第1話

「おはよう」

「……え?」


 朝。 交差点で親友の有平 亨(ありひら とおる)に挨拶をしたら、驚いたような顔をされた。いつも通り挨拶をしただけなんだが……何かおかしかっただろうか?


「なんだ?俺の顔に何かついてるか?」

「そういうわけじゃないんけど……」

「じゃあどうしたんだよ?」

「いや、優翔の顔にクマがあってびっくりしたんだよ。夜更かしするなんてめったにないでしょ?」

「あぁ……通話しながらゲームしてたらかなり盛り上がってさ。午前1時半くらいまで起きてたんだよ」

「瑞乃とゲームしてたのか?君たちFPS強いし、連携上手いからなぁ。この前の大会も……ごめん、電話かかってきた。出てくるよ」

「あいよ」


 俺──陽宮 優翔(ひのみや ゆうと)は普通の男子高校生だ。学力は飛びぬけて良いということもなく、運動は泳ぐことが少し苦手なこと以外は平凡、という感じだ。ただ──


「おー優翔、おはよーさん」

「あぁ、おはよーさん」

「優翔君、おはよ!」

「おー、おはよ」


 周りからよく話しかけられる。人気者というわけでもないが、よく学校のやつから話しかけられるのだ。何となく理由は「あれ」だとわかるが、「それだけでこんなことになるか?」と思う気持ちもある。

 まぁ、これが今に始まったことではないので、深く考えるのはやめた。考えたところでどうにかなるわけでもないのだし、不快というわけでもないのだから。


「優翔、お待たせ」

「電話は終わったのか?」

「終わったよ、待たせてごめんね」

「いや、大丈夫だ。ぼーっとしてると遅刻しちまうし、行こうぜ。」

「そうだね」


そして俺たちは、学校まで歩いて向かった。








──────────────────────────────────────

親友の亨が初登場しました。

2話目です。

読んで頂きありがとうございます<(_ _)>

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