第5話 違和感

・・・・・・・・大きな病院だなー・・・・・・・・・


駐車場に車を停めて外に出る事にした。

父?は車のトランクから少し多きめのバッグを取り出し肩にかけて歩き出した。

その後ろから母?と一緒に歩いていく。


病院の入口付近に、あきらかに私たちの事を待っているであろう男性がいる。

軽くこちらに会釈をしてゆっくり近づいてくる。


「お久しぶりです」


その男性は父?に話かけると肩にかけていた荷物を受取った。


「東条・・・・大丈夫なのか?」


その男性は、私の顔をみながら心配そうに話かけてきたが、私にとってはまったく知らない初対面の男性でしかない!

しかも懐かしさや親近感もまったく感じない、むしろこれからも関わらないほうが良いと直感したくらいだ!


その男性に入院する病室まで案内してもらう事になったが、ここでも少し違和感があった。

多分、今までに入院した記憶は無いが、テレビドラマでも見るような受付をすることなくエレベーターに乗ったことだ!


エレベーターは10階で止まりドアが開いた。

この病院の最上階が10階だということは、エレベーターの階数ボタンで容易に分かる。


=======ドアが開いた瞬間に何か悪い事が起きる予感=======


目の前に看護師の集まりが・・(ナースセンターって言うのが普通かな?)

普通はエレベーターが開いたら病室までの廊下が存在するはずなのに、この病院の構造上の問題なんだろうか?

更に、そのナースセンターの中を通り抜けると各部屋のドアや廊下が存在している。


・・・・・・・・・・・・・?????????・・・・・・・・・・・・


一瞬自分の目を疑う光景が飛び込んできた。


ナースセンターの中にいる数人の看護師の中に、見覚えのある顔に気づいた!

今までに誰と会ってもこんな感覚は無かった。

自分の事さえ覚えていないのに・・・・。


==========あ!あの看護師だ。==========


ここに来る前に入院していた最初の病院で担当していた看護師だ!

何故この病院に、しかも私の入院する病棟にいるんだろう!

私の存在に気付いたみたいだが、他の看護師の対応とまったく同じリアクションだった。


「伊藤さん、この患者様があの東条様ですか?」

少し年配の、明らかにリーダー的な存在の看護師が声をかけてきた。


え? 今聞き間違えたかな?

今、看護師があの東条様ですか・・・・?と聞こえたような・・・・・。


「師長、そうですのでよろしくお願いします!」


・・・・・・・・知らない男性に先にお願いされてしまった!・・・・・。




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