冒険者ギルドと商業ギルドへの報告

 朝目が覚めると、ほっぺたにもふもふが……思わずすりすりしちゃう。


(ふふ、気持ちいいなぁ……あっ、二度寝は……ダメだ……)



 やっぱり寝過ごして、みんなに起こされました。あのふわふわはダメだ、二度寝してしまう。でも、気持ち良くて幸せだからすりすりしちゃうんだよね。


『ふふ、ハル起きたくまね』


「うぅ、ライチのふわふわが気持ち良くてつい寝ちゃったよ」


『ふふ、すりすりきもちよかったぴよー!』


『でもお腹すいたぱん~』


「うん、ご飯食べようね」


 みんながお腹を空かせていたので、朝ごはんはアイテムボックスにある物で食べちゃおう。みんなの好きな卵サンドがあったからそれにしよう。


 みんなで仲良くご飯を食べたら、お片付けをしてお出かけ準備をする。今日は冒険者ギルドと商業ギルドに行かなきゃね。


 お家を出て、まずは大通りを歩いて冒険者ギルドへ向かう。冒険者ギルドへ入ると、イルナさんがいたので声を掛ける。


「イルナさん、ただいまです」


「ハルさん、おかえりなさい! ギルマスの所へ案内しますね」


「あっ、お願いします」


「ふふっ、ギルマスが頭を抱えてましたよ」


 なんでそんな事に……。突然ギルマスの所へ案内されたけど、まぁ……いいか。


「おう、ハルおかえり! また色々やらかしたって?」


「えぇぇ!? や、やらかしてないですよ?!」


『ハル……やってるくまよ?』


「えっ?! ひぃろまで……」


『みんなびっくりしてたぴょんよ?』


「みんなって誰ー?!」


『クラーケン倒した時の冒険者達ぱんね』


「はうっ! そ、そんな事気が付かなかったよ……?」


「何体もいるクラーケンを倒して、ダンジョンを見つけて踏破して何もしてない訳ないだろう!」


「あっ……確かに……」


「まぁそれで、S級の承認依頼が来ていてな。国王様の所に行かないとだから、日にちが決まったら伝えるからな」


「はい、お願いします」


「ついでに、ダンジョンのドロップ品の買い取りしたいんだが良いか?」


「はい、大丈夫ですよ。大量にあるので、欲しいだけ伝えて貰えれば大丈夫ですよ」


 宝石、お魚など色々少しずつ買い取ってくれた。ちょっとだけ在庫が減ったかな?


 それと、付与する物は商業ギルドに預けてあるらしいので、そちらで作業をすればいいみたいだ。冒険者ギルドを出たら、商業ギルドへ行ってみようかな。あっ、でもその前にフィルさんの所とお昼ごはんを食べてからにしようかな。


「商業ギルドに行く前にフィルさんの所に行ってみようか?」


『いくぴょん!』

『いくぴよ!』


 フィルさんのアクセサリー屋さんを目指して歩いて行く。


「フィルさん、こんにちは」


「あら、ハルちゃん達おかえりなさい! 楽しかったかしら?」


「はい、とっても!」


『楽しかったくま』

『楽しかったぴょん~!』

『楽しかったぱんよ~!』

『たのしかったぴよー!』


 フィルさんは、私も含めみんなの頭をなでなでしてくれた。心は大人だから照れちゃうけど、なんだか嬉しい。


「そうだ、フィルさん。宝石色々見つけてきたので要りますか?」


「まぁ! それは嬉しいわ。見せて貰って良いかしら?」


 ひぃろとタルトはいつものように下でぽよんぽよん遊んでいる。ベリーとライチはフィルさんと一緒に見ている。ベリーとライチはやっぱりキラキラが好きだよね。


 大小さまざまな大きさで色々な色の宝石を出すと、みんなのため息が聞こえた。


「キレイね~」


『キレイなのぴょん~』


『きれいぴよ~』


「ふふっ、沢山あるとキラキラして綺麗だよね」


 フィルさんがいる宝石を選んでいる間、ベリーとライチも宝石をコロコロして眺めている。


(ふふっ、可愛いなぁ)


「後、低級の付与が出来るアイオライトもありますよ~。中級と上級も採って来たのですが、それは国王様に報告しなきゃなので……」


「そうね。低級の付与だったらお店の商品にも使いやすいわ。少し買い取らせて貰って良いかしら?」


「はい、どうぞ~」


 アイオライトを出してフィルさんに選んで貰う。


「とてもキレイな色ね。ハルちゃん、ありがとうね。色々商品の幅が広がるわ!」


「お役に立てて良かったです。そうだ、今日もお昼ごはん一緒に食べても良いですか?」


「えぇ、もちろんよ!」


 せっかくだからエビとカニを使ったお料理にしよう。天ぷらにしようかな。お野菜も天ぷらにして天丼にしよう!


 材料を準備して、人数分ささっと錬金する。


「錬金!」


 材料が光り、光が収まると天丼が人数分出来ていた。


(ん~、美味しそう!)


「わぁ、とても良い香りね! 美味しそうだわ!」


 みんなにクリーンを掛けて、テーブルに乗せてあげてみんなで一緒に食べ始める。


「ん~、美味しいわっ! ハルちゃんのお料理はどれも美味しいわ」


『ハル、エビもカニも美味しいくまね~』


『美味しいぴょん!』


『ふふふ、これ美味しいぱん~』


『ライチもこれ好きぴよー!』


「ふふっ、みんな喜んでくれて嬉しいなぁ」


 みんなで美味しく食べて、のんびりお話したら、フィルさんのお店を出て商業ギルドへ向かう。商業ギルドに入って受付のお姉さんに声を掛けると、ギルマスの部屋に案内してくれた。


「ハル、お帰り。なんかまたやらかしたって?」


「ただいまです。やらかしてないですよ?」


「デニスから色々聞いてるぞ。うちでも買い取りさせて貰っても良いか?」


「はい、大丈夫ですよ。それと、上級と中級の付与が出来る宝石がまた沢山取れましたよ」


「本当かっ!?」


 ダンジョンで沢山取れた事を伝えると、またもう少し付与するアイテムを見繕ってくれることになった。


 後は付与するアイテムを預かっているから、指示通りにお願いしたいと言われたので、そのまま場所を借りて付与していく。


 みんなにはおやつとお茶の錬金ボックスを出して置いてあげる。楽しそうにボタンを押しておやつを食べている。私はその間にどんどん付与を付けていく。


 数が多かったので、2時間くらい掛かったけれど、王国用と冒険者達用の全部付与し終わった。


「ふぅ、終わったぁ」


『ハル、お疲れ様くま』


「ありがとう。ギルマスの所へ行ってから帰ろうか」


『そうくまね~』


 ギルマスの部屋に行って報告してから帰る。ついでに、明日国王様の所へ行く事になった。冒険者ギルドの方もあるけれど、一緒に終わらせてくれるのだそう。明日はまた商業ギルドに集合になった。カイル様とルリア様に何かおやつを作って持って行こうかな。


 お家に帰ってまずはお夕飯の準備をしようかな。今日はどんなお料理にしようかなぁ。


(あっ、オムライスとスープにしようかな)


 オムライスを作って、ケチャップでみんなのお顔を描いちゃおう。


(ふふっ、かわいいっ!)


「みんなごはんだよ~」


『くまっ!』

『ぴょん!』

『ぱんっ!』

『ぴよー!』


 みんなをテーブルに乗せてあげて、ご飯を食べ始める。


『ハル、ぼくがいるくま!』

『私もいるぴょん!』

『ぼくもぱん~』

『ライチもいるぴよー!』


「ふふっ、今日はみんなのオムライスにしちゃった」


 それでもみんなはぱくんっ! と食べちゃうんだけどね。でもちょっと躊躇っているのが可愛いなぁ。


 みんなで仲良くお夕飯を食べた後は、のんびりお茶をし始める。新しいおやつは何がいいかなぁ。


(あっ、ガトーショコラにしよう!)


 チョコレート、バター、卵、小麦粉、砂糖を出して、しっとりしたガトーショコラを思い浮かべる。


「錬金!」


 材料が光り、光が収まるとガトーショコラが出来た。


『なに作ったぴょん?』


「今日はガトーショコラだよ。明日カイル様とルリア様にあげようと思って」


 みんなはがーん! っとショックを受けて固まった。


(あっ、大変! ショックを受けてる!?)


「えーっと、今のは味見用を作ったから、みんなに味見して欲しいんだけど……どうかな?」


『するくまー!』

『するぴょん!』

『するぱん!』

『するぴよよー!』


 切り分けて、みんなの前に出してあげた。まさかあんなにショックを受けるとは……とっても焦ったよ。


 みんなで味見をすると、しっとりとして美味しいガトーショコラが出来ている。


(うん、明日のお土産はこれで良さそうだね)


 もう一度材料を出して錬金する。錬金するときにプレゼント用の箱に入れた物を思い浮かべたので、きちんと箱入りのガトーショコラが出来た。



 今日もみんなでお風呂に入ってブラッシングもして、もふっもふのふわっふわになってからお布団に入る。


「ふふふ、もふもふのふわふわ~」


『もふもふしてくまー!』

『すりすりしちゃうぴょん!』

『むぎゅーってしちゃうぱん』

『ハルだいすきぴよー!』


「きゃー、ステキ!」


 毎日幸せ気分でおやすみなさい。

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