氷の花とアイスドラゴン

 みんなで飛ぶこたつの上でお茶をしよう。みんなにクリーン魔法を掛けてテーブルに乗せてあげると、さっき作っておいたホットチョコレートとポテトチップスを出してお茶にしよう。


『おいしいぺんっ!』


「ふふっ、熱い物でも大丈夫なんだね。良かった~」


『大丈夫なのぺん。寒くて困っていたから嬉しいぺん』


『ハル、このホットチョコレート美味しいぴょん!』


『いくらでもたべられるぴよ!』


「ふふっ、ホットチョコレートは身体が温まって良いね」


『ぽかぽかなのぺん』


 のんびりお茶をしている間に、バニラの鑑定をさせて貰おう。


 名前:バニラ

 種族:特殊スライム(ペンギンタイプ)

 LV:25

 スキル:溶解、氷魔法


「わぁ、バニラのレベル25もあるんだね。スキルは溶解と氷魔法だね」


『そうなのぺん? ハル、教えてくれてありがとうぺん』


「氷魔法ってことは、氷が出せるの?」


『そうぺんよ、こんな感じぺん』


 そういうと、バニラは氷を作ってくれた。


「おぉ、凄いね~!」


(氷……高速回転……かき氷っ!!)


 バニラの氷とベリーの高速回転でかき氷を作れる事に気が付いた。今度温かい所で作って貰おう。でも、その前にかき氷機を作らないとだね。


『ハルが美味しい物を考えているぴょん!』


「はうっ! またばれた!?」


『くふふ、バレバレなのくま』


『今度はなにこん?』


「バニラに氷を作って貰ったら、かき氷が食べられるな~って思ったんだよね」


 みんなはかき氷が分からないので、コロンと転がって不思議がっている。


(バニラまでやってる! か、かわいいー!!)


「ふふっ、今度作ろうね。でも氷だから温かい所で食べようね」



 お茶をした後は、お片付けをして先に進もう。その後もみんなは、滑ったりくるくる回ったり飛んだりと遊びながら進んでいる。

 少し進むと目の前に氷の崖が出て来た。


『ハル、ここからは飛んだ方が良いかもしれないくまね』


「そうだね~。この先は崖ばっかりだね」


『ハル、この前の立って乗るのが良いぴょん!』


『あれ、たのしいぴよ!』


「ふふっ、良いよ~。その方が色々探しやすいもんね」


 先日作ったのをアイテムボックスから取り出すと、みんなで乗り込んだ。ゆっくりと浮かばせてると、氷山の山頂を目指して飛ばしていく。


『空飛んでるぺん~!! 楽しいぺんっ!』


『ふふっ、ハルはすごいのぴよっ!』


『いつもの飛ぶこたつも楽しいぴょんよ』


「バニラも一緒に楽しい事沢山しようね」


『うれしいぺん!』


 氷山の山頂は氷が平らになっていて普通に歩けそうだったので、降りて歩こう。氷の花がどこにあるか分からないから、鑑定をしっかり発動させて進もう。

 

 山頂で降りて少し歩いた所で、お昼ごはんにしよう。危ないからバングルのお部屋に入ってお昼にしよう。バニラは分からないだろうから、抱っこして一緒に移動する。


 お昼ごはんはアイテムボックスに仕舞ってある、カツサンドとスープを出した。お茶は温かいミルクティーにしよう。身体がぽかぽか温まるように、ジーンシロップも入れよう。


『ハル、どれもとっても美味しいぺん!』


『この紅茶ぽかぽかして美味しいぴょんね』


「うん、ジーンシロップを入れたから身体がぽかぽかするんだよ~」


『氷ばっかり見ているからそれは良いこんね』


『カツサンドもおいしいぴよー』


『シールドで寒くなかったけど、美味しいぱん!』


 お昼ごはんを食べ終わったら、お片付けをしてシールドを掛けてからバングルのお部屋を出る。外に出て氷の花とアイスドラゴンを探そう。



 みんなは氷の上を滑ったり飛び跳ねたりしながら進んで行く。私も転ばないように気を付けながら、みんなについて歩いて行く。


 少し進むと、氷の花を発見した。本当に氷の上に花が咲いているように見える。茎がほとんどなくて、氷の上に葉っぱが数枚と、大きな氷のように半透明の花びらがとても綺麗な花だった。


「氷の花とても綺麗でステキだね~」


『きれいなのぴよ~』


『とっても綺麗だぴょん!』


「なんだか採ってしまうのが申し訳なくなっちゃうけれど、少し採らせて貰おうか」


『そうこんね。とっても綺麗で採っちゃうのがもったいないこんね』


『ハル! こっちに来てくま!』


「どうしたの?」


 ひぃろの方に行ってみると、氷の花の群生地があった。見渡す限りの氷の花でとても素敵な景色だった。


「わぁ! 凄い素敵だね」


『ここまで沢山咲いていたら、少し採っても大丈夫ぱんね』


「あっ、そうだね。少し採らせて貰おう!」


 氷の花を採取していると、タルトとひぃろが慌てだした。


「どうしたの?」


『ハル、アイスドラゴンが来たくま!』


『危険って出てるのがいっぱいぱん!』


「えぇぇ!?」


 もしかしたら、ここはアイスドラゴンの縄張りだった!? でもアイスドラゴンの討伐の依頼も受けているから、倒してみようかな。


 ファイアードラゴンを倒した時と同じように、ドラゴンにシールドを張って、その中に炎魔法を撃ちこんで倒せるかな。


「ファイアーシールド、ファイアーアロー」


 アイスドラゴンが見えてきたら、シールドを掛けてファイアアローを沢山出して攻撃してみる。

 少しするとぽふん! とアイスドラゴンが消えてドロップ品を落とした。アイスドラゴンのドロップ品は、討伐記録、氷の魔石、ドラゴニアサファイア、ドラゴンの皮、爪、牙、肉だった。


 その後も沢山アイスドラゴンが襲ってきたので、次々に倒していく。みんなはぽとぽと落ちるドロップ品を集めに行ってくれている。


 みんなの所に向かわないように、気を付けながらアイスドラゴンを倒していく。なんとかアイスドラゴンを倒し終わったので、ドロップ品を仕舞ってから氷の花をもう少し採取しよう。


 氷の花の採取が終わったら、飛ぶこたつを出して街に帰ろう。



 飛ぶこたつに乗ると、まずは温かい緑茶とたい焼きを出して食べよう。やっぱり氷をずっと見ていると温かい物が食べたくなるね。


 飛ぶこたつをゆっくりと浮かばせて街へ向かいながらお茶をする。


「ふぅ、みんなお疲れ様。温かい物が美味しいね」


『そうくまね~』


『ハル、これとっても美味しいぺん! 温かい緑茶も美味しくて好きぺん!』


「ふふっ、バニラが温かい物も食べられるようで本当に良かったよ~」


『ふふっ、温かいの良いぺんね。これからとっても楽しみになったぺん』


『沢山一緒に遊ぶこん!』



 みんなでお茶をした後は、こたつにも入ってみたバニラがとっても気に入っていた。やっぱり温かいのが好きみたいだね。

 氷山に居たから寒いのが好きなのかと思ったら、他の所が温かいって聞いたことはあるけれど、行くのになかなか勇気が出なかったんだって。


『ハル、このこたつ最高だぺん! ぽかぽかでほかほかなのぺん』


「ふふっ、どこの拠点でもこたつがあるからのんびりしてね」


『ありがとうぺん』


 さて、採取した物を見てみようかな。アイスドラゴンのドラゴニアサファイアはやっぱり上級の付与が出来る魔石だった。大分少なくなっていたから、補充が出来てとても嬉しい。


 氷の花は、耐寒ポーションが作れるんだそうだ。それはとても便利そうだ、半日しか耐性が持たないけれど、あるだけ凄く助かると思う。


 耐寒ポーションがあれば、レインコートを集めるのがとっても楽になると思う。



 ストリアの街の近くで飛ぶこたつを降りて、街の中に入ろう。街の中に入ったら、まずは路地に入ってバングルのお部屋に行こう。

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