第8話最強無敵の彼女
僕のパンツを握りしめ、月影響子は堂々と立っていた。
その立ち姿は
僕は近くに落ちていたズボンを慌てて、履いた。
パンツを履いていないのでスースーするのは致し方ない。
下半身露出でいるより、はるかにいいだう。
しかし、いつの間に脱がされたのだ。
僕の疑問などどこ吹く風に月影響子は
凄まじい熱風が周囲を支配している。
目を開けているのがやっとの熱さだ。
まるでそれは灼熱の台風であった。
その中心にいるのはツインテールの美少女美奈子であった。
「熱いよ、お兄ちゃん。助けて……」
熱風の中で美奈子は助けを求めている。
だが、僕には何もできない。
自分の無力さを呪うしかなかった。
そんな僕を月影響子はちらりと見て、軽やかに微笑んだ。
「私にまかせて」
と月影響子は言った。
その笑顔を見て、何故か安堵した。
彼女ならやってくれるかもしれない。
最強無敵の月影響子なら。
「殺す壊す殺す壊す‼️」
またもやあの不気味で低い声で美奈子は叫んだ。
ゆっくりとこちらに歩みを進める。
その度に熱気が増し、肺が焼けるのではないかと思われた。
意を決して、月影響子はアスファルトの地面を駆けた。
その美しすぎる走り姿は、教室の窓から見たあの走り高跳びを連想させた。
熱風の中を風を切りながら月影響子は走り抜けた。
僕は思わず見とれてしまった。
呼吸すら忘れさせる華麗なる走りであった。
月影響子が駆け抜けることによって熱風が左右に、真っ二つにわれた。
まるでモーゼのようだ。
「うわあぁぁー‼️」
悲痛なる叫びをあげ、美奈子は両手で頭を抱えた。
さらに熱気は増し、そのあまりの熱のためか街灯の電球が割れ、ガラスが飛び散った。
その中を涼やかな顔で駆け抜けた月影響子は地面を蹴り、空高くジャンプした。
その月夜に舞う姿は天女か天使かはたまた北欧の
「月影流無刀術斧月‼️」
月影響子は叫び、空中で一回転した。
落下スピードに体重を乗せ、月影響子の踵が美奈子の脳天に直撃した。
「げふっうん」
奇妙な悲鳴を発し、踵落としを頭に食らった美奈子は真後ろにぶっ倒れた。
わーあれは痛い‼️
すとんと軽やかに着地すると月影響子は手に持っていた僕のパンツを美奈子の口にねじ込んだ。
パンツが美奈子の小さい口に吸い込まれていく。
その異常な光景に僕は場違いな興奮を覚えてしまった。
このことは黙っておこう。
「やめろやめろ……」
あの低い声が必死の抵抗をする。
問答無用に月影響子はさらにパンツをねじ込んでいく。
あろうことかそのほとんどが美奈子の口に入った。
「やめれぇ……」
低い声は力弱くうめく。
やがて周囲から熱気は完全に消えた。
僕は月影響子たちに駆け寄る。
「うはぁっきもちひぃ……」
美奈子はパンツを口いっぱいに入れ、恍惚とした表情で眠りについた。
月影響子は僕に飛びつき、その長い、白魚のような手を僕の首に絡みつけた。
「新田くんの大事な妹さん、助けてあげたわよ」
顔を近づけて僕の首の匂いをかぎつづける。
温かく、柔らかな胸が僕の体を刺激する。
僕は体の一部が熱くなるのを覚えた。
それは先ほどまでこの場を支配していた熱気のせいにすることにした。
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