文学理論その7.連想と比喩

 ある情報から、関連した他の記憶を思い浮かべることを連想という。比喩ひゆはエピソード記憶の想起そうきうなが多層連想たそうれんそうである。比喩文は通常の連想を破綻はたんさせ新たな連想を生み出す。オヤジギャグは異義復用法いぎふくようほうAntanaclasisを用いた高度な比喩といってよいが、オヤジギャグはただの無理矢理な牽強付会けんきょうふかい(こじつけ)であって、通常の連想を破綻させるだけで結構不快けっこうふかいだ…という否定的な意見もある。e.g. 「ほうれん草れんそう直輸ちょくゆ入」 この例では「ホウレンソウ」と「連想」、「直喩」と「直輸入」が意味的に乖離かいりしすぎていて、連想の破綻を招いている。


*直喩:ヨーダ(スターウォーズのキャラクター)のような養田さんに何の用だ…のように”ような”とか”たとえば”とか“如し”などを用いた比喩。「水を撒くときはホースフォースを使え」とうちの爺様ヨーダが言った…は、隠喩。


・異義復用法の例

寒い冬をよりサムくするオヤジギャグ。

私「エジプトの首都に行ったんだって? 温かっただろう。カイロって言うくらいだから」

友「うん、あんまり暑いので早く帰ろうカイロうと思ったよ。有名な運河に行ったんだけど禁煙だったんだ」

私「君は愛煙家だから、煙草を吸えずスエズに困っただろう」

友「有名なダムに行ったとき、ダムに落っこちた人がいて、俺も不注意な人間だから…」

私「明日はアスワン我が身だと思ったんだね」


私「ストーブが入っていたダンボーだんぼうルあったかい?」

妻「ストーブをそんな所に置いちゃ駄目よ。人がぶつかったらスッ飛ぶから」


私「ディズニーアニメのキャラクターのスイッチを入れてくれ。あの耳の大きな…」

妻「ミッキーのスイッチ?(わかっていて惚けている)」

私「ごめん、シルベスター・スタローンのスイッチだった」

妻「はいはい、あれは”ダ”じゃなくて”ラ”よ(と言って拳でストーブのスイッチを殴るように押す」

私「乱暴ランボーだなぁ」


こんな毎日だが関東は暖冬だんとうだったので、乱闘らんとうにはならなかった。

Dumbo、1941) ©Disney


こりゃ駄目だメタファー。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る