主婦達が集まれば…

美幸はゾンビー討伐係に入り数日が経とうとしている。

「…でさ、旦那に私言ってやったのよ!私はあんたのお母さんじゃないの!靴下とパンツのある場所くらい覚えて自分で出してよ!って。」

「分かる!何で旦那って自分のことできないのかしらね?」

まあ、ゾンビーがでなければ主婦達は、話に花を咲かせる。

ゾンビー討伐係には、男の主夫や若い主婦も居る。

「山田さんは、奥さんが働いているんですよね?家事大変じゃないですか?」

美幸は、主夫の山田勲に話を降った。

「家事に育児と大変ですね…」

勲は、美幸達に話す。

「私は、まだ子どもは居ないけど旦那の事でいっぱいいっぱいです!尊敬しますよ!」

一番若い主婦の加藤愛菜は、言った。

「旦那は全部私に任せてくるんですよね。義理両親のプレゼントとかもそうですよ!」

愛菜は、不満げに言った。

「分かる!そうなのよ!そりゃ親だけどその前にあなたの親でしょ?って思うのよね!」

美幸達は愛菜に共感してた。

その時、ゾンビーが出た時のブザーがなった。

『弧育手町の弧育手公園に出現。』

このブザーを作ったのは、もう1人の主夫田中正樹。発明が好きな主夫だ。

「子育て世帯が多い所ですね。」

武器のおたまと鍋蓋を取りながら美幸は、佳奈子に言った。

「そうね。何か関係があるのかもしれないわ。」

美幸達は、弧育手公園に着くとゾンビーが2体居た。

「やっぱり、何度見ても怖いです!」

愛菜は、どろどろのゾンビーを見ながら言った。

「こればっかりは、馴れないよね。…はぁっ!」

佳奈子は言いながらゾンビーの脇腹を目掛けて蹴りを入れる。

美幸と愛菜はもう1体のゾンビーを挟みうちにしておたまを振りかざす。

一緒に来ていた唯一男の勲は鍋蓋をしっかり前で防御しながらなにもできずに居た。

「本当に怖い!」

勲は、そう言いながら鍋蓋でがっちりガードしながら後退りする。

「たぁ!山田さん!ビビってないで戦って!」

佳奈子は、ゾンビーにおたまで叩き着けながら勲に言った。

「ごめんなさい!頑張ります!」

勲はおたまわを振り回しながらゾンビーに近付いていく。

「愛菜さん!私が囮になります!」

美幸は愛菜に言うとゾンビーに向かっていく。ゾンビーは近付いてくる美幸を見て手を伸ばし迫ってくる。

「やあ!」

ゾンビーの後ろにいる愛菜がゾンビーの後頭部目掛けておたまを投げ付けた。

「間違えて投げちゃいました!」

当たり所が良かったのかゾンビーは前のめりに倒れ消えていった。

「やった!やりました、美幸さん!佳奈子さん見ました?」

愛菜は、佳奈子達の方を見た。

そこには、勲がおたまではなく鍋蓋をゾンビーに向かって投げていた。

「山田さん!おたまで攻撃してください!鍋蓋を投げないで下さい!私に飛んできてます!」

佳奈子が勲に言うと勲が頭を下げて謝った。その隙にゾンビーが勲に近付いて手を伸ばす。

「山田さん危ない!」

それを見ていた、美幸達は勲に急いで言うと勲が頭を上げた。

勲が頭を上げるとちょうどゾンビーの顔面に勲の後頭部が当たりゾンビーが倒れた。

「…あれ、これって私が倒したんですか?」

勲は後頭部を擦りながら言った。

ゾンビー達は消えて、美幸達は安堵した。

「何ですか、今の凄いですね!山田さん!」

「凄いです!ゾンビーもビックリですよ!」

「その前に私達がビックリですけどね!」

美幸達は口々に勲を褒め称え、帰っていった。


誰も居なくなった孤育手公園のベンチに謎の人影が座る。

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主婦と主夫は戦う! @kikusyufu

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