トルタの街

 朝起きて、ふわふわもふもふが幸せで二度寝したくなるけれど、起きよう……。


「みんな、おはよう!」


『おはようくま!』

『おはようぴょん』

『おはよぱん』

『おはようぴよー!』

『おはようこんっ!』


 お着替えをして出掛ける準備をしたら、みんなで食堂へ向かう。足元でぽよんぽよん跳ねながら階段を下りて行く。ちょっと階段の下から見たいくらい可愛い!


 みんなで仲良くご飯を食べたら、宿を出て西門へ向かう。トルタの街はここから北西に向かうと着けるらしい。


 西門で手続きをして貰い外に出ると、みんなにシールドを掛けて鑑定もしっかり発動させてから歩いて行く。みんなのぽよんぽよんと跳ねて行く姿を見て癒されながら歩いて行く。


 シフォンのしっぽのふさふさが揺れるのも見ていてすっごく和む! もうとっても可愛いです!

 

 しかし、鉱山に魔物が住み着いたみたいだけど、何が住み着いたんだろうなぁ。誰も詳細を調べられていないから強い魔物なんだろうけれど……。


 しっかりシールドを掛けて行かないと危ないだろうなぁ。うん、気を付けよう!


 薬草とか食べられる物を採取しながら進んで行く。そろそろ休憩にしようかな? 今日のおやつは何が良いかなぁ。あっ、なんかチョコが食べたい! チョコを使ったお菓子何が良いかなぁ。


(あっ、チョコケーキにしよう! チョコの生クリームを使ったケーキ食べたいっ!!)


『ハル、今日のおやつは何ぴょん?』


「うん、チョコケーキを作ろうと思っているんだぁ」


『やったぴょんっ!』


『ベリー、なんで分かったこんっ!?』


『ハルは分かりやすいのぴょん』


「またばれてるっ!?」


 飛ぶこたつを出して休憩にする。材料に卵、小麦粉、お砂糖、ふわふわの実、チョコの実、牛乳を出してチョコレートケーキを思い浮かべる。ついでに1個ずつお皿に分けて貰おう!


「錬金!!」


 材料が光り、光が収まるとお皿に乗ったチョコケーキが出来ている。人数分だけ残してアイテムボックスに仕舞う。


 温かい紅茶を入れて、みんなで一緒に食べ始める。


「ん~、これこれっ! これが食べたかったのー!!」


『ハル、これ美味しいくまね!』


『ハル、これ最高ぴょん!! 紅茶とも合って大好きぴょんっ!』


「ふふっ、チョコケーキ美味しいよね~。紅茶とも良く合うよね!」


『おいしいぴよね~』


『ここんっ! 美味しいこんっ!』


 みんなにこにこで食べる。食べ終わったらお片付けをして、またトルタの街を目指して歩いて行く。


 そういえば、トルタの街で刻印が作れるって聞いてたなぁ。でも自分で作れそうなんだよね? 今度ライチと一緒に作ろうかな。


 でも、楽しそうだから鉱山の問題が解決したら街を見て回ってみよう!


「そろそろお昼ごはんにしようか? 場所を探して貰って良いかな?」


『任せてくま!』

『任せるぱん!』


 みんなでぽよんぽよん跳ねてお昼ごはんを食べる場所を探してくれる。みんなが選んでくれた所に飛ぶこたつを出す。今日は簡単にたまごサンドと、お肉サンドを出して、お茶はアイスティーを入れよう!


 みんなの前に出してあげて、一緒にごはんを食べ始める。うん、どっちも美味しいなぁ。


『美味しいくまね~』


『この2種類は嬉しいぱんね』


『そうくまね!』


『たまごさんど好きぴょん!』


『ライチもぴよー!』


『ぼくはどっちも好きこんっ!』


「ふふっ、みんなどっちも好きだもんね!」


 食べたらお片付けをして、またみんなの後ろ姿を見ながら歩き始める。途中で魔物にあったりもするけれど、基本的にベリーのアタック1発で倒せてしまうくらいベリーが強い!


 途中で採取したり休憩したりして歩きながら、夕方前にトルテの街に着いた。ここでは宿じゃなくて、バングルのお部屋に泊っちゃおうかな。


 門番さんに手続きをして貰い、トルタの街へ入る。まずは冒険者ギルドに行ってみようかな。冒険者ギルドに行って、受付のお姉さんに話を聞いてみる。


「こんにちは。少しお聞きしたいのですが、今大丈夫ですか?」


「こんにちは! どうしましたか?」


「鉱山の中にいる魔物を倒しに来たのですが、何か情報ってありますか?」


「えぇぇ!? あ、貴方達が倒すの!?」


「えぇ、王都のギルマスに頼まれています」


 そう言うと、ギルドカードを見せる。プラチナのギルドカードを見て凄くびっくりしていたけれど、情報を教えてくれる。


「それが、詳しい情報がないのが現状なのよね。中に入って奥に行こうとすると魔物に襲われるから、中に確認に行けてないのよ」


「それは大変ですね。では明日早速行ってみますね~」


「えぇぇ!? は、話を聞いていた? 魔物に襲われるのよ!?」


「はい、大丈夫ですよ。では明日行ってきますね!」


 情報が何もないのは残念だけど、それは仕方ないかな。強い魔物だとは聞いていたしね。お姉さんにお礼を言うと、冒険者ギルドを後にする。一体どんな魔物なんだろう?


 冒険者ギルドを後にした私達は、街をお散歩しながらお店をちらっと見て行く。特に目新しい物はなかったけれど、鍛冶仕事している人がいる。鉱山から戻ったら色々なお店を見て回るぞー!


 路地に入り、バングルのお部屋に移動する。みんなはこたつに一直線! だから温かくないってば~! いい加減、こたつの入れ方を変えなきゃダメかな? みんなが自分達で温かく出来た方がいいよね?


 うーん……どうしたら良いかな? 今はこたつの中に手を入れて上を叩くとこたつに電源が入り、こたつを温めてくれる。みんなが自分達でスイッチを入れるには……こたつの手前にボタンを付けようか! それならみんながぽよん! と上に乗ったら出来るかな!


 よく思い浮かべてみると、そのまま錬金出来そうだ。


「錬金!!」


『くまっ!?』

『ぴょっ!?』

『ぱんっ!?』

『ぴよっ!?』

『こんっ!?』


「ふふふっ、みんなこのスイッチを作ったから、これに乗ればこたつが温かくなるよ」


『わぁ、ハル凄いくま!』


『やってみるぴょん!』


「うん、試してみてね」


 そういうと、ベリーがぽよんとスイッチの上に乗った。こたつはどうかな? ちょっとめくってみると、電源が消えている。


「ベリー、もう一度乗ってみて!」


 ぽよんともう一度乗ると、こたつの電気がついて温かくなる。よし、成功したね!


「うん、大丈夫みたいだね。ふふっ、これで私がいない時でもこたつが温かくなるよ!」


『わぁい、嬉しいぴよー!』


 みんながボタンを押したくて遊んでいるので、私はその間にお夕飯の準備をしよう。うーん……今日は何が良いかなぁ。


『ハル、ぼく唐揚げが食べたいくまー!』


「うん、いいよ~」


 漬けているお肉がないから、トロンの実を付けて揚げて甘辛タレを絡めよう! 甘辛唐揚げ美味しいんだよね~! 後はお野菜はスープにしようかな。ベリー達はお野菜好きだしね。


 材料を準備して、まずスープを作って煮ている間に唐揚げを揚げよう~。みんなはまだこたつのスイッチが楽しいみたいだ。このお部屋にみんなが遊べる所を作っても楽しそうだなぁ。そのうち何か考えようっと。


 揚げたココ肉に醤油、みりん、お砂糖のタレに絡めたら完成っ! うん、美味しそう~。スープも出来たので、食べる準備をしてからみんなをテーブルに乗せてあげて、ご飯を食べ始める。


『くまっ! 今日の唐揚げも美味しいくま~!』


「今日の唐揚げは甘辛のタレを絡めてあるんだよ」


『美味しいのぴょん!』


『美味しいこんっ! お代わり欲しいこんっ!』


『ライチもぴよー!』


「はい、どうぞ~」


 みんなで仲良く食べてから、みんなでお風呂に入る。ブラッシングもして幸せもふもふタイムだー!


「ふふふ、みんなもふっもふのふわっふわになったね~。みんなふわふわで可愛い~!」


『ハル、もふもふしていいぴよよ?』


 そんな上目遣いで見つめられたら、もふもふしちゃうよ?


「きゃーっ、ライチ気持ちいい~。ふふふっ」


『私もしていいぴょんよ?』


「きゃーっ!」


 みんなをもふもふすりすりして、幸せ気分でおやすみなさい!

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