　フルビス王国の誇る宮廷魔術師団。

　その中に『アマルド・ジュジュヌ』という予言師がいる。

　110歳を超えるという噂の老婆で、予言の的中率は約90％。

　人間国宝という言葉通りの人物だ。

　国の危機を回避するには必須の存在であり

　『彼女の予言は万人を救い、彼女の死は国を傾ける』

　とまで言われている。

　そんな彼女が三カ月前、物騒な予言をした。

　――太陽が消え、大地が揺れる時、この世に破滅が降臨せん――

　約90％の確率でやってくる破滅。ほぼ確定した未来である。国が大騒ぎになったのは言うまでもなく、王国政府は直ちにその原因を探り始めた。現在は英雄５人を調査に、宮廷魔術師の半数を予言の解析に充てているらしい。

　それでも破滅の原因は見つからない。

　でもジルベルトさんには、幾つかの心当たりがあるそうだ。

　――尚、予言が発表された頃の僕と言えば。

「びゃぁあああ旧暦の魔法論だぁああああああ！！」

　入学前の休み期間だったので、ずーっと禁書庫に潜っていました。

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