Seg 43 イヅナ〜都市伝説の囁き〜 -02-
そのまま、
しかし、スマイル
ミサギはあくまでにこやかだ。が、
「
「居もしない相手に向かってお札を投げたり念仏やら唱えなければならないんですよね?」
おそらく、アヤカシの事だろう。
先頭の肥えた議員が
「まっこと理解に苦しみますな。おおしかし、最近は
「どうですかな、その辺をじっくりご教授願えませんかね? 今後の備えのためにも」
明らかな
「バカにして――」
「やめちょき」
ユウが
しかし、
その
ミサギにとっては
「先ほどもいいましたが、仕事がありますので。失礼します」
語気を強めてミサギは歩を進める。
「おやおや、それは失礼した」
見送りざまに、ねちっこい
「東条くんはお仕事でお
「え……?」
これ見よがしの大きな声。
ユウは思わず
標的がユウに
肉だるまを、ボーリングのように部下へ転がして行けばよかったと
肉だるまがユウの
「君、東条くんは
「え、えーと……」
ユウは、
辺りの空気が
「すみません。あの、ボクは見学じゃなくて――」
「おやおや、
「そうじゃなくて……」
ユウは、パソカにある
「ボクも
「まさか! 君も
一同がどよめく。
というのも、
「え、何? 返してよ!」
「あっほぉ! むやみに見せたらアカン!」
「?」
「君ぃ、すごいじゃないか!」
肉だるま――もとい、肥えた議員が声を張り上げる。
「その
太く短い議員の手が、ユウを連れて行こうとしたが、あえなく空を
よろめく議員の前に、みっちゃんと木戸、そしてミサギが立っていた。
みっちゃんと木戸によって、ふわりと引き寄せられ、ミサギの
三者は三様に議員を
特に
とてもじゃないが、三人の向こうに
「ひっ……」
全員が
ユウの立ち位置からは、ミサギの顔を
静かに
「……失礼します」
一言だけ放ち、返事も言わせぬままにその場を
それからは、ミサギはユウの手を
ズンズン進んでいくが、
後ろをチラと見ると、みっちゃんも木戸も
ミサギはというと、遠くでユウの声が聞こえてくるのをぼんやり受けながら、ただ続く
「……ギさ……ミサギさんっ」
ユウが
「どうしたのさユウ君?」
「ミサギさん、どこへ行くんですか?」
「どこって、イヅナだよ」
目的地と現在地に
「ミサギさん……ここ、花屋です」
「!?」
言われて初めて気づく
「着いたで~♪ ほぉ~、ここがイヅナかいな! 何でもツルツルっとのど
今度はみっちゃんが無理やりボケるように
これにはミサギの
「
「?」
気を取り直して、イヅナへ向かおうと歩きなれた
「ここは……コンビニ……?」
「こ、国会議事堂って、いろんなお店があるんですね!」
フォローにならないが、何か言わなければならない
「ミサギどん……迷っとるで……」
とうとう
「
木戸の
「あーもうっ! 木戸!」
「はい」
完全に
目を
ミサギの目の代わりとなる無言の合図である。
知らない人は
「ここからは
木戸が歩き出すと、ものの数分で目的地に
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