パルムの街へ
朝目が覚めると、ライチだけ起きていたので小さな声で挨拶する。
「ライチおはよう」
『おはようぴよ』
ライチと一緒に起きて、着替えてから朝ごはんを作り始める。
「ライチ、今日は朝ご飯何が良いかな?」
『おにぎり食べたいぴよ!』
「いいよ。焼きおにぎりにしようか?」
『するぴよ!』
焼きおにぎりとソーセージ、卵焼き、お味噌汁にしようかな。作ろうとしたら見たいと、ライチが私の肩に乗って来た。ライチを肩に乗せたまま、お料理を次から次へと作っていく。
お料理を作っていると、みんなも次々起きてきた。最後はやっぱりタルトだったけど、ちゃんと起きられたみたいだ。
みんなにクリーンを掛けてテーブルに乗せてあげて、一緒にご飯を食べ始める。今日もみんな美味しく食べてくれて嬉しいな。
ご飯を食べた後はお片付けをしてから、バングルのお部屋を出る。今日はまずはシュロマの街へ行かないとね。
みんなで1時間くらい歩いた所で門に着いた。門番さんに手続きをして貰い街に入る。まずはヘーゼルさんとの待ち合わせでもある、商業ギルドへ向かう。
大通りを歩て行くと、商業ギルドが見えた。商業ギルドに入ると、ヘーゼルさんはまだいなかった。間に合って良かった。
すぐにドアが開き、ヘーゼルさんが来た。
「おはようございます」
「ハルさん、おはようございます。今日はよろしくお願いします」
「こちらこそ、よろしくお願いします」
ヘーゼルさんと馬車の所に移動して、荷台に次々と食材を乗せていく。みんなに美味しく食べて貰えるといいな。
食材を積み終えた後は、商業ギルド内の部屋に案内された。
「ハルさん、本当にありがとうございます」
「いえいえ、みなさんに美味しく食べて頂けたら、それだけで嬉しいです」
本当は少なくて良かったのだけど、ヘーゼルさんに仕入れの適正価格で買い取って貰う事になった。ヘーゼルさんは2日ここに居て、その後パルムへ出発するみたいだ。
私達は依頼を見てから決めようかな。お金はアイテムボックスに仕舞い、商業ギルドを出る。そのまま冒険者ギルドに向かい、依頼票を見に行く。
「何か面白そうな依頼はあるかな?」
『うーん……ないぴょんね』
「うーん、そうだねぇ。じゃぁ、街を歩いてからパルムに向けて出発しちゃおうか?」
『それがいいぴょんね』
「それで海に着いたら遊ぼうか?」
『行くくま!』
『行くぴょん!』
『行くぱん!』
『行きたいぴよー』
みんなも海で遊ぶの楽しみみたいだ。私もみんなが楽しそうなのを見ているのが、とても好きだから楽しみだ。
街を見て回ったけれど特にめぼしいお店がなくて、ちょっと残念だった。なので、パルムの街へ向かう事にする。東門で門番さんに手続きをして貰い、外に出て歩き始める。もちろんシールドと鑑定はきちんと掛けている。
当分平原みたいなので、みんなでピクニック気分で歩いて行く。
「お天気も良いし、楽しいね」
『そうくまね~』
『楽しいぴょん』
『ハル、でもその先ちょっと危ないみたいぱん?』
「え? どこだろう?」
『5メートルくらい先ぱんよ』
タルトに言われて、5メートルくらい先をゆっくり近づいて探してみると……穴が開いていた。少し見てみると、横穴が続いている感じだった。
「わっ、これはそのまま落ちてたら危なかったね。タルト、ありがとうね」
『でも、なんか入れそうくまよね』
「そうだね、でも出られなくなったら大変だよ?」
『ぼくたちなら行けそうくま』
「えぇぇ?! あ、危ないよ?!」
『ぼくとひぃろで行ってみるぱんよ』
「何かあったらすぐに言うんだよ?」
『任せるくま!』
『任せてぱん。おやつ準備していて欲しいぱん』
「ふふ、分かったよ。行ってらっしゃい」
ひぃろとタルトが穴の中に入っていく。ベリーとライチと私はおやつとお茶の準備をする事にする。
「今日のおやつは何にしようか?」
『パンケーキが食べたいぴょん!』
『それいいぴよ!』
土魔法で作業台を出して、材料を出して準備をする。今日はどんなパンケーキにしようかなぁ……薄ーく生地を焼いて、生クリームとジャムを交互に挟んで重ねてみようかな。
ジャムはベリージャムを出して、パンケーキを思い浮かべる。
「錬金!」
材料が光り、光が収まると全員分のパンケーキが出来上がっていた。一旦アイテムボックスに仕舞って、今度はお茶の準備をしよう。紅茶の茶葉とブドウを出して、ブドウの香りを付けた紅茶を作ろう。
「錬金!」
材料が光り、光が収まるとキャニスターに入った紅茶の茶葉が出来た。今日はこれをアイスティーにしよう。入れている間もとてもいい香りがして美味しそうだ。
アイスティーも全員分をアイテムボックスに仕舞ってから、穴の様子を見に行く。
「ひぃろ達は大丈夫かなぁ?」
『大丈夫だと思うぴょんよ』
『ひぃろとタルトならだいじょうぶぴよよ~!』
今日はお天気も良いし、お外でお茶にしようかな。土魔法で椅子とテーブルを準備する。ベリーとライチはぽよんぽよん遊んでいる。
少し待っていると、ひぃろとタルトが帰って来た。
『ハル、お待たせくま~』
『お待たせぱん』
「2人ともお帰りなさい。おつかれさま」
『ハル、みてみてぱん~!』
タルトがそういうと、次々と色々な大きさと色の宝石が出て来た。
トルマリン:アクセサリーなどに使える宝石。
他の色も調べてみたけれど、どれもトルマリンだった。確かにトルマリンは色々な色があるものね。でも、色々な色がある方がアクセサリーを作るのにとても助かる。
「わぁ、凄い! 宝石があったの?」
『この穴の奥にお花畑があったくまよ。お花の中心にこれが付いていたのくま』
『とっても綺麗でハルにも見せたかったぱん~』
「わぁ、お花の中心に宝石があったなんて、キラキラしてとてもキレイな感じだね。見られなくて残念だよ~」
『ハルのアイテムボックスに仕舞ってあるから使ってぱんよ』
「わぁ、2人ともありがとう! 大事に使わせて貰うね」
ランタール王国は鉱石と鍛冶の国と聞いていたけれど、まさかお花まで宝石だなんて不思議だね。でも色々な色の宝石が手に入ったのは嬉しいね。
みんなにクリーンを掛けてテーブルに乗せてあげてから、みんなの前にパンケーキとブドウのアイスティーを出す。
「今日はベリーと生クリームのパンケーキとブドウの香りのアイスティーだよ」
『ぴょっ!? た、食べられるぴょん?!』
「そうそう、ベリーを挟んであーん! ってやらないよ?!」
『えへへ、ちょっと言ってみたかったぴょん!』
「ふふふっ」
パンケーキに挟んだベリーを思い浮かべちゃったよ。
『今日のパンケーキも美味しそうくま~』
『今日のパンケーキはいつもより薄いぱんね』
「うん、薄くしてジャムと生クリームを挟んでみたんだよ」
『おいしそうなのぴよ~!』
みんなで仲良くご挨拶をして食べ始める。うん、薄いパンケーキにして正解だね。とっても美味しい!
『美味しいくま~』
『ん~、美味しいぴょん!』
『これ好きぱん~』
『おいしいぴよっ!』
うん、このパンケーキは正解だったね。とっても美味しかった。
みんなで仲良く食べた後は、お片付けをして先に進もう。まさか平原でも宝石が採れるだなんて思わなかった。やっぱり歩いてみると楽しいね。
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