街をお散歩

 ストリアの街の中でバングルのお部屋に入ったら、まずはお夕飯を作ろう。今日はやっぱり温かい物を食べたい……よし、お鍋を作ろう。


 お鍋にエビ入りの水餃子を入れようかなぁ。錬金スキルでエビ入り餃子を作って、お鍋で煮ていく。タレはお醤油ベースのタレを作ったら完成! ゴマが欲しいなぁ……ゴマダレで食べたい。


 テーブルに準備をしたら、遊んでいるみんなにクリーン魔法を掛けてテーブルに乗せてあげて、一緒にご飯を食べ始める。


『つるんって美味しいくま!』


『エビも入ってて、ぷりぷりっと美味しいぴょん』


「ふふっ、エビが入っている水餃子美味しいね。つるんって美味しいよね~」


『おいしいぺん!!!』


「ふふっ、バニラも気に入ってくれて良かったよ」


『ハルのお料理もお菓子もどれも美味しいぺん。一緒に来て良かったぺん』


「それは嬉しいなぁ」


『ハル、お鍋お代わりこん!』


『あっ、ライチもぴよー!』


 みんなで仲良くご飯を食べたら、お風呂に入ろう。バニラは初めてのお風呂なので、気に入ってくれるといいなぁ。

 みんなでお風呂に行くと、バニラがとっても驚いていた。


『温かいお水に入るぺん!?』


「うん、お風呂って言うんだよ。温かくてぽかぽかになるよ」


『ふふっ、とっても気持ちいいから一緒に入るこんよ!』


『入ってみるぺん~』


 バニラを洗ってから湯舟にそっと入れてあげると、温かくてびっくりしていたけれど、すぐに気持ち良さに気が付いたみたい。


『ハル~、これは気持ち良すぎるぺん~』


「ふふっ、温かいお湯に入っても大丈夫で良かったよ」


『全然大丈夫ぺん。温かいの大好きぺん~』


 ペンギンだけど、温かいのが好きなのはやっぱりスライムだからなのかな。

 他の子達も洗って湯舟に入れてあげると、滑り台で遊びだしたのを見てバニラも遊びだした。


『きゃーぺん! 楽しいぺん~』


『たっのしいぴよー!』


「ふふっ、みんな楽しそうで良かった」


 楽しくお風呂に入ったら、ドライヤー魔法で乾かしてブラッシングをしよう。バニラは毛が少し短めだけど、どうかなぁ。

 ブラッシングをしてみると、気持ち良いのか寝ちゃいそうになってる。


『気持ち良いぺん~……』


「ふふっ、寝ちゃっても良いんだよ」


『ぺん~』


 ブラッシングをしているとうとうとしているバニラが、とってもとっても可愛かったので多めにブラッシングしちゃった。

 みんなもブラッシングをしてあげたら、お布団でもふもふすりすりしておやすみなさい。




 朝起きると、バニラがもう起きていた。バニラを抱っこして、なでなでしながら挨拶をする。


「バニラ、おはよう」


『ハル、おはようぺん』


「よく眠れたかな?」


『もちろんぺん。ハルの側にいたら気持ち良くて、ぐっすり寝ちゃったぺん』


「ふふっ、それは良かったよ」


 安心してくれたなら、それはとても嬉しい。バニラはこたつでぬくぬくしているので、私は着替えて準備をしてから朝ごはんを作ろう。

 今日は卵サンドとスープ、ベーコン、目玉焼きにしよう。ささっと作っていると、お料理の香りにつられてみんなも起きて来た。



 みんなに挨拶をしてテーブルに朝ごはんを準備したら、テーブルに乗せてあげて一緒に食べよう。

 今日もみんな美味しく食べてくれたので嬉しい。今日はストリアの街を少しお散歩してから王都に帰ろうかな。飛ぶこたつならすぐに帰れるからね。


「今日は少しストリアの街をお散歩してから、王都に帰ろうか?」


『それは良いくまね』


『良いぴょんよ~。何か面白い物あるか見て来てぴょん!』


「うん、ありがとうね。何かあるか見てくるね! あっ、後バニラは一緒に来てね。冒険者ギルドで獣魔登録しなきゃね」


『分かったぺん~』


 お片付けをしたらタルトとバニラを肩に乗せて、バングルのお部屋を出たら冒険者ギルドに向かおう。

 冒険者ギルドでバニラの従魔登録を済ませてから、街をお散歩しよう。


 タルトとバニラを肩に乗せて街を歩いていく。


『ハル、街は人がいっぱいなのぺんね』


「そうだね~。王都に行くともっと沢山の人がいるんだよ」


『それは楽しそうぺん』


『色々な人がいるから楽しいぱんよ。でも危ない人もいるから気を付けるぱん』


 バニラは初めての街だから、きょろきょろ色々な物を見ている。気になる物は私とタルトに聞いてくるので、その都度教えてあげている。


 特に変わった物は見当たらなかったので、そろそろ王都に向かおうかな。お昼ごはんは飛ぶこたつで食べながら向かおう。


 東門から外に出ると、門から少し離れた所で飛ぶこたつを出すとみんなで乗り込んだ。

 お昼ごはんにジーン焼きサンドと紅茶を出して、王都に向かいながら食べよう。そろそろ飛ぶこたつが狭くなってきた気がするから、今度もう少し大きくしてみようかなぁ。


 ご飯を食べ終わると、バニラはこたつの中でうっとりしている。寒い所が好きって言われなくて良かったなぁ。


 みんなものんびりこたつの中で遊んでいる間に、王都に着いた。王都の近くで飛ぶこたつを降りて、タルトとバニラを肩に乗せて王都の中に入る。


 王都に着いたら、まずは冒険者ギルドで依頼達成の手続きをして貰おう。買い取りカウンターで依頼達成の確認をして貰ってから、ラウラさんの所へ行こう。


「ラウラさん、ただいまです」


「あら、ハルちゃん達お帰りなさい。その子もハルちゃんの従魔ちゃんなの?」


『バニラぺん。よろしくぺん~』


「ふふっ、可愛いわ。私はラウラよ、よろしくね」


「ラウラさん、依頼達成の手続きお願いします」


「ハルちゃん、アイスドラゴンも倒したの!?」


「はい、倒してきましたよ~」


「やっぱりハルちゃんは凄いわね!」


 そういうと、ラウラさんは手続きをしてくれた。ギルドカードを返して貰ったら、依頼票を見てみようかな。


『ハル、明日は依頼を受けるぱん?』


「何か面白そうな依頼があったら行ってみようかと思って」


『依頼ぺん?』


「うん、そうだよ。私は冒険者だから、この依頼票を見て何をするか自分で選べるんだよ」


『そうなのぺんね~』


 そういうと、依頼票に目を移して何か面白そうな依頼がないかを確認してみる。


(あっ、あれなんだろう)


「香る木の実の採取ってなんだろう? でも、木の実だから美味しいかもしれないね」


『分からないけど、美味しいかもしれないなら行かなきゃぱん!』


『やってみたいぺん!』


「ふふっ、そうだね。やってみようか」


 またラウラさんの所に行くと、手続きをして貰う。香る木の実は王都の東にあるらしい。


「そうだ、ハルちゃん。5日後にお祭りがあるの知っていたかしら?」


「えっ!? 知りません。お祭りがあるんですか?」


「そうよ。このグラセリア王国の建国祭があるのよ。大きいお祭りだから楽しいわよ~」


「わぁ、それは楽しそうです!」


 お祭りなんて久しぶりだよ。建国祭だなんて大きそうなお祭り、絶対楽しいに決まってるよね!


「ハルちゃんは商業ギルドにも登録しているから、お店を出す事も出来るわよ?」


「えっ、お店ですか?」


『ハル、それやるぱんよ!』


『楽しそうぺん』


 お店を出せるのは楽しそうだね。みんなでやってみるのも良いかもしれない。


「お店を出すのは許可がいるんですよね?」


「そうね、商業ギルドで登録出来るから行ってみると良いわよ」


「はい、今から行ってみます。ラウラさん、ありがとうございました」


 良い事を聞いたね。お店をやる前に出店でやってみるのは、とても良い経験になるだろうから、ぜひやってみたい。


 商業ギルドに行って、受付のお姉さんにお祭りの話を聞いてみよう。


「こんにちは。あの、お祭りの出店をしたいのですが、まだ大丈夫ですか?」


「こんにちは。えぇ、まだ空きがあるから大丈夫よ」


「良かったです。じゃぁ、出店の手続きをお願いします」


 何をやるかも登録しなくちゃいけないのだけど、まだ決まっていないから帰ってみんなに相談してみよう。登録は2日前までなら大丈夫だそうだ。


 登録が終わったので、商業ギルドを出てお家に帰ろう。

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