深夜の異世界3者会談
「ちょいと…」湯屋のベッドで寝ているルセを起こす闇。イートインコーナーでナユ・闇・ルセの異世界3者会談が、始まる。
「ロゼに気を取られなかなか真相を聞けないからこんな時間だけど…伝奉所の役割とは何?」「なにとは?作物の植え付け時期・産まれた子の名前を記録…ちょっと待ってください」
寝床に向かい 私物が入った皮の袋を持ってくる。中から布袋を取り出し・手の平サイズの平たい楕円形・灰白緑色の石をテーブルに置く。
「ドーズの記録石です。魔素を流し込むと村の記録が、読み取れます。石の大きさ種類・魔素の持ち主で記録出来る量が、変わります」
少し貸してとルセに魔素を流して貰い内容を確認・こっそり記録するナユ。「年間行事に畑の植え付け・収穫・気候災害・薬草と薬の製法・村の戸籍の記録が、主だね」数分で石の内容を読み取ったナユに驚くルセ。
「流民の定住を避ける。記録だな。ドーズの様に村人が、移住…記録が、有れば村人と領主に受け入れられるが、無いと流民扱い。村人には、大事な記録だろ」寝ていたジノがコーヒーを持ち・ルセには、緑茶のコップを渡す。
起きたの?と闇が聞けば、話声で目が覚めたと会談に参加する。さすがぁ元請負人〜とナユが、茶化す。
村人が移動する時には、付き添いで次の村の伝奉所で記録石に記録を書き移した記憶が蘇る。いま自分が、持って要るのは、持ち出せる記録石で内容は、同じだが、伝奉所奥の司祭室には、2抱えもある記録石が、あり他の村の記録も少し混じっている。重く持ち出せないのでそのまま置いある。
「ロゼをどうする?光の巫女の資質が、有れば伝奉所が、黙ってないと思うが、一緒に伝奉所に入るか?」入ったら一緒には、暮らせない。しかしロゼの今の魔素…成長が、進めば更に増える可能性がある。そうなったら…
「貴族が、手を伸ばす?異世界あるあるだよ。いっそ力のある貴族に囲って貰うのは〜無しか」ルセの顔色を読みナユが、話を止める。心当たりは、ある3年間の信頼もあるが、腐っても貴族・今一つ信じる事が、出来ない。
「なら闇の所は?」ココアを持って花桜も起きて来た。「あたしぃ…嫌よ。やっと厄介払い出来たのに」「闇の知り合い…ヤバい人多そう…止めましょ」「赤黒石の持ち主とか?操れる貴族だろ…」
呼んだぁとばかりにテーブルにゴトリと現れる魔石。「「「「呼んでない〜」」」」チッと舌打ちが、聞こえテーブルに沈み消えた。ジノと花桜が、テーブルの裏を見たが、何も無かった。
はっと闇が、茜の寝床に行くと魔石は、自粛してるのか茜の足元でうふふと輝いている。帰りなさいと爪でつまみ上げ飲み込むと泣き声が、遠ざかる。
経典〈異世界本〉を広げるナユタンがポッりと言う。「光の巫女追放とか…10年闇の中に居たから闇の魔素・爆発なんて…んっ?」「それいいかも」「でも私たちは、何処に行けば…ドーズですか?」
「伝奉所の頭を脅してロゼの存在を隠しつつ公にするとか…」茜起きたの?「なんか頭の中で…帰りたくないぃ〜と泣き声が、響いて目が、覚めた。組織のトップの弱味を握れば、こっちのもんでしょ。あっ…起きたかも」すっかりオカンになった茜は、今行くよーと走って行った。
「追放シナリオで、行きます?ナユタンよろぴく。伝奉所や貴族の偉い人の弱味〜は、闇よろしく」わたしは、寝るねとカウンター裏に戻る花桜。
「俺も寝る…こっちには、強い味方がいる。どーんと頼れ」ルセの背にジノが、渇を入れ湯屋に戻る。背中の心地良いイタミを感じながらガラス越しの2つの月の光を浴びる。ロゼを失ったあの喪失感が、消えていた。
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