冒険者ギルドへ報告

 昨日はさすがに疲れたけど、みんなのもふもふのおかげかぐっすり眠れたので、すっきり目が覚めた。着替えて朝ごはんの準備をしよう。


 今日の朝ご飯は何にしようかなぁ。お野菜たっぷりのミネストローネ、パン、ソーセージにしようかな。材料を出してささっと作ろう。


 ご飯の準備をしている間に、ご飯の匂いにつられてみんなが起きてきた。


「みんな、おはよう。朝ごはん食べようか」


『おはようくま』

『おはようぴょん』

『おはようぱん』

『おはよぴよー!』


 みんなで仲良く美味しくご飯を食べたら、バングルのお部屋から出る。出たら目の前にお魚がいてすごくびっくりした。


「わわっ、びっくりした」


『ファイアアローぴよっ!』


 ライチが倒してくれた。


「ライチ、ありがとう」


『ふふっ、お水がなければたおせるぴよー!』


「そうだね。よし、お外に出よう~!」


『あっ……』


 ひぃろが何か言いかけたけど、ダンジョンの外に出てびっくりした。


「がぼっ……」


 か、海底ダンジョンなの忘れてたーっ!! あわあわしながら、またダンジョンに戻った。


『ハ、ハル大丈夫くま?』


「ううぅ……海底にあるの忘れてた……」


『だと思ったくまよ』


「うん、とりあえず……クリーン! ドライヤー!」


『ハル、だいじょうぶぴよ?』


「う、うん、ありがとう。よし今度はシールドをしてお外にでよう」


 海の中でも動けるシールドを張る。みんなにもシールドを張って弱い雷も纏わせておく。


「海の上から海底までの階段を作っておくのはどうかな?」


『あっ、それはいいぴょんね』


「よし、お外に出たら階段を作ろう!」


『そうぱんね』


 シールドをちゃんと張ってから、ダンジョンの外に出て土魔法で階段を作っていく。水魔法で海水を外に出して、完成! これなら楽にダンジョンまで行けるかな。さすがにここから橋を掛けちゃうと問題がありそうだし、階段だけで良いかな。


 さて、シールドが張ってあるから安心して海岸まで行こう。


「じゃぁ、街へ行って冒険者ギルドへ向かおうか」


『そうくまね』


 海の中に入って、海岸まで歩いて行く。みんなもすいすいーっと泳いで海岸まで泳いでいる。


『ハル、海楽しいぴょんね~』


「そうだね。海の中はとてもキレイで楽しいね」


『ぴよっ!』


 海を上がったら、シールドを解除して東門で手続きをして貰い街に入って、冒険者ギルドへ向かう。冒険者ギルドに入ったら、ギルド内が静かになった。


(どうしたんだろう?)


「ハルさんっ!!」


 受付のお姉さんが急いでカウンターから出てきて、なんだか抱き着かれたよ?


「あ、あの……お姉さん?」


「無事で良かったわっ! ハルさん達がダンジョンに行ったって聞いてびっくりしたんだから!」


「ふふ、ありがとうございます。ダンジョン攻略してきたので、大丈夫ですよ~」


「ふふっ、凄いわね。ギルマスの部屋に一緒に来てもらって良いかしら?」


「はい、ダンジョンのお話をしたかったので助かります」


 お姉さんに案内されて、ギルマスの部屋に通された。


「ハル! 無事だったか!!」


「ギルマス、お疲れ様です。ダンジョンの攻略を終えたのでご報告に来ました」


「本当に攻略出来たのか……さすがだな。それで情報を聞いても良いか?」


「はい、色々報告があり過ぎてちょっと大変だと思うのですが、良いですか?」


「あぁ、それは覚悟しているから大丈夫だ」


 どのフロアも魔物が溢れていた事もあって、普段何がいるのか分からない事などもまずは報告をする。


「そ、そんなに魔物がいたのに、全部倒してきたのか?!」


「そうですねー。なので、ちょっとは安心になったかと思います。今までダンジョンに誰も来なくて、ダンジョンコアが寂しがっていたから、魔物が増えたみたいですよ」


「そんな事もあるのか。しかし海底にあるダンジョンだから入れないんだよな」


「あっ、それなんですが、ダンジョンコアとお話をした時に、ダンジョン内のお水を空気に変えて貰いましたよ。なので、これからは冒険者達が行ける場所になりました。後、海底までの階段は作っておきましたよ」


「……はぁ。本当にハルは凄いな。だが、それはとても助かる。ハルと獣魔達、本当にありがとう」


 喜んで貰えたようで、良かったです。それと、ドロップ品も買い取りしてくれるみたいなので、一緒に確認をする事になりました。


 ギルドの地下に訓練場があるので、そこを借り切ってドロップ品を出していく事になりました。


 訓練場に場所を移してからドロップ品を出していく。出していると、ギルマスに止められた。


「ハル、ストップだ! これ以上あったらわからん!」


「そうですね。ちょっとまってくださいね」


 一度ドロップ品を仕舞って、アイテムごとに出していく事にする。同じ宝石だけでも山になるあたり凄いな。この数はちょっと引くわーと思いながら出していく。


「もう、突っ込みどころが分からないな」


「私もこの山の数を見ると、ちょっと引きますね……」


『ちょっとなのぱんね』


「ちょ、ちょっとだよ……多分」


『みんなちょっとじゃないくまよ~』


『ふふ、ハルは相変わらずなのぴょん』


「えぇぇー! なんだか納得がいかない気がするよ?」


『ハルが凄いってことぴよねー』


「うぅ……おかしいなぁ」


「ははっ、獣魔達の方がよく分かってるな」


「えぇぇっ!? そ、そんな……」


 おかしいなぁ。でも、確かにどのドロップ品も山になっているけれど……。それよりも、宝石の鑑定をしなくてはだね。付与に使えるんじゃないかと思うんだよね。


 シーブルードラゴンの宝石は透明度の高い青色でとてもキレイな宝石だ。


 シーブルーサファイア:上級付与が出来ます。


「やった、シーブルードラゴンの宝石は上級付与が出来るよ!」


『やったぴょん!』


『よかったくまね~』


「ハルは鑑定まで出来るのか。さすがだな」


 アクアドラゴンの宝石はどうかな。アクアマリンよりも少し濃い水色の宝石だ。


 アパタイト:中級付与が出来ます。


「こっちは中級の付与が出来るんだって」


「ほう。だが、上級と中級でそんなに違うのか?」


「かなり違いますね。この付与が出来る宝石は全部持って帰って良いですか? 国王様に報告しないとなので……」


「そういう事だったら全然構わないぞ。他のドロップ品を少し買い取らせて貰えたら助かる」


 海産物もエビ、カニ、お魚が沢山なので、それは少し買い取って貰う事になった。後は普通の宝石も少し買い取って貰う。宝石はサンゴ、アイオライト、タンザナイトがあった。


 討伐記録も数えられないくらい沢山あった……あんなに倒したんだ、それはびっくりするよね。とりあえず、買い取りもして貰ったので残りはアイテムボックスにまた仕舞っておく。


「そうだ、ハル。王都に行ったら冒険者ギルドのギルマスに話を通しておくから、国王様の所に行ってくれ」


「何かありましたか?」


「いや、S級へのランクアップ申請をしてあるんだ。ランクアップは国王様の所じゃないと出来ないからな」


「S級? A級までじゃないんですか?」


「特例があるんだよ。国王様とギルマスが承認しないとなれないんだが、ハルだったらすぐだろう」


「そ、そうなんですね」


『ハル、凄いくまね~』

『すごいのぴょん!』


「いや、まだだからね?」


『大丈夫ぱんよ』

『なのぴよー!』


 ギルマスへの報告事項とアイテムの買い取りが終わったので、冒険者ギルドを出る。お昼まで掛かっちゃったね。


「お昼になったから、今日は屋台で買おうか?」


『いいくまね。ぼくは鉄板焼き食べたいくまー!』


『あっ、ぼくも食べたいぱん!』


「鉄板焼き美味しいよね」


『私はあそこで鉄板で焼いている何か挟んでいるパンがいいぴょん!』


「わぁ、本当だね。何を挟んでいるのか気になるから、私もそれ食べてみようかな」


『ぼくも食べたいくまー!』

『ぼくもぱん!』

『ライチもぴよー!』


 屋台で聞いてみると、お魚をすりつぶした物を焼いてパンに挟んでいるのだって。お魚のつみれみたいなのかな?


 後は、鉄板焼きとジュースも買って空いているテーブルに行って食べる準備をする。みんなにクリーンを掛けてテーブルに乗せてあげる。


「美味しそうだね」


『ハル、このパンに挟んでいるの美味しいぴょん!』


「わぁ、本当! 味はさつま揚げみたいで美味しい。ぷりっとしてパンに挟んでも美味しいと思わなかったよ」


『おいしいぴよね~』


『鉄板焼きも美味しいくまよ』


「わっ、こっちも美味しいね。お魚が入っていて美味しいね」


『ふふ、美味しいぱん~』


 ご飯を食べ終わったら、市場とお店を見てみようかな。

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