文化情報論その4.恣意的誤聞
「馬鹿!」
「えっ、バッハ? 俺、バッハよりベートーベンの方が好き」
「バカと言ったんだよ」
「バター? チーズならあるけど」
…のように、わざと聞き間違いすることを
e.g.
私と一緒に歩いていた或る
「今、お元気そうなお年寄りに、元気の
「えっ? 元気なオケツ? おめさんみてなメメの好い
「(大きな声で)いえ、ゲンキのヒ・ケ・ツです」
「ああ、電気の火消ってったんか。そら電動消火器のことだべか? ところで、おめさんだいだの?」(ああ、電気の火消と言ったのか。それは電動消火器のこと? ところで貴女はどなた?)
「NHKなんですが…」
「
「いえ、NHKです」
「
「(とても大きな声で)御爺さん、待って下さい。私がうかがいたいのは元気の秘訣なんです」
「ああ、そうだったの。僕の元気の秘訣はね、聴こえないふりをして若い人をからかうこと。ハハハ…ごめんなさいね〇〇さん。僕、貴女のファンですよ」
「あ、ありがとうございます…(力なく)ハハハ」
私と一緒に歩いていた年寄は、N潟大学名誉教授。昔、N潟県には、こんなお茶目だが微妙に根性の悪い素敵な年寄が大勢いた。
因みに、このインタビューを放送するセンスと勇気は某放送局にはなかった。また、この事件以降、インタビューの際は最初に局名とインタビュアーの名前(姓)を名のるようになったらしい。
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