海底ダンジョン1
みんなで海の中を歩いて行く。30分くらい歩いた先に、海底にぽっかり穴が開いたダンジョンの入り口があった。
『ハル、ここすごく危険って出てるから気を付けてぱん』
「うわぁ、タルトがそう言うとドキドキするね。よし、入る前にみんなのシールドに雷を纏わせるね」
『ふふ、がんばるぴょん!』
『ライチもがんばるぴよー!』
『ハル、中に入ったらすぐにサンダーレインした方が良いかもしれないぱん』
「そうだね、準備しておくね」
『突撃ぴょんー!』
『突撃ぴよー!』
ダンジョンの入り口を入ってみると、あれだけのクラーケンが外に出ていた事から考えても沢山いるだろうと思ってた……思っていたけれど、想像以上にひしめいていた。
「サンダーレイン!!」
ダンジョン内を雷が落ちて行く。あまりの多さにちょっと眩暈がしたくらいだ。次々とぽふんぽふんとドロップ化していく。
『ふふ、相変わらずハルは強いくまね~』
『きれいになったぴょん!』
「そ、そうだね」
まさか全部倒すとは思わなかったよ。あれだけいたのに……。
『ハル、すごいぴよー!』
『アイテムがんばって拾うぱんね』
「ご、ごめんね。みんなお手伝いお願いしますー!」
『ふふ、任せるくま!』
『まかせるぴょん!』
『任せるぱん!』
『まかせるぴよー!』
みんなで拾いフロアのドロップアイテムを一生懸命拾って、なんとか拾い終わったのは2時間経った頃だった。
(つ、疲れた……どれだけいたのー?!)
「みんな、お疲れ様……すっごい沢山だったね……お茶しようか」
『ハル、お疲れ様くまよー』
『ハル、ここじゃダメぴょんよ?』
「あぁー! ここ海の中だっけ」
『そうぱんね』
「バングルのお部屋に行けるかな?」
『大丈夫だと思うぱんよ』
「よし、一旦お部屋で休憩しよう!」
『するぴよよー!』
バングルのお部屋に移動する。みんな元気そうなんだけど、疲れないのかな?
「みんなは疲れてない? 大丈夫?」
『それより、ハル~……』
こたつの中を叩いて温かくしてあげる。疲れよりこたつが大事だったみたいだ。
『これくらいじゃ疲れないぴょんよ』
「そうなんだ、みんなすごいね。私はもうへとへとだったよー」
お菓子錬金ボックスとお茶錬金ボックスで、お茶とおやつを持ってこたつに入る。今日はマドレーヌとアイスティーだった。どっちも美味しそうだなぁ。
みんなの分も運んであげて、一緒にお茶をする。しかし、1階でこんなに多いとか……この先が思いやられる。でも、サンダーレインでほとんど倒せるみたいだから、まだ良いかな。
しかし、ここまで疲れちゃうと……この後またダンジョンに行くのがちょっとしんどい。
『ハル、ポーション飲んだらどうくま?』
「あっ!」
『ふふ、忘れてたぴょんね。ヒールぴょん!』
「うん、すっかり! ベリー、ありがとう。ちょっと楽になったよ」
ポーション飲んだ事ないけれど、中級ポーションを飲んでみよう。……うん、味の改良してないから美味しくない……。でもとっても元気は出た!
さて、元気が出た所でもう1階層行ってみますかね~。
「次の階層行ってみる? 次の階層が終わったらお昼ごはんにしようか?」
『ささっと行くくま!』
『早く終わらせてごはんにするぴょん!』
「いや、食べたかったら今でもいいよ?」
『大丈夫くまよ』
『もう1階層行ってからで大丈夫ぴょんよ』
『大丈夫ぱんよ~』
『いくぴよー!』
ここのダンジョンは一体何階層まであるんだろうか……。溢れているって事はきっとずっと多いんだろうなぁ……。何がいたかも分からないくらいだから、帰ってからドロップ品を確認しようかな。
きちんとシールドを準備してから、バングルのお部屋を出る。まだ魔物は出てないみたいだから、階段を探そう。
少しウロウロしていると、階段を見つけた。次の階層もサンダーレインを準備してそぉっと階段を下りて行く。
(うわぁ……また凄い数……)
「サンダーレイン!」
もう、開き直ってさくさく倒して行っちゃうぞー! と言いたいけれど、アイテム回収が時間かかるんだよね。
(はぁ……またフロアいっぱいのアイテムが……)
中級ポーションで元気が出たから、がんばって拾うぞー!
「みんな、ごめんね。またアイテムいっぱいだよ~」
『ふふ、任せるくまよ』
『大丈夫ぴょんよ!』
『任せるぱん。ご飯食べるぱんよー!』
『任せるぴよよー! ごはんぴよー!』
みんなで協力して早く回収して、美味しくご飯を食べようね。また2時間くらい掛けてアイテムを回収した。どうにか早く出来ないかなぁ……。ご飯食べながら考えよう。
まずはバングルのお部屋に移動して、シールドを解く。美味しくないけれど、中級ポーションを飲んでおく。お昼ごはんは何がいいかなぁ。甘いパンケーキにして元気出そうかな。
クリームとアイスとフルーツたっぷり乗せたパンケーキの材料を出して、良く思い浮かべる。
「錬金!」
全員分のパンケーキが出来たので、お茶はアイスティーを入れる。
「よし、ご飯食べようか。今日はフルーツたっぷりパンケーキだよ~!」
『美味しそうくま~!』
『美味しそうなのぴょん!』
『早く食べようぱん~』
『おいしそうなのぴよー!』
みんなで美味しく食べて、少しのんびりしてからお話をする。
「ねぇねぇ、アイテムを拾うの大変だからどうにか出来ないかなぁ?」
『そうくまね~。拾うのにすごく時間が掛かってるくまね』
「そうなんだよね。どうにか集めるのが簡単になったら、早く進めそうかなって思うんだけど、どうかなぁ?」
『そうぴょんね~。あっ、風はどうぴょん?』
「あっ、それは良いかもしれないね!」
『うみの中ぴよよ?』
「あっ! そ、そうだった。じゃぁ、水?」
『水魔法でどうやって集めたらいいぱん?』
「う、うーん……あっ! 水をフロアの端からぐるぐるっと中心に集めてきたらどうかな?」
『出来るくま?』
「次のフロアで試してみようか」
『そうぱんね』
「よし、次のフロアに行ってみよう~!」
シールドをきちんと掛けてから、バングルのお部屋から出る。次の階段を見つけて、下の階にそぉっと下りる。3階もやっぱりすごい数の魔物がいる。
「サンダーレイン!」
一斉にフロア内をキレイにしたら、次はアイテムだ。水魔法で地面から1メートルくらいの高さまでを、外側からぐるぐるっと洗濯機みたいに回してアイテムを中心に集めよう。よーく思い浮かべて魔法を発動させる。
フロアの端から水が動くのが見える。段々水の動きが早くなり、渦になってアイテムが段々集まって来た気がする。中心辺りがぐるぐるした所で、魔法の発動を止める。
フロアを見てみると、綺麗に中央にドロップ品が寄っている。
「やったね、成功だよ!」
『ハル、凄いくまー!』
「これで、回収が少しは楽になるかな?」
『がんばるぱんよー!』
『ぼくたちも手伝うくま~!』
みんなで協力してアイテムボックスに仕舞っていく。仕舞うだけでも時間は掛るけれど、フロアの端から端へと移動しなくて良いだけで、すごく楽になった。タルトと2人でアイテムボックスに仕舞って行くと、30分くらいで終わった。
「これで、回収が大分楽になったね。これならもう少し早く攻略出来るね」
『そうくまね。次もがんばるくまよー!』
「おー!」
『ぴょん!』
『ぱん!』
『ぴよー!』
階段を見つけて下の階へそぉっと下りる。もう、どこも沢山いる物だと思って下りているのでサンダーレインを即座に撃つ。
「サンダーレイン!」
全部倒せたのを見届けてから、水魔法でアイテムを集める。集めたらアイテムボックスに仕舞って行く。
広いフロアしかないダンジョンだったから、とても助かった。一度サンダーレインを撃つだけで、ほとんどの魔物が倒せる。次々とダンジョンの階層を下りて行く。途中、ボスなのかサンダーレインだけで倒せない魔物もいたけれど、ベリー達がサポートしてくれてすぐに倒せた。
今日は7階まで下りてこられた。10階でこのダンジョン終わると良いなぁ……。とりあえず、今日はバングルのお部屋で休もう。安全エリアが一応設定されているみたいだったので、そこでバングルのお部屋に入る。
「みんな、お疲れ様」
『お疲れ様くまよ~』
『お疲れ様なのぴょん』
『お疲れ様ぱん~』
『ぴよ!』
今日はアイテムボックスに仕舞っておいたご飯をささっと食べて、お風呂に入って寝る準備をする。寝る準備をしたら、みんなにブラッシングをしてあげて癒される。
「今日は疲れたね~。でもみんなをブラッシングしてると癒される~」
『ふふふ、すりすりしちゃうぴよー!』
「きゃー、ありがとう」
ふわっふわになったみんなを抱っこして、更に癒される。明日もまたダンジョン攻略なので、今日は早く寝ちゃおう。みんなをふわふわ、もふもふして癒されながらおやすみなさーい!
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