ロシナンテ…お前は何者?

前後しますが、ロシナンテの話を

出べ子の話は、読み切りにあります。



目指すは、王都・大伝奉所だが、突然の転送は、 まだ早いと近くの村から旅を始めた。何度か行き来をしているジノが、道や宿を調べているので、行き易かったが、小さなロゼを連れての旅は、歩みも遅く寄り道も多かった。


まだ道が、細い街道脇での休憩を済まし夕方には、村へと…少しの油断でロゼの姿を見失った。荷馬車が、1台・ 通れる荒れた道の両側には、背の高い雑草が、生い茂り完全にロゼを見失う。呼んでも返事は、無く急ぎナユに小型ドローンで探して貰うが、丈のある雑草に埋もれた背の小さいロゼは、見付からず気が急くばかり…急に蛍の襲撃を受けた。


カ〜ン帽子に貼られたカーボンクロスと監視カメラに当たり落ちるのを慌て両手で受け止める。少し潰れた蛍は、直ぐに丸くなりこっちこっちと飛んで行くが、それすらも丈の高い草に見失う。何度か泥に足を取られながら聞きなれた機械音と動物の悲鳴が、する方向へ向かうと突然草原〈くさはら〉が開け。


1匹のラバとロゼが、刈り取った草むらに居た。「ロゼ〜ぇ…まっ…」駆け寄るルセより早く。ロゼが、大声であの呪文を唱える。「いたいのぉ〜いたいのぉ〜とんでけぇ〜」ロゼが触れてるラバの前脚に手のひらから柔らかな白光が、溢れ・痛みで鳴いていたラバが、ロゼに鼻面を寄せ甘えていた。


床ロボがせっせッと丸く草刈りをして円形が、広がる。床ロボに帰って貰いルセと状況をまとめてみる。前脚が折れ棄てられたか・逃げ出し前脚を折ったラバが、草を求めここまで来て動けなくなったと結論。王都に向かうのにラバは、連れて行けない…



ナユタンの高い木を目指して進めば、街道に出るとの指示に前に進む。バイバイ〜ラバに手を振る ロゼには、よぉく〜言い聞かせねばとルセと話す中・当人は魔素を使い疲れ眠ってしまった。ルセが花桜特製のおんぶ紐でロゼを背負い。再び村を目指す。


やっと村へたどり着き…さて今夜の宿へと向かう俺達を男が、呼び止め銅貨2枚と金を求めてくる。何ぜだと聞けば、「旦那のラバでしょ。わら束ひとつ銅貨1枚…2束食われたから2枚」男が指差す方へ目をやれば、あの足の折れたラバが、売り物のわら束を引き摺り落とし食べていた。


俺と目が合ったラバは、嬉しそうに鳴きながら走って来て目を覚ましたロゼに鼻面を押し付け甘えてている。言い訳も効かない状況に、黙って金を払った。毎度と男は、ラバが、食べ散らかし落とした。わらを小僧に集めさせ俺に渡す。


ルセと相談し付いて来たラバを家畜の仲買人に売り渡す。売られると判ったラバが、盛大に涙を流し泣き結ばれたロープを噛み切ろうと暴れる。

「旦那ぁな〜こりゃあ…無理だ。古い子供用の篭鞍を付けるから金を返してくれ」


鞍を着け貴重品だけ身に付け俺達の荷物もラバに乗せると安心したのか、おとなしく付いて来る。ラバを呼ぶのに名前をと思案しているとイヤホンからナユタンが、ロシナンテと言うので、それに決めた。


名前の由来をと聞けばあちらの古い物語りで、駄馬。人の言葉を理解・無視しする駄馬…悪くないねと茜の声が、聞こえ駄馬で良いとルセと笑う。


ラバの駄馬ロシナンテが、旅に加わり歩く速さが、進み何よりロゼが、行方不明に成らない。チョロチョロするロゼの前をロシナンテが阻み・鼻面を押し付けこちらに押し戻す。ロゼには遊びに成るのか、きゃきゃと声を上げ。疲れると篭鞍に乗り昼寝もする。ロゼを抱くか背負うで、疲れが溜まっていたルセも楽になりました。とロシナンテのタテガミを撫でる。


ロゼを乗せロシナンテが、癒しを求める者の側に前に立ち…不遜な者を蹴り飛ばす。ラバに乗った癒しの巫女の名が、広がってゆく。

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