文化情報論その2.民間語源 天狗熱

 オヤジギャグ的な思考スタンスから生まれる言語学的根拠の無い特定の語の由来説を民間語源folk etymologyという。


e.g. テング熱(こんな時期に不謹慎かとも思いましたが、感染症の話です)。

 dengue fever(デンギーフィーヴァー)のdengueを(”daialogue”などのgueをグと発音することから)デングと読み間違え、さらに多くの想像力豊かな日本人がそれをテングと聞き間違え天狗熱という多少の恐怖感を含むメルヘンチックな病名が出来上がった。


・感染者の多くが「俺を誰だとおもってるんだ。早く注射しろよ。ヤブ医者!」のように医療関係者に対し高慢たかピーな態度をとるから。高熱で顔が天狗のように真っ赤になるから。と言った民間語源がある(出典不明)が、私が採用したのは、映画『鞍馬天狗くらまてんぐ』で主役を演じた往年おうねんの映画スター嵐寛寿郎あらしかんじゅうろう(1902-1980)(森光子の従兄)が日本での最初の感染者だったから、というもの。私は2014年8月まで、この説と天狗熱という感染症名を信じていた。

 因みに2013年度デング熱の感染者は249人で2014年度より多い。2014年度が話題になったのは、戦後初の国内感染であることによる。(それ以前は海外で感染する輸入感染でだった)

 因みに嵐寛寿郎がデング熱に感染したという事実は確認されておりません。

                                2014年記

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