Seg 10 あなたの街のお助け機関 -01-
「いいかいミシェル」
ミサギは、白いスーツに春用の
「
「ちょっ……帰るまでって、いつまで――」
「
それは、
「……………………顔が全然
全員が外に出たところで、木戸が
ふと、人の気配を感じてユウが
多くの人が
◆ ◆ ◆
「さて! そんなわけで、こんなとこに
そして木戸とミサギの姿はない。用事とやらに行ってしまったようだ。
「ここ、どっこやねーん!」
「もーぉ、ミサギどんはホントてきとーに
「えーと、ボクのせいでごめん、みっちゃん」
ユウが
「何言いゆうが! ユウどんのせいなわけあるかいな」
「だって、
「えーよえーよ、ワッシ案内するけえ」
「今からどこへ行くの?」
「
仕事をするのにライセンスが必要なのは、ユウも何となくだが知っていた。兄がそうだったからだ。
ただ食べるくらいしかないの仕事内容にライセンスがいるのか、とても不思議ではあるが。
「こっから近いライセンス機関は……おっ、役所が近いな。あなたのまちのお助け機関ってな」
みっちゃんが、スマホで位置を調べていると、ユウが
「ねえ、みっちゃん。ボク、マホウシとヨミコってどういうものか知りたい。だから、教えてください」
「おう、そうや、
みっちゃんはぽふぽふとユウの頭を
「
歩道のど真ん中で、「ほいでは、みっちゃんの説明ターイム!」と、番組のコーナーのようにコールするみっちゃん。
周りの視線が
「まずは『
「どのくらい?」
「ミサギどんやろ、それからユウどん……」
みっちゃんは
「……もしかして、
「――せやなっ!」
「
「あとは、体質で言えばお前さんもよう知っちょるやろ。アヤカシがわんさか寄ってくる、あれも
その言葉に、ユウはまさに苦い野菜を食べたときのように表情を
「あれは
「せやかて、それを何とかするために、
「そうなんだけど……えーと、その
みっちゃんは
「んー、まあ、仕事っつったら仕事やな。アヤカシ退治の専門家みたいなもんや」
「じゃあ、ミサギさんもアヤカシ退治の専門家?」
「まあ、の。
およそ、役所には見えない。しかし、
中に入ると、混雑こそしていないが、それなりににぎやかなロビーだった。
四方をコンクリートに囲まれ、ユウから見て右に総合受付と書かれた
「そや、身分証明はちゃんと持ってるか?」
「あるよ。いつも
言われて、ユウは
『パソカ』の
ユウは、それを
「こんにちは……あら、あなた新顔さんね。どちらのライセンスをご希望ですか?」
「え、えーと……」
思わずみっちゃんをちらりと見てしまった。
「なんや、
「だ、だいじょぶ! ちゃんと言える」
大きく深呼吸して、目の前の
「ま、
ぎこちなかったが、なんとか言い切ったユウ。
「はい。この番号でお呼びしますので、呼ばれましたら左
案内された
「どういうことするのかな?」
「ライセンス取得の
みっちゃんは、ピッと指を三本立てた。
「一つ目、アヤカシの存在証明。二つ目、
「存在……数値化?」
「アヤカシってどうやってみんなに存在証明する?」
「あ……どうすんだろ?
「ところがや! その『いるー!』を証明できた
「おおー! VRってやつだ、なんかすごい!」
「試験官はアヤカシに似せた波長を空間に放つ。VRゴーグルをつけて、受験者に居場所を聞くんよ。そんで、正しく居場所を示せたらクリア!」
「なんか、ゲームみたいだね」
ライセンスの取得だけに、難しい試験を想像していたユウ。少し気が楽になったようだ。
「
案内の女性がやってきた。
「『百聞は一見に
「うん!」
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