第2.2話

 冒険に出て1週間と少したった日世間ではクリスマスで盛り上がっていた。

「あーあー、クリスマスかぁー今年も彼女つくることはできなかったなぁ」

 ソウシは後悔しながら大きなため息をつく。

「私が一緒にいるだけでもましだと思いなさいよ!」

 少しすねたような口調でスミレがそっぽを向きながら言う。

「毎年一緒だからどーでもよくなってたわ。がはは」

 大きな笑い声と共に皮肉を言うのはソウシだ。

 そんな他愛もない話をしながらも空からは小さな雪の子供達が笑うかのごとくゆっくりとしんしんと降っていた。あたり一面真っ白な世界をソウシ達は旅していた。

「そうそう!わたし地図を書いたのよ。2人も一緒に見よう?」

 凍えるような寒さのなか聞くだけで温まるような声がしてソウシとKLは振り向いた。

「この赤い線が私達が通る道。黒い点は今の現在地。赤い点はゴール地点だよ。」

「そうなのか。それはそうとどこに何しに行くのかくらいそろそろ教えてくれよ。」

 KLもソウシに続きうんうんとうなずく。

「それはねぇ、、、有馬温泉旅行!」

「温泉旅行かぁ、いいじゃん!

 巨乳のお姉さんを覗けるかも(小声)」

「なんか言った?」

 スミレの空気を裂くような冷たく突き刺さるような声でソウシの背筋が凍った。

「なんでもありません。。。」

「そう、聞き間違えかな?

 では、有馬まで行くのに洞窟ダンジョンを2つほど攻略していかないとダメなんだけどいいよね?」

 2人は当たり前と言わんばかりの表情でうなずく。

「よぉーし!それでは1つ目のダンジョン『青龍の洞窟』ここをクリアするよ!」

「って、えぇー!もうついてたの!?」

 ソウシとKLの声が重なる。

「もちのろんよ!もうダンジョンに入れるからー。ほらほらさっさっといくよ!」


『青龍の洞窟』

 青で染められた洞窟の奥深く、そこには幻の龍とそれを祭る祭壇があるとか。だが何者かによって祭壇の位置がずれてしまい青龍が怒って洞窟内を暴れている。どうか冒険者さん。青龍を静めてはくれないか。


 とダンジョンの入り口に書いてあった。誰が書いたのだろうか。。。

 ソウシ達は寒くてさっさと洞窟の中に入って行った。

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