コスプレ

「雪奈、これ着てほしいんだけど」


 五月も終わりになる頃、数日前に通販で頼んでおいた物が届き、健斗は早速段ボールの封を開ける。

 中にはメイド服が入っており、雪奈に着てもらおうと思って購入したのだ。

 今の雪奈は生理中でエッチなことが出来ないため、コスプレした彼女を見てみたいと思ってしまった。

 生理中といってもピルのおかげで症状がほとんど出ていないらしく、雪奈は嬉しそうに健斗にくっついている。

 むにゅむにゅと当たる柔らかい感触がとても気持ちいい。


「分かりました。少しお待ちください」


 メイド服を受け取った雪奈が着替え始める。

 毎日一緒にお風呂に入って裸を見られているからか、目の前で着替えるのもだいぶ慣れてきたようだ。

 淡い色の下着を身に付けた雪奈を見て興奮を覚えてしまうが、今は襲いかかるわけにはいかない。

 流石に生理中は血が出ているのだし、衛生的にもよろしくないだろう。

 雪奈ピルを飲んでいるからゴムはこの家になく、付けてしても気持ちよさが半減してしまうらしいのでしたくない。




「お待たせ、しました……」


 十分ほどで着替え終わった雪奈が恥ずかしそうにこちらを向いた。

 黒を基調としたメイド服は胸元ぱっくりと開いており、スカートの丈も凄い短い。

 少し屈んだだけでもスカートの中が見えてしまうだろう。

 カップルが燃え上がるために彼女に着させるメイド服なので、露出度が高いのは当たり前だ。

 白のニーソックスとカチューシャもとても似合っており、今日はずっとメイド服を着ていてほしいくらいだ。


「隣に座って」


 ソファーをポンポン、と軽く叩くと、「はい」と頷いた雪奈が隣に座る。

 すぐに肩を抱いて引き寄せ、メイド姿の雪奈を味わう。

 本当はメイド服雪奈としたいが、それはまた別の機会にとっておく。


「可愛いよ」

「ありがとうございます。健斗くんに褒められると本当に嬉しいです」


 ギュッと手を繋ぎ合うと、雪奈は嬉しそうに「えへへ」と笑みを浮かべた。

 あり得ないほど可愛く、健斗以外の人の前では決してメイド服など着ないだろう。

 健斗も他の人がいるとこで着さすつもりはない。


「エッチなメイドさん」

「はい。私は健斗くん専用のエッチなメイドです。んん……んちゅ……」


 チュッチュッとキスをし、いっぱいいっぱい雪奈の柔らかい唇を味わう。

 エッチなことは出来ないとはいえ、沢山イチャイチャすることは可能だ。

 生理が終わったらすぐに抱かせてもらうが、今はこうしてイチャイチャするだけでも充分に楽しい。

 ずっと一緒にいたいと思うくらいに。


「もっともっと」

「はい。んん……」


 一度キスをし出すとお互いに止まらなくなる。

 何度も何度ももしてしまい、何回、どれだけしても物足りない。

 特に今日は雪奈がメイド服を着ているからなのか、いつも以上にしてしまいたくなる。

 生理中だからこれ以上は止めた方がいいと頭では分かっているが、身体が、本能が雪奈を求めてしまう。

 まるで男の本能がこの女を妊娠させてしまえ、と言っているかのように己の理性が言うことを効かない。

 恐らくこのまましても雪奈は生理中でも抵抗しないだろうが、やはり衛生面を考えるとしない方がいいだろう。


「健斗くん、いつでもいいですからね?」


 興奮しているのを察してくれたようで、雪奈は上目遣いで言ってくる。

 尽くしてくれる雪奈にとって、生理中であっても関係ないらしい。

 自分がどうあっても健斗に気持ち良くなってもらうのが第一のようだ。


「流石にあれだし、口でしてもらおうかな」


 唇に指を這わせると、雪奈はうっとりとした瞳で「はい」と頷いた。

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