、ディア様、コクヨウのこの反応は致し方無い事だと思いますよ?」

「・・・?どういう事、リリス。」

「普通、ユニークスキルを持っている人は、英勇と呼ばれるような存在です。そんなユニークスキルを持っているディア様を、コクヨウが女神の様に崇拝するのは当然かと。」

「・・・マジか。」



確かに、図書館に行って色々と調べたけど、ユニークスキルについては書かれていなかった。

可笑しいと思ってたんだ。

なぜ、ユニークスキルと言うレアなスキルが記載されていないのか、が。

英勇クラスしかユニークスキルを持てないのであれば、厳重に秘匿されているのも頷ける。



「しかも、ディア様。昔の英雄達が持っていたユニークスキルは、《剣聖》や《聖女》、《大魔導士》、《遠視》、《予知夢》などです。ディア様のユニークスキルである《創造魔法》を持っている人は、1人も確認されていません。」

「それは・・・、なんか、人に、しかも貴族や王族に知られたら絶対に厄介な事になりそうね。」

「はい、間違いなくなるかと。ですので、色々とご注意して下さい。」

「そうだね。」



スキルの隠蔽は欠かせないな。

私が持つユニークスキルの事を知られて、国から目を付けられても迷惑だし。

今はコクヨウ達もいるのだし、慎重に行動しよう。



「それにしても、リリスはそんな事まで良くこの短時間で調べたね?」



驚くわ。

リリスが生まれて、まだ1日だよ?

優秀すぎでしょ、リリス。



「まぁ、お褒めのお言葉ありがとうございます、ディア様。ですが、我が主の僕として、まだまだです。」



精進しますね、と微笑むリリス。

おう、まだまだ上を目指すのね、リリスさん。

有能な従魔で、誇らしい。



「ーーー私の配下共々、我が主のディア様の為に忠誠の限り尽くしいたします。」



私の足元に額ずくリリスの周りにわらわらと、出て来る小さな蜘蛛達。

彼等が、リリスの配下達。

その隣にはーーーー



「僕も、リリスさん達同様に、ディア様に絶対の忠誠を尽くします。」



リリス達と同じ様に私に対して額ずくコクヨウがいた。


「ーーー・・許す。」



全員の心からの忠誠を受け入れ、決意を新たに強くする。

絶対に、彼等を死なせない。

この私に忠誠を誓ってくれるなら、お返しに強固な加護を与え続けると。



「大好きよ、2人とも。これからも、よろしくね?」

「「はい、ディア様!」」



愛おしい存在である2人から、絶対の忠誠を誓われた私は決意した。

何があっても、彼らの事を守ると。



「その為にも早急なレベル上げが必要ね。私も、コクヨウ達も。」



レベル上げは急務。

誰にも手出しできない様、力をつけなくては。



「そうと決まれば、今日はもう休んで明日に備えましょう。明日からレベル上げで森へ行く事になるから。」

「分かりました、ディア様。」

「かしこまりました。」



コクヨウ、リリスの2人がが私の言葉に頷く。



「・・あの、ディア様?」

「うん?コクヨウ、どうかした?」

「その、今日はディア様と一緒に寝ても良いですか?」



不安そうに私を見上げるコクヨウ。

可愛いんだけど!



「もちろん良いよ。今日だけじゃなくて、ずっとでも私は構わないから。」

「嬉しいです、ディア様。」



喜ぶコクヨウ。

尊い。

可愛いコクヨウに癒されながら、その日は一緒のベットで眠った。

次の日。



「ディア様、レベルがまた1つ上がりました!」



頬を蒸気させて走り寄って来るコクヨウの事を、私は微笑んで迎え入れた。

うむ、コクヨウは今日もとても可愛いらしい。

ハビスさん経由で洋服も新しく多量に買って、コクヨウの可愛らしさも格段に倍増してるし。

もう、眼福です。



「お疲れ様、コクヨウ。これで、ようやく貴方のレベルも8まで上がったわね。」

「はい、ディア様。僕、もっと頑張ります!」

「無理はしない様にね?」

「分かりました。あっ、また新しいモンスターが近くに!それでは倒しに行ってきます、ディア様。」



一礼した次の瞬間、俊敏な動きで走り出したコクヨウは、やっと姿を現したモンスターに肉迫すると、手に持っていた剣を相手に振り下ろす。

その危なくも無くモンスターを瞬殺する姿を見て、私は笑みを浮かべた。



「うん、うん、コクヨウも順調に強くなってきているわね。」



良い事だ。

そして、今のコクヨウのステータがこれ。




名前:コクヨウ

LV8

性別:男

年齢:14

種族:人族

隷属:ディアレンシア・ソウル

称号:闇に愛されし者、寵愛されし者

HP:730/730

MP:590/590

スキル

生活魔法、鑑定、経験値倍増、マップ、気配察知、危険察知、状態異常耐性、体力回復上昇、魔力回復上昇、攻撃力上昇、防御力上昇、身体強化、思考加速、黒魔法、詠唱破棄、俊足、剣術、体術




順調に強くなっているでしょう?

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る