装備品ダンジョン2

 みんなをむぎゅーっと抱っこした後で、みんなのお口にチョコを1個ずつ入れてあげた。


「楽しく進もうね」


『くまっ!』

『ぴょんっ!』

『ぱんっ!』

『ぴよっ!』

『こんっ!』


 お茶も少し飲んで休憩してから、次の階へ行こう。23階へ下りてみると、今度はもぐらじゃなく、サソリっぽい……。


「あれって、サソリ?!」


『そうくまね~』


『ハル、サンダーレインでやっつけた方がいいと思うぱんよ』


「そうだよね。あれは危なそうだものね! サンダーレイン!」


 フロアに雷が何本も落ちて、サソリを全部倒したみたいだ。いくらシールドがあっても、サソリは怖い。しかも普通のサソリは小さいけど、ここに居るのは巨大すぎる。人より遥かに大きいサソリとか怖すぎる!!



 風魔法でアイテムを中心に集めてから、アイテムを拾いに行く。ドロップ品は、討伐記録、鎧だった。確かにサソリの殻は硬そうだものね~。あっ、でも中にはミスリルの鎧まである。同じ生物でも色々落とすものが違うのだね~。


「鎧って言っても色々種類があるんだねぇ」


『そうくまね~。ハルは鎧着ないから分からないくまよね』


「そうだね~」


『ハルはフードが鎧ぱんね』


「そうそう、耳付きフードは最強の鎧で! て違うよっ!?」


『ふふふ、ハルは本当にありそうだから分からないぴょんね』


『確かにハルは強いから本当にありそうこん』


(シフォンまでっ!?)


『ハルは強いのぴよー!』


 次の階層は何がいるのかなぁ。24階に下りてみると、サソリが大きくなってる……怖すぎる。しかもサソリの他にも何かいるし?!


(あの巨大サソリ……怖すぎる……絶対近くで見たくないっ!!)


「サソリの他にいるのなんだろう?」


『あれは、サーベルタイガーくまね』


「サーベルタイガー?! ま、また強そうだね……」


『あの牙が怖いぱんよ。あの牙で金属も切れるって言われているぱん』


「えぇぇぇぇ!? あの牙で切れちゃうの?!」


 まさか牙で切れるとか怖すぎる。やっぱりさくっと倒しちゃおう!


「サンダーレイン!」


 雷がフロア全体に落ちると、ぽふんぽふん! とアイテムに変わっていく。よし、風魔法で中央に集めよう。


「よし、また頑張って拾おうー! 拾ったらお茶にしようね~」


『くまっ!』

『ぴょんっ!』

『ぱんっ!』

『ぴよっ!』

『こんっ!』


 階段を下りてドロップ品を拾いに行くと、ドロップ品は討伐記録、鎧、剣だった。サーベルタイガーだから剣が出るんだね……。


「ねぇ、この剣ってサーベルタイガーの牙より大きい気がするんだけど……?」


『それは気にしちゃダメくまよ』


「ダメなの?!」


『絶対ダメぱん!』


「ダメ押しされた!?」


『ふふ、がんばって拾うぴょんよ~』


「そ、そうだね」


 剣も鎧も色々な種類があるけど、私は使わないからよく分からない。でも冒険者達の装備が整えば怪我も減るだろうし、良い事だよね~。


 みんなで協力してアイテムボックスに仕舞って行く。仕舞い終わったら、安全エリアに行ってからバングルのお部屋に入る。

 

 おやつとお茶の錬金ボックスからおやつとお茶を取り出して、みんなの分と一緒にこたつに運ぶ。今日のおやつはマドレーヌだった。うん、美味しい! それとアイスティーを飲んで一休み。


「次は25階でボスの階層だね」


『そうぴょんね』


「さっきサーベルタイガーがいたから、巨大なのが居そうだよね……」


『そうくまね~』


『さくっと倒しちゃうといいぱんよ』


「そうだね。そういえば、装備品のドロップは色々な種類があるんだね」


『そうこんね』


「色々な人が使えて助かるけど、不思議だね~」


『ふしぎぴよー』


 のんびり休憩した後は、お片付けをしてからバングルのお部屋を出て、25階への階段を下りる。25階へ着くと、やっぱりさっきよりもかなり大きなサーベルタイガーが居た。しかもさっきの大きさのサーベルタイガーまで大量にいる。


「うわぁ……怖すぎる……」


 これは、剣が大量に出るね。よし、倒しちゃうぞー!


「サンダーレイン!」


 フロアに雷が落ちるけど、巨大なサーベルタイガーは倒れない。


「ファイアアローぴよ!」


 ライチのファイアアローが当たると、ぽふん! とアイテムをドロップした。全部倒したら、フロア内に剣がすごい沢山散らばっているのが見えた。


『ハル、剣がいっぱいなのこん!』


「そ、そうだね……」


 あまりの数にちょっと引きながら、風魔法で中央にドロップ品を全部集める。


『いっぱい拾うぴょん~!』


「うん、がんばって拾おう!」


 みんなで協力してアイテムを拾い集めて、アイテムボックスに仕舞って行く。階段の上から見ただけでも良く分かったけれど、剣が本当に大量だった。武器屋さんが出来そうだよ?


「剣と防具は大分出たけど、アクセサリー系は出ないのかな?」


『多分、出ると思うくまよ?』


「そうなんだ。後5階層で何が出るのか楽しみだね」


『ふふっ、楽しみだぴょん! そしてハルは勝つ気しかないのが凄いぴょんね』


『ふふっ、そうぱんね』


『さすがハルなのこん!』


『ハルらしいぴよー!』


「わわっ、そ、そういえば勝てない想像は何もしてなかった?! お、おかしいなぁ」


『おかしくないくまー!』


『ハルは強いから当然ぴょんね!』


「そ、そんな事ないんだよー!?」


『そんなことあるぴよー!』


『そうなのこん~! ハルかっこいいこんっ!』


「きゃー」


(うぅ、恥ずかしいなぁ……普通に勝てる事しか考えてなかっただなんて……)


 アイテムを拾い終わったので、26階へ行こう。26階への階段を下りて行くと、うじゃうじゃと何かが蠢いている……。


「いやーっ、気持ち悪いよぉ。サンダーレイン!!」


 ムカデみたいなのがいっぱいいるんだよ? あんなの見たくないっ!


『ハル、早かったくまね』


「足がいっぱいはいやー!」


 思わず涙目で叫んだ私は悪くないはず! 涙目のまま風魔法でアイテムをフロアの中心に集める。


(もういない……いないから大丈夫、大丈夫!!!)


 そう自分に言い聞かせて、恐る恐るフロアに下りて行く。がんばって拾おう……。


『ハル、大丈夫ぴょん?』


「う、うん……頑張る」


『バングルのお部屋にいてもいいくまよ?』


「ううん、大丈夫だよ。さくっと集めちゃおう!」


 心配してくれたみんなは有難いけれど、甘えてちゃだめだよね。頑張ろう! ドロップ品は討伐記録、鎧、ブーツだった。


 鎧もブーツも色々な種類があったけど、どれも大量だね~。どんどんアイテムボックスに仕舞って行く。全部仕舞い終わったら27階へ向かおう。


「あっ……嫌な予感がする……」


『ハル、大丈夫くま?』


『ハル、目を瞑って行けば良いと思うぱん』


「あっ、それ良いかもしれない?」


『目を瞑ったままサンダーレイン撃っちゃえばいいくまよ』


「うん、そうしようかな。みんな案内お願いしても良い?」


『任せるぴょん!』

『ぼくもがんばるこん!』


「うん、ありがとう!」


 目を瞑って下の階へそぉっと向かう。みんなが周りに居てくれて、案内をしてくれたので安心してそぉっと下りて行く。


『ハル、撃つくま!』


「サンダーレイン!」


 みんなが良いって言うまで目を開けずに待っておく。いつもの事を考えると目を開けちゃダメだと思うんだよね。


『ハル、もういいぴよー』


 ライチにそう言われたので、そぉっと開けてみるとフロアにはドロップ品しかなかった。


「ふぅ……みんなありがとう!」


『ふふ、良かったこん!』


「よし、またアイテムをがんばって拾おうね!」


 さて、ここで泊るのは絶対に嫌なので……すぐに下の階に下りよう!

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