第9話 武器作成

さっきと同じ様に減るMP。



「うーん、初級の簡単な魔法は、一律に魔力量は5消費するみたいね。」



まだMPが少ない私には、ありがたい。



「同じ魔法でも、込められるMPを増やせるのかしら?」



好奇心が疼く。



「うん、実験も兼ねて色々と試してみよう!」



もっとここで検証を続け、色々な魔法を試していきますか。

ーーーその後は周りへの警戒は怠らずに、私が思い付く限りの魔法をその場で夢中で試し続ける。



「・・ふうっ、疲れた。」



あらかたの魔法と、自分の使った魔力量の減り具合の検証を終え、一息つく。

あれから自分の好奇心お赴くまま、魔法の検証に勤しむ事数時間。

初めての魔法に少しはしゃぎ過ぎてしまった。

反省である。



「まぁ、これも必要な検証だし。」



検証の結果、ほとんどの魔法は5の消費量で良いみたいだ。

まぁ、私の分かる範囲なので、魔法関係の本が街で売っている様なら、買って、もっと知識を増やす事も考えよう。

魔法についての検証は、今日はここまでで良いだろう。



「よし、次は武器の作成ね。」



リデルの用意してくれた短剣だけでは、心もとないから、新たに作る事にする。

ーー使うのは、『武器作成』のスキル。



武器作成

イメージした武器を作成出来る。

武器のレア度は込めた魔力とイメージ力によって変わる。



ふむふむ、なるほど。



「つまり、自分の魔力を込めるほど強力な武器になるのね。」



自分の魔力量が今より増えれば、もっと強力な武器が作れると言う訳だ。



「本当にチートなスキルね。」



ありがたいが。

こ世界の人達に自分のスキルの事を知られたら、色々と大変なことになりそう。

うん、知られないようにしよう。



「それは十分気をつけるとして、えっと、」



『武器作成』スキルで自分が愛用する事になる武器を作っていこう。

今の私の最大魔力量は80。

ここで今の自分の全ての魔力を使うのは危険なので、今回は60、いや、70で我慢したい所。



「後は、作りたい武器のイメージ、と。」



どんな武器にしよう?



「うーん、ファンタジーの定番の武器と言えば長剣よね。英雄や勇者は、ほとんど剣を武器にしてるし。」



いや、最初に長剣は扱い辛いかも知れない。

じゃあ、薙刀・・?

私はどんな武器が良いか頭を悩ませた。



「う~ん、槍とかも自分が使うのはいまいちピンとこないなぁ。」



頭を悩ますが、自分の武器が決まらない。

武術は、まったくの素人。

あちらの世界の自分も、運動神経は悪くなかったんだけどね。



「思い切って、エクスカリバーとか?」



私が良く読んでいた物語とかでは、勇者の使う伝説級の武器として定番だったし。

エクスカリバーを真似して作ってみるとか?



「・・・目立つわね。」



却下だ。

この世界で知られているのかは分からないが、エクスカリバーなんて使っていたら、厄介ごとに巻き込まれる未来しか見えない。



「長剣以外となると。」



・・・・と、なればーーーー。

今回作るのは、長剣に似た、あれでしょ!



「スキル『武器作成』。」



イメージを固める為に目を瞑り、一言、スキルの名を呟く。

頭の中に思い描く1つの武器。

明確に、そして、自分の魔力を込めながら頭の中に正確に思い描いていく。

次の瞬間ーーーー



「っっ、」



貧血の様なくらりとした感覚に、へたりと、私はその場に座り込む事になった。



「・・きっつっっ、」



魔力70を消費してこれまで辛いとは・・・。

自分の魔力の全てをスキル『武器作成』に込めていたら、私は今頃は昏倒していただろう。

危ない所だったと冷や汗ものだ。



「・・・ふぅ、」



眩暈をやり過ごす為に、座り込んだ姿勢で目を瞑ったまま息を吐く。



「スキル『武器作成』は、今度から安全な場所で作らないと危険かも知れないな。」



こんな風にへばってる時にモンスターに襲われたら、何の反撃も出来ないんだから。

だんだんと治る眩暈。

これは、減った魔力が回復してきたって事なんだろう。

ゆっくりと目を開く。

するとーー



「あっ、」



ーーーー私の目の前には、きらりと輝く一本のレイピアが地面に落ちている。

目に前に転がる一本のレイピアに目が輝く。



「っっ、やった、」



出来た。

私の、自分で作った武器が。

歓声を上げる。



「どれどれ、性能は、と。」



すかさず、目の前のレイピアを手に取り、さっそく鑑定を行う。

鑑定の結果はーーーー




レイピア

レア度:普通コモン

普通のレイピア。



製作者:ディアレンシア・ソウル



ーーーーこうだった。



「おおっ、」



武器のレア度は普通、かぁ。

まぁ、初めて作った武器にしては、十分な出来じゃない?

魔力量が増えれば、武器へ込める魔力も増えるし、レア度も上がるでしょ。

ニヤケが止まらない。



「早く、この武器を使いたい!」



このレイピアの威力は、どれぐらいなのか。

使いやすさは?

試したくて、うずうずする。



「まずは、自分の失った魔力の回復ね。」



だからって、どんなに試したくても危険を冒す気は無い。

まずは、失った魔力を完全に回復させなくては。

ーーーーそれから、失った魔力が回復するのに数十分を要した。




名前:ディアレンシア・ソウル

LV1

性別:女

年齢:16

種族:人族

称号:世界を渡りし者、神に見守られし者

HP:120/120

MP:80/80

スキル

言語理解、空間収納、鑑定、経験値倍増、マップ、気配察知、危険察知、隠蔽、状態異常耐性、体力回復上昇、魔力回復上昇、攻撃力上昇、防御力上昇、身体強化、精神耐性、全属性魔法、詠唱破棄、武器作成、思考加速




ユニークスキル

創造魔法

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