国王様の所へ行く

 今日も気持ちよく目が覚めた。そぉっと起きて着替えてから朝ごはんを作ろう。今日はまた国王様の所で食べるかもだし、簡単に済ませておこうかな。


(あっ、ガレット作ろうかな)


 材料は小麦粉、卵、牛乳、チーズ、オークベーコン、玉ねぎで良いかな。クレープ生地に玉ねぎ、ベーコンの上にチーズと目玉焼きが乗ったガレットを思い浮かべる。


「錬金!」


 材料が光り、光が収まると全員分のガレットが出来た。相変わらず錬金スキルで作ると簡単で美味しそうに出来るね。


『ハル、今日のご飯はなにぴょん?』


「今日はガレットだよ」


『ガレットぴょん?』


 コロリンと転がったベリーを抱っこして、テーブルに乗せてあげる。


『ふふっ、美味しそうぴょん!』


 みんなもテーブルに乗せてあげると、一緒にご飯を食べ始める。


『美味しいくま~!』

『全部の具材と生地を一緒に食べるのおいしいぱん!』

『ふふふ、うれしくなるおいしさぴよ!』


「ふふっ、美味しいね~」


 みんなでご飯を食べた後は、お家を出て商業ギルドへ向かう。商業ギルドに着いて中に入ると、ギルマスの部屋に通された。部屋には冒険者ギルドのギルマスのデニスさんもいた。


「おはようございます」


「おう、ハル。おはよう! 冒険者ギルド用の付与ありがとうな!」


「ハル、おはよう」


「いえいえ、お役に立てたのならよかったです」


 馬車が来たら、3人で馬車にのり王城に向かう。今日もみんなを次々となでなでしながら向かう。


「そういえば、火魔草の栽培はどうなりました?」


「それなんだが、やっぱりなかなか育たないみたいで困っているみたいだ」


「そうなんですね……やっぱり火山の土壌じゃないと難しいんですかね」


「その可能性もあるな。ハル、火山の土壌を取ってきてもらう事は出来るか?」


「大丈夫ですよ。飛んで行けばすぐですし、火山だったら温泉にも入れるので喜んで行ってきますよ!」


「ははっ、ハルは温泉が好きなのか」


「みんなとお風呂に入るの楽しくて好きなのですよ。セグルの街の宿は各部屋に温泉があったので、みんなと一緒に入れたのですよ!」


 またセグルの街へ寄れるなら、火山くらいいくらでも行っちゃう! 温泉気持ちが良かったんだよね~。みんなも気に入っていたから、楽しくお散歩で行っちゃう!


「今日火魔草の様子を見て、ダメそうだったら頼むな!」


「はい、分かりました」


『ふふっ、温泉楽しかったくまよね~』


「そうだね~。また温泉入りたいね!」


『私もすきぴょん!』


 そんな話をしていたら、王城についた。今日もまずは調理場に通された。今日も新しい料理を教えて欲しいという事なので、エビとカニ、お魚も沢山出しておいた。ただ、生ものなので早めに食べて欲しいとは伝えておいた。


 エビのチリソースとエビとカニはフライにしようかな。お魚はお野菜たっぷりの餡を掛けよう! わかめを使って何か出来ないかなぁ……やっぱり定番の酢の物、わかめスープを作ろうかな!


 せっかくここの王国で採れる物を沢山食べてあげられるようにしたいよね。後はおにぎりにして海苔を巻こうかな!


 料理長と話しをしながら、次々に料理を作っていく。やっぱり港街のわかめと海苔は知っているけれど、使い方がそんなになくて困っていたみたいで、作って良かった。


 酢の物もさっぱりとして好きなんだよね。フライもあるからさっぱりと食べて貰えるかな。料理が出来たら、国王様の所へ案内される。


「ハル、よく来てくれたね」


「ハルさん!」

「ハルさん、お会いしたかったですわ!」


 国王様にカイル様とルリア様もいた。


「お久しぶりです。カイル様とルリア様にこれをどうぞ。後で食べて下さいね」


「ハルさん、ありがとうございます」

「ありがとうございます、嬉しいですわ」


「早速だが、ハル。ギルドカードを渡して貰って良いか?」


 国王様にギルドカードを渡すと、石板の上で手続きをして新しいカードを作ってくれた。


「ハル、S級冒険者に昇格おめでとう!」


「わぁ、ありがとうございます。今度はプラチナ(?)カードなのですね。あれ? 紋章が増えてる?」


「あぁ、もちろん私の紋章も刻んであるからね」


「わわっ、ありがとうございます!」


「カイルとルリアの命を救って貰ったのもあるが、他にも火山に海底ダンジョンに、付与アイテムも作って貰って、こちらがお世話になりっぱなしだよ。本当にありがとう。ハルのおかげでこの国は救われたよ」


 まさか国王様に頭を下げられると思わなかった。


「わわっ、頭をあげてくださいっ!」


「それにハルがあまりにも良い子すぎて、心配にもなるからね。クラフティア国王と私の紋章があれば悪い事をしてくる者もいなくなるだろうからね」


「そこまで考えて下さって嬉しいです。ありがとうございます。このカードに恥じないようにがんばります」


『ハルに悪い事する人はぼくが近づけないぱんよ!』


「そうだよね、いつもありがとうね」



 それから、みんなで一緒にご飯を食べる。


「今日も新しい料理が沢山で嬉しいな。最近はさらに料理が美味しくなって嬉しいんだよね、ありがとう」


「ぼくも最近の新しい料理大好きです!」


「私もですわ!」


 今日も楽しくみんなでご飯を食べた。国王様とこんなに親しくさせて貰っていいのか悩む所だけど、カイル様とルリア様とお話出来るのは嬉しいから良いかな。それにみんなもカイル様とルリア様と楽しく遊んでいるからね。


 ご飯を食べ終わった後は、火魔草を見に行くのに飛ぶこたつで行く事になった。みんなとっても気に入ったみたい。


 カイル様とルリア様はひぃろ達ともふもふ遊ぶんだそうだ。いつもよりふわふわになったみんなをにこにこ顔でなでなでしている2人がとても可愛い。


 火魔草を植えた場所まで飛ぶこたつで移動してみると、火魔草が枯れかけている。やっぱり土壌が合わないのかな?


(鑑定掛けてみようかな?)


 火魔草:枯れかけて弱っている火魔草。火魔草の栽培には火山の土が必要です。それと暖かい場所で育ちます。


「うん、やっぱり火山の土が必要ですね。それと暖かくないと育たないみたいです」


「ふむ、そうなのか。ハル、土を持ってくる事は出来るか?」


「大丈夫ですよ。今日ギルマスともお話していたので、大丈夫です」


「ハル、冒険者ギルドに指名依頼を出すから受けてくれるか?」


 国王様からの質問にそう答えると、商業ギルドのギルマスも指名依頼を出してくれるそうだ。明日の朝までに指名依頼を冒険者ギルドに出してくれるそうなので、明日の朝に冒険者ギルドに寄って依頼を受けよう。


 そして、火山の土を採った後はセグルの街でお泊りして温泉に入ろう~!


(ふふ、楽しみだなぁ)


 今日の予定はそれだけなので、また飛ぶこたつで戻ってから馬車で帰る事にする。また飛ぶこたつから降りたくない人達が沢山いて大変だったのは言うまでもなく……。


 馬車に乗って商業ギルドまで帰ると、歩いてお家まで向かう。お家についたら、まずはお夕飯! の前にこたつを温かくしてあげる。


 今日は何が良いかなぁ。今日のメインは煮魚にしよう! 後は、わかめを入れた海藻サラダとお味噌汁とご飯かな~。


 お料理が出来たら、みんなをテーブルに乗せてあげてご飯を食べ始める。


「ふふ、煮魚美味しいね~」


『おいしいくまね』


『このサラダも美味しいぴょんね』


「うん、わかめも色々な食べ方が出来るんだよね~」


『ふふ、ハルのお料理は何を食べてもおいしいぱんね』


『ライチもハルのおりょうりすきぴよよー!』


「ふふ、ありがとう」


 お夕飯を食べた後は、お風呂に入ってブラッシングもして、もふもふタイム~!


(毎日幸せ過ぎる~)


「明日は朝早く冒険者ギルドに行ってから火山へ行こうね」


『明日は飛んで行くくまね?』


「うん、そうだよ」


『ふふ、飛んで行くの楽しいのぴょん!』


「明日は山を登るからびゅーんと上がっちゃうね」


『きゃー、たのしみぴよー!』


 みんなともふもふすりすりむぎゅむぎゅして、おやすみなさーい!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る