Seg 60 ハルのおとずれ -04-
「
アスカが転がるように少年から
「な、何スか! え!?」
「いや
「イヤだ……イヤだ……この声、こわい……」
ユウには、先日のヒツジのアラミタマより、サルのアラミタマよりも目の前の少年の方が、数倍強く
「ぐるぉぁああああ!」
頭を
「助けて……兄ちゃ……」
しかし
少年が無い
黒く
近くにいるはずの、アスカと
不思議と、ユウの周り
ユウの命を
あと数センチでユウに
パァン
あまりにも軽く
その間が
◆ ◆ ◆
辺りは真っ暗であった。
遠く、波の音が聞こえる。
黒い空の
――解き放て……
――
ユウの知らない
――力を得よ、真実を得よ、形を得よ
――アヤカシに
次の
少年の
「ぐぅうう!」
少年を見下ろす表情は、
はらりと毛先が少し切れ落ちるのを見て、少々
「オマエ……
顔中に包帯を
再び
黒い
「ボクが『
少年は答えず、
ユウは
アスカと
「ささげよって……ボクを……?」
ユウが
そこに何を見たのか。
アスカはハッとする。
「
言うと同時に、ユウの後を追う。
後先考えずにいた
目の前にはユウの小さな
空を
ゾッとしたのは、街行く人々がアヤカシを
「ヒッヒ……最悪の
アスカは
今や、街全体をユウの
「ひぃぃいいい! なんなんスかこのアヤカシ軍団はああ!」
「こ、れは……」
道行く人々は、何もない空を見上げ
中には、何が見えるかつられて空を
「ミサギ君以来の
笑いしか出ないよと、アスカは苦虫を
「ねえ、ミサギ君?」
足音に
「ユウ君!」
クラクション鳴り
ある車は
「……ミサギさん、ボク『ささげよ』って、言われた」
小さな
声は周りの
「君にも聞こえたんだね……声が」
「食わせろってアイツが言った……」
声が
「
ミサギは
生まれてから
「……ボクは、アヤカシに食われなきゃいけないの?」
「君は食べられたいわけ?」
質問に、質問が返ってきた。
「だって、頭の中でずっと言うんだ! ボクの気持ちに関係なくずっと……」
「君の気持ちは、何て言っているのかな?」
「え?」
ミサギの
「
自分だけが苦しいと思っているのか、と言いたげだ。
「ミサギさんは、アヤカシに自分自身をささげろって言われなかったの?」
「言われてるさ、やかましいくらいにね」
「気を
でも……と、ミサギは
「そんなのゴメンだね」
いつものミサギらしく、不敵な
「……ははっ」
ユウの
「君はどうかな、ユウ君?」
問われ、しばらく
「……ボクだって」
小さな声は、もう
「食われてなんかやるもんか!」
開いた
◆ ◆ ◆
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