第2.4話
この世界におけるダンジョンは主に2つある。
1つ目は上へ上へと登っていく階層型ダンジョン。(1階のことを1Fという。)
2つ目は下へ下へと下がっていく地下型ダンジョン。(1階のことを1層という。)
今回、ソウシ達が挑戦しているダンジョンは階層型ダンジョンである。
洞窟の中に入るとすぐにスミレが炎魔法を使い辺りを明るく照らしてくれた。それでも遠くの方は真っ暗でソウシ達は少しずつ慎重に進んでいた。
そんな時、奥から走ってくる冒険者が2人ほど見えた。
「うわぁーーー助けてくれぇーー!!!」
「どうしたんですか!?」
少し驚きながらも優しい声でスミレが聞く。
「お、お、お、奥からモンスターが、、」
ソウシが2人のレベルを見ると36と39だった。
「このダンジョンのモンスターの平均レベルは53ですよ?どうして入ったんですか?」
少し呆れたようにソウシが聞いた。
「はい。。。このくらいなら俺達でもクリアできるかなと、、、」
「つまり、好奇心だけで入ったということか?まったくしかたがない俺達の後ろについてこい。」
「いいんですか!?」
「死にかけてる人を見捨てるほど悪い人達じゃねぇーよ(笑)」
ニッと笑い回復のポーションを飲ましひとまず一緒にダンジョンを攻略することになった。
この男達の職業はウォリアー、アーチャーであった。
ソウシ達は戦い方を教えたりしながらダンジョンの奥深く、上へ上へと進んでいった。
「そういえばKLさんもアーチャーなんですよね?どういった戦い方をすればいいのか私に教えてくれてはくれないでしょうか。。。アーチャーは狙うのが難しいもので…」
無口なKLに恐る恐る話すアーチャーの男。
「あぁ、KLの戦い方は参考にしないほうがいいぜ。なんせこいつは、、、」
戦い方の説明をしようとしたとき奥から平均レベル52のコウモリ型モンスターカハホリ7体、ゴブリン13体、まるで岩のようなモンスターロック9体。総勢29体のモンスターがソウシ達を襲ってきた。
「お!いい機会じゃねぇか、KL出番だ!でも、ふつうモンスター達がこんなに群れで出てくるものなのか?」
少し疑問を持ちつつもKLに指示を出した。
KLはそれまで閉じたままだった口を少し開け歯を見せて笑った。その光景をみて2人の男達は背筋が凍った。
その瞬間、KLの赤い目は少しキラリと光った。と思うと腰あたりにつけてあった弓を持ち反対の手で矢を3本掴み群れへ突っ込んでいった。その様子はまさに一匹狼。貪欲にかつ丁寧に一体ずつ頭に矢を至近距離で撃ち込んでいく。矢をモンスターに撃ち込みながら次のモンスターに三連射の弓を突き付けその先には3本の矢が既に装填されている。これぞ匠の業と言わんばかりの早業である。
「な?言っただろ?KLの動きなんか見ても本来のアーチャーなんてできないぜ。あいつは特殊なんだよ。まぁ言うのであれば戦闘狂ってやつさ。」
圧巻の動きに見とれる男達。口を半開きに開けたままま微動だにしなかった。
はっとなり1人の男が聞いた。
「KLさんについていろいろ聞きたいですがまず、どうして目が光っているのですか?」
ソウシは少し自慢気に答えた。自分の友達を誇らしく思っていたからだ。
「あれはな、自分にしか習得できない『マインスキル』って言うんだ。KLのスキルは戦闘時に目の前が辺り一面、白黒の世界になることなんだ。KLはこれを『コンバットイアー』と呼んでたぜ。」
感心しながら聞く男2人。
そんな話をしていたらすでにモンスターは全て片付けられていた。
「ありがとうKL!よぉーし、次の階層は最上階だよ!さっさと終わらしちゃおー」
スミレの声と共に最上階へと皆は登っていった。
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