第三章。迎撃、軋む王の座。

旧約神話。

 創造神オズは世界を作りました。

 偉大なる彼は、生き物を見ることが好きでした。

 そうであるからでしょうか、彼は生き物を作りました。

 人と呼ばれるものも作りました。

 偉大なる彼は、人それぞれに、力を持たせました。

 彼らは繁栄を始めます。

 するとその中に、大きな力を持つ者と、力を発揮できぬ者が現れるようになりました。

 才在るものは才無き者を侮蔑し、才無き者は才在る者に屈します。

 やがて才ある者の中に、新たな世界を作る力を持つ者が現れました。

 偉大なる彼の力には遠く及びませんが、それはそれは莫大な力でした。

 世界を造りし者は才在る者だけを引きつれて、新天地へと向かいました。

 取り残された才無き者は必死で生き抜き、やがて再び繁栄を始めます。

 そしてその中にまた、才在る者と才無き者が生まれるようになりました。

 しかし此度の才在る者は才無き者を見捨てずに、指導者として彼らを導きました。

 やがて一つの民族が世界を統一してしまいます。

 その民族を恐れた、かつて新天地へと向かった者どもは、その力をもってして彼らを滅ぼします。

 気高き魂の眠る大地を恐れなさい。

 あなたの小さな勇気に手を添えて、そのうちへと微笑みかけます。

 魂たちは門の向こうで待っています。

 神々を、殺す時を。

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