第11話 父さんがキャバクラに行ったのバレた時に、母さんに同じようなことをしていた

「いつも言ってるけど、ご主人はミケをもっと溺愛すべきだにゃあ」

「うんうん」


「こんななでなでで懐柔されるような、軽い猫じゃないのにゃ、浮気は許さんのにゃあ」

「そうだねー」


「聞いてるのにゃ? ミケは流石に怒って……ゴロゴロ」


 猫カフェから帰ってきて、風呂に入ってからもミケはちょっと不機嫌だった。


「こんな……なでなででごまかされないんだからにゃあ……」

「しょうがないだろ、篠田さんが一人で行くのは恥ずかしいって言うんだ」


 俺はミケを丁寧に撫でてあげながら、俺はミケの愚痴に付き合ってあげる。

 ちなみに、今は割と落ち着いているが、帰ってきた直後はめちゃくちゃに騒いでいた。


「むむむ……ご主人が高校に入ってから出来た初めての友人、ミケも無下にしちゃいけないのは分かってるにゃ……」

「本当に悪かったよ」


 次のお小遣いが入ったら、またちょっと高めの猫缶を買ってあげよう。


「もう、しょうがないにゃあ……次からは、うちにその篠田さんを連れてくるのにゃ、ミケが撫でられてあげてもいいにゃ」

「いや、さすがにこの歳で同年代の異性を家に上げるのは……」


 猫は気にしないかもしれないが、色々と不味いだろう。ほら、倫理的なアレが。


「はぁー、人間は色々ややこしいにゃあ」

「ごめんごめん、ほら、トントンしてあげよう」


 一通りなで終わったので、俺は尻尾の付け根をトントンと叩いてあげる。


「ああー……ご主人の付け根トントンはさいこうにゃあー……」


 後ろ足を高く上げて、ミケは声を漏らす。


 どうやら、ようやく機嫌を直してくれたらしい。猫の機嫌を取るのも大変だ。

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