第384話 当然戦ったんだよな
俺たちは、ハスマタンに向かう途中で
ラーセットを襲撃して多くの人を虐殺。更に市街地に火まで放ったらしい。
丁度その時、クロノスを始めとしたほとんどの召喚者がハスマタンへと向かっていたため、何の抵抗も出来なかったと言う。
その緊急事態を受けて、クロノスたちは予定を一部変更して
これが完全な裏目となり、召喚者は各個撃破され次々と失われていった。
……そこまでが、
だがその時点で、
それどころか、逆にこちらに向かっている状態だという。
結局俺たちは
だけど言えるわけがないよな。俺たちを無事向かわせるために、ダークネスさんと共に
「最初から話すと、ある日セーフゾーンの一つに辿り着いたんだ。そこが、今回記憶を取り戻した場所でな」
「ある意味因縁の場所だったわけだ」
「ただ違った点があってな。以前の時代では、そこには文字が掘られていたんだよ。それも確かに俺の筆跡でな」
「そいつはちょっと興味があるな。何て掘られていたんだ? いつ頃から掘られていたんだ?」
「いつ頃からとかなんてわかるかよ。セーフゾーンは大変動でも変化しないからな。掘られていた文字はこうだ。『ラーセットに今は誰もいない。召喚者達は、皆イェルクリオの首都、ハスマタンへと向かった。そしてまた
「また随分と具体的だな」
「だが俺はこれこそ神の啓示だと思った。間違っているとも罠だとも思わなかった。俺は急いでラーセットへと向かったよ」
話を聞く限り、そのセーフゾーンはそれほど遠いというわけでは無いのか?
詳しい位置は今度
「改めて確認するが、記憶を取り戻した時にはその文字は無かったんだな?」
「あればまず報告しているさ」
「そりゃそうだな」
「そしてラーセットに戻ると、確かにもぬけの殻だった。僅かに召喚者は残っていたが、全員倒した。かつて
ヨルエナの後を継いだ神官長は、まだ子供だったと聞いている。
一言くらい苦言を言いたかったが、俺が言える立場じゃない。それに
それとあの時点で、時計はまだ俺の手元にあった。塔だけは再建してあったって訳か。
「その後クロノスの後を追った。正確に言えば違うんだが、進行ルートが同じだったというだけだ」
「まあ、クロノスもハスマタンへ向かっていた訳だからな」
「それで護衛のつもりだったのか、何人もの召喚者と会ったよ。中には元々標的にしていた奴もいた。だから全員殺したが、何の後悔も罪悪感も無かったよ。言いたい事は分かるから、今は何も言うな」
「ああ、分かっているさ」
「そのまま先へ進んだんだが、クロノスには会わなかった。大方、ルートを変えたのか元々最短距離じゃなかったんだろう」
クロノスは
そりゃ最短距離を行く
「そして俺は、
「その辺りの話は
「すまないな。まあ実際、聞きたいのはその後だろう。俺は
それも分かってはいるさ。だけど、その点に関しては不明な点も多い。
「詳しく話してくれ」
「そうだな。端的に言えば、二人とも当時の俺の相手にはならなかった。だけど向こうもそれは分かっていたんだろう。それに俺は気が付かなかったが、他にも召喚者が見ていたようだ。何とか勝ったが、手酷くやられたよ。特に、用意していた武器やアイテムの殆どを失った。あのダークネスの野郎とフランソワ教官のせいだな」
なかなかダークネスさんを自分と認めるのは難しそうだ。それにしても普通にフランソワ教官と呼んだな。表情には出なかったが、内面では相当に尊敬しているか怖がっているか……まあ後者だな。
「
「爆風の中で忽然と消えた。アイテムかスキルなのだろうが、残念ながら召喚者を長距離移動させるアイテムは今まで発見されていない。誰かのスキルだろうな」
そうか……そうすると、
「それでダークネスさんは……?」
「倒したよ。フランソワ教官特製の火薬を全身に詰め込んでいてな。壮絶な自爆だったよ」
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