帰る準備をしよう

 みんなともふもふすりすりしてると、すぐに眠くなっちゃうんだよね。そして朝はすっきりなんだよね。癒し効果があるんだよ、絶対! そぉっと起きて着替えてから、朝ごはんを作ろう。


 今日の朝ごはんは何が良いかなぁ。あっ、今日はホットドッグ作って、お茶はミルクティーにしようかな。作っていると、みんなが匂いと音につられて起きてきた。


 みんなをテーブルに乗せてあげて、ご飯を食べよう。


「今日はホットドッグだよ。ケチャップ掛けるね!」


『おいしいぴょん!』


『おいしいぴよー!』


「ふふっ、ライチ。お口にケチャップついてるよ~」


 ライチはお口というか全体が小さいから、たまに付いちゃうんだよね。でもそれもかわいいんだよねっ!


 お片付けをしたら肩にタルトを乗せて、みんなはバングルのお部屋に入って貰って、フィルさんのお店に向かおう。


「フィルさん、おはようございます」


「あら、ハルちゃんにタルトちゃん。おはよう!」


 みんなもバングルのお部屋から出て来て、フィルさんのお店でぽよんぽよん遊んでいる。


「また沢山宝石取ってきましたよ~!」


「まぁ! 今度はどこに行ってきたの?」


「今回はトルタの北にある鉱山に行ってきたんですよ~」


「怪我はなかったかしら?」


『大丈夫ぴょんよ!』


『ライチもいるからだいじょうぶぴよー!』


「あら、ふふっ。頼もしいわね!」


「みんなどんどん強くなっていくよね、本当に」


『ぼくはどんどんもふもふになるこんっ!』


「それはなんてステキ!」 


 思わずシフォンを抱きしめちゃう。みんなの目がきらん! となったので他の子達もむぎゅっと抱きしめる。


 鉱山で採って来た宝石を全種類出してみる。ジルコン、シトリン、カーネリアン、ストロベリークォーツ、ターコイズかな。さすがにダイヤは出すのをやめておいた。


 鑑定してみると、カーネリアンに下級の付与が出来る事が分かった。今回は中級も上級もなかったのはちょっと残念だったけど、いっぱい持っているから良いか。


 フィルさんは、カーネリアンと他の宝石も少しずつ全部の種類を買い取ってくれた。


「そういえば、そろそろクラフティア王国に帰る予定なんです」


「あら、それは寂しくなっちゃうわね~。また遊びに来てね!」


「はい、ぜひ!」


「ハルちゃん達はクラフティア王国から来ていたのよね~。なんだか馴染んでいてすっかり忘れてたわ」


「ふふっ、確かになんだか色々あり過ぎて馴染みましたね」


「ハルちゃん達はグラセリア王国にはもう行ったの?」


「えっ?! グラセリア王国ですか? まだ行ったことないです。まだ他の王国があったのですね~」


「えぇ、ランタール王国からだとトルタから西の方ね。クラフティア王国からだと北西あたりにあるわよ?」


「わぁ、それは全然気が付いてなかったです! それは行ってみなくてはですね~。グラセリア王国はどんな所なのですか?」


「あそこは服飾の国なのよ」


「服飾の国ですか? ランタール王国は鍛冶と鉱石の国ですよね」


「ここのダンジョンは装備品が出るでしょう?」


「はい、いっぱい出ましたね」


「それが、グラセリア王国のダンジョンはお洋服が出るのよ!」


「わぁ、それは面白そうです! 一旦クラフティア王国に戻ったら行ってみます!」


「ふふっ、次に会う時にまた色々話して聞かせてね!」


「はいっ!」


『行ってみたいぴょんね!』


『ライチも行きたいぴよー!』


「ね~、楽しそうだよね!」


 フィルさんとお話して良かった~。面白い情報を聞いてしまった! クラフティア王国に帰ったら何をしようかと思ったけれど、また旅するのが楽しみになって来たなぁ。


 クラフティア王都から北西って事はブレストの街の更に西あたりかな。


 フィルさんとお茶をしながらお話をして、今日もお昼ごはんを一緒に食べる事になった。今日のメニューは何にしようかなぁ。


『ハル、パンケーキ食べたいぴょん!』


「甘いの? しょっぱいの?」


『あまあまクリームがいいぴょん!』


「ふふっ、いいよ~」


 今日は全員分錬金スキルで作っちゃうぞ! 材料を準備して全員分盛り付けしたものを思い浮かべる。


「錬金!」


 材料が光り、光が収まるとパンケーキが人数分出来ていた。美味しそうだなぁ、フルーツたっぷりパンケーキ!


「まぁ、美味しそうね!」


 みんなもクリーンを掛けてテーブルに乗せてあげて一緒に食べよう。


『ふふ、あまあまで美味しいぴょんっ!』


『おいしいぴよ~』


「ふふっ、相変わらずハルちゃんのお料理は美味しいわ~」


「喜んで貰えて良かったです」


 フィルさんと楽しくランチをしたら、そろそろ商業ギルドへ向かおうかな。商業ギルドに着いてすぐにギルマスの部屋に通された。



「ギルマス、お疲れ様です」


「おう、ハル。悪いな、すぐ行くぞ!」


「えぇっ、ど、どこへでしょう!?」


「陛下が帰る前に会いたいって事ですぐに行くぞ!」


 まさかいきなり国王様に会いに行く事になるとは思わなかった。だから商業ギルドの前に馬車があったのね~……。


 馬車に乗り、そこでやっと落ち着いて会話が出来るようになった。まずは冒険者ギルドと商業ギルドの書状を預かった。


「クラフティア王国の両ギルマスに渡してくれな」


「はい、お預かりします。」「一応報告はしているが、フリーズドライの錬金ボックスを向こうにも設置よろしくな」


「あっ、そうですね~。向こうのギルドで頼まれたんでした」


 話をしていると、王城に着いた。すぐにいつもの部屋に通されて、少し待つと国王様がやって来た。カイル様とルリア様も一緒だった。帰る前に会えて良かった。


「ハル、帰る前にもう一度会えて良かった。まずは鉱山ダンジョンも含めてとても助かった、本当にありがとう。またこちらに来た時はいつでも寄ると良い。カイルとルリアも喜ぶ」


「はい、ありがとうございます。とても楽しかったです」


「ハルさん、帰ってしまうの寂しいです。また会いに来てくださいね!」


「私もみなさんに会えなくなってしまうの寂しいですわ。また来てくださいね!」


「はい、ありがとうございます」


 みんなもお部屋から出て来て、カイル様とルリア様と遊んでいる。また会いに来よう。


「ハルは、この後どうするんだ?」


「クラフティア王国に帰ってから、落ち着いたらグラセリア王国に行ってみようと思ってます」


「なるほど。グラセリア王国も良い所だぞ。楽しんでくると良い」


「はい、ありがとうございます。とっても楽しみです!」


 今日はみんなでお茶をする事になったので、何かお菓子を出してあげよう。フルーツたっぷりのロールケーキにしよう! 材料を出して、切り分けた状態を思い浮かべる。


「錬金!」


 材料が光り、光が収まるとロールケーキが人数分出来ている。お茶はメイドさんが入れてくれたので、ロールケーキを配ろうと思ったら、それもやってくれた。ありがとうございます!


 みんなでのんびりお茶をしてお話をする。カイル様とルリア様も喜んでくれてうれしいな。みんなとも仲良くお茶をしているのが、見ていてついついにっこり笑顔になってしまうほど素晴らしいです!


(ふふっ、眼福です! 可愛いです! 美少年、美少女はステキなのです~!)



 みんなも楽しそうで見ていて嬉しくなっちゃうね。楽しくお茶をした後は、また馬車に乗って商業ギルドまで戻って来た。ついでに、借りているお家の手続きを済ませようと思ったけれど、明日の朝じゃないとダメだった。お家の鍵を忘れてたよ。明日の朝にギルドに寄ってから行く事にしよう。


 商業ギルドを出て、お家に向かう。みんなが遊んでいる間にお夕飯を作ろう。今日はオムライスとスープにしよう。


 ささっと作って食事の準備をする。みんなをテーブルに乗せてあげて一緒にご飯を食べ始める。今日は大きなオムライスを作ったので、みんなの分を取り分ける。ケチャップでお顔を描いたらみんなの前にお皿を置いてあげる。


『くふふ、お顔が描いてあるのうれしいくま!』


『にこにこうれしいぴょん!』


「ふふっ、美味しく食べてね~」


 みんなで楽しくご飯を食べたら、お風呂に入ってもふもふタイムだ~!


「明日はクラフティア王国に帰るね~」


『そうくまね。ランタール王国もとっても楽しかったくまね』


「そうだね~」


『ハルは、グラセリア王国に行った後はどうするくま?』


「その後かぁ……特に考えてはいないんだけど、どうしようかなぁ。あっ、でもティリスの街へは行きたいんだ。私の始まりの街だしね」


『そうくまね、懐かしいくまね~』


『懐かしいこん?』


「そうだね~、最初にあったのがひぃろだったんだよ~」


『そうなのぴよ?』


「うん、そうなんだ。今では沢山の家族がいて凄く嬉しいよ!」


『ふふ、ぼくも一緒にいられて嬉しいぱん!』


「あっ、お店をやるのも良いかもしれない?」


『あっ、それはいいくまね!』


『お店、楽しそうぴょん!』


『こたつあるぱん?』


「あっ、こたつカフェいいね」


『こたつうれしいぴよね!』


『でも、誰も出れなくなりそうくまね』


「あはは、確かにそうだね!」


『ふふっ、でもそれはそれで楽しそうぴょん!』


 みんなと一緒にお店やるのも楽しそうだ。少し本当に考えてみよう! そろそろみんなを抱っこしておやすみなさい!

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