Seg 39 清か彩かと遙けし声 -02-
ミサギは、
「
すぅっと息を
アヤカシのさらに後方で
「!?」
空気を
「な、なんやあの火の
一番近い山へ目を
「あれは……!」
ユウには見覚えのあるものだった。
その
山の上には
オオーウァアーォォ……
こちらもサルのアヤカシに負けぬ
低く遠く
犬もまた、燃えるほどに赤い
「あいつもアヤカシ!?」
「もしかして、仲間のアヤカシを助けに
「まさか。あのサルがさっきまで仲良くケンカしてた相手だよ」
ミサギが
二
サルが
サルは器用に
「……アヤカシ同士で争ってる……?」
不思議な光景であった。
今まで人間に害を成すアヤカシしか知らないユウは、目の前で自分に見向きもせず
「このまま
ミサギは
「さっさと
「
「あれぇ? 君だって空飛ぶ大きなアヤカシを退治したじゃないか」
ミサギは、ユウと出会った時の事をからかいながら言った。
「あ、あれは
「そう、あれは
戦い方は今度教えてあげるから、だから――」
ミサギは、悪い事をした
「だから、もう二度とやったらいけないよ」
「……はい」
うな
その
「さて、ちゃっちゃと
◆ ◆ ◆
歌とは、
勝手
それはもはや、アヤカシを
美しい
しかし
その感覚は、ユウにとってどことなく覚えのあるものであった。
「……
ミサギの
「木戸、水」
その指示に、
どんな事態でもすぐさま対応できる有能
ミサギは小さなコルクの
すると、水はスパンッと
「えっ? 何っ?」
「ミサギ様が
「動かれると
とはいえ、
「動いちゃダメだってさ、みっちゃん」
「ぐぇ」
ユウはチョロチョロしているみっちゃんのポニーテールを引っ張った。
アヤカシ二
「すごい……」
自身の戦い方を思い出し、
自分では、とにかく周りに
それを、目の前の
あたりは、花びらがひらひらと世界を
――
ユウは、兄の言葉を思い出していた。
その数は術の
まさに今、目の前に
「こんなに……強いんだ……
……ボクも……」
ユウの
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