第162話 その頃3人は
「全員の顔も名前も知らないけど、全部で6人じゃないっけ? あれ全員で出ちゃったんじゃ?」
「そのようですね。
「ひたちさんは全員把握しているんだっけ? アンタ達の組織も侮れないね」
「まあ組織と言いましても、表面上は敵対ではなく別行動しているだけとなっていますので。仲間の何人かはしょっちゅうロンダピアザで行動しているのです」
「結構いい加減だよね、召喚者の扱いって」
「まあ優遇されているといいましょうか……色々とあって、今の形になったようです。ただ詳しい
「要は特権だらけなのですよ、召喚者というものは。私の様な一般人からしたら羨ましいですよ」
場所は公園の一つ。目的の場所からはまだ5キロメートル以上離れている。
さすがに視認できる距離で話し合ってなどいたら、一発で
そこで、こうして遠くから作戦会議をしていた。
今までの情報から考えて、地上での活動では
ただ一例、
内容が内容だっただけに当然ではあったし、今回もその可能性は高いとは考えられていたが――、
「どうする? さすがに5人……いや、本人が抵抗したら6人か。それだけを相手にしながらターゲットを攫うのは無理だよ」
「そもそも
「他はええと、
「確かに
「でもどうするんです? このままだと手は出せませんし、今の
確かに、以前の件に関しては相当に反省していた。
またも高層ビルを破壊して大量殺戮を行う事は考え難い。
となれば、絶対に阿鼻叫喚の大騒ぎとならないし、当然それだけ隙も生まれないわけで。
「とにかく分散するのを待ちましょう。希望的な観測ですが、全員で
「アイツにとって大切な人間で、
「無いでしょう。むしろそうしてくれた方が、
「何とも難しいね。だけどいつまでもここにいても仕方がない。いつでも動けるように、あたしらも追うとしよう」
□ ◆ □
前回は押し切られた形になってしまったし、それ以前に
もう帰ることは出来ない。倒せば死ぬ。そのこと自体に
ただそれだけに、いざという時に
もし俺と奴、どちらを選ぶかの選択を迫ったら……答えはもう、決まりきっている。
いざトドメとなった時に奴を
もしくは俺が倒されそうになった時に、彼女が静観していたら……どちらも、精神的に耐えられそうにない。
では諦めるのか? そんなみじめな選択をする人生など歩んでは来なかった。
奴が邪魔なのなら、奴を殺せばいい。ここはそれが許される世界なのだから。
だが『もし連れて行かないなら、一人でも行く』と言われてしまったらこうせざるを得ない。
一応、同じ
それ以前に、周辺に幾人もの召喚者の気配を感じる。今は多くの者が
彼等もいよいよ本気になったという事か。
自分で始末をつけた方が安心だ。この目で最期を見られるのだから。だが結果が同じなら、それでもいい。
確実なのは、これで
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