Seg 14 言葉綴りし者たち -01-
役所から歩くこと五分。
路地裏の
「ここが『コトノハヤ』?」
「せやっ」
不思議そうに
「ちわー! やっとってかあ?」
ユウはその後ろを、みっちゃんの
この建物の中でだけ、時が忘れ去られたように古めかしい。土間があり
柱のように大きな
「おーい、言の葉屋ぁ~、おるか~?」
「なんだい、
少女は、その見た目に合わぬ
「おや、どうしたんだいその
少女は
「ほう……!」
ユウのほっぺたをぷにぷにしたり、頭をわしゃわしゃと
少女の背が低いので、ユウの方がしゃがんで頭を差し出した。
「ほうほうほう♪ なるほどのう。お前さん、なかなか
「!」
ユウは、びっくりするとともに耳まで
「あのっ、それはどういう――」
続きを言う前に、人差し指で止められた。
「安心せい、アタイらは口が
少女は、自信たっぷり、
「アタイは『言の葉屋』。言葉を
こう見えてお
そこは良心的にみてやってるから心配しなさんな。
んで? 用件は何かの?」
そこは、みっちゃんが説明をしようと口を開く。
「おう、それがの~……」
「お前ではなかろ」
「痛たっ」
ピシャリとキセルでみっちゃんの
「まったく……ここは用のあるやつしか話が許されておらぬのを忘れたか。お前はただの案内人、しゃしゃり出てくるでない」
言の葉屋は険しい顔を一転、ユウに向かってニッコリとする。営業スマイルというやつだ。
「大事な用事なのはそっちの
「あの、でも、みっちゃんは……」
「心配せんでいい。いつものことじゃ」
みっちゃんを置いてきぼりにして、言の葉屋はユウの手をひいて
残された方はというと、ポツーンと
「いつものことやけえ
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