シュロマの街へ
今朝も幸せ気分で目が覚めたので、ご機嫌で朝ごはんを作りに行く。今日はシュロマの街に向けて出発するから、お昼ごはんもついでに作っちゃおう。
今日のメニューは何が良いかなぁ。朝ごはんはベーコンエッグとスープとパンにしようかな。お昼ご飯は……丼系にしようかな~。よし、かつ丼にしようっ! カツはアイテムボックスに仕舞ってあるから、ご飯を錬金スキルで炊いてささっと全員分作っちゃおう。
ご飯の準備が出来たら、みんなを呼びに行く。お部屋に行くとみんなお布団でぬくぬくしてる。こたつでぬくぬくが気持ちがいい事を知ってしまったからかな……?
「えーっと、みんなご飯食べる?」
『くま!』
『ぴょん!』
『ぱん!』
『ぴよっ!』
(うーん……ご飯を食べている時は、みんなこたつに入れないのだよね……)
最近温かいのが気持ちが良い事に気が付いたらしいみんなに、どうやったら快適に過ごして貰えるんだろうなぁ。
みんなをテーブルに乗せてあげて、一緒にごはんを食べ始める。
ご飯を食べ終わってお片付けをしたら、お家を出て東門へ向かう。東門で門番さんに手続きをして貰って外に出る。今日は歩いて行く予定なので、少し門から離れて危なくなくなったら、みんなを降ろしてあげる。
『ハル、今日は歩いて行くぴょん?』
「うん、そのつもりだよ~。疲れたらバングルのお部屋に入っても良いし、飛ぶこたつでもいいよ~」
『分かったぴょん!』
『あるくぴよー!』
シールドと鑑定をしっかりと発動させて、みんなで仲良く歩いて行く。
「そういえば、いつも思うんだけど……すれ違う冒険者さん達にびっくりした顔されるんだけど、なんでだろうね?」
『くまっ?!』
『ぴょっ?!』
『ぱんっ!?』
『ぴよっ!?』
『ハ、ハル? 本気で言ってるくま??』
「えっ?! ひぃろ知ってるの??」
『ぴょっ?! ハルは本気だぴょん』
「えぇぇ!? ベリーもどうして??」
『ハルは本当に忘れてるぱん』
「何を??」
『ハル、お散歩なのぴよー!』
「!!!! あーー!!! わ、忘れてた!!」
『ハルったら、忘れてたのくまね~』
『街の中歩いているみたいぴょん』
『お散歩なのぱん』
『おさんぽすきぴよ~!』
すっかり自分が装備品を、何も持っていないんだという事を忘れてた。耳付きフード着てスライム達の後ろをにこにこピクニック気分で歩いていたら、冒険者さん達にびっくりされるのも当然だよね。
えーっと……気を取り直して、先に進もう。
「そろそろ休憩にしようか?」
『そうくまね~』
2時間くらい歩いたので、休憩にする。みんなでバングルのお部屋に移動して、みんなそれぞれお菓子と飲み物の準備をする。運ぶのは私がやるけれど、みんな楽しそうにボタンを押して出している。やっぱり作っておいて良かったね。
みんなでのんびりお茶をした後は、またお外に出て歩き始める。今の所、新しい物が見つかっていないけれど、ごぼうとか山芋とかをたまに見つけるので、ひぃろに採取を手伝って貰っている。
のんびり採取したり魔物を倒したりしながら先に進んだ所で、お昼の時間かな。バングルのお部屋に入って、お昼ごはんにする。今日は朝作ったかつ丼とアイスティーを出して、みんなでご挨拶をして食べ始める。
『美味しいくま!』
『美味しいぴょん!』
「この前作ったカツで作ったかつ丼だよ」
『さくさくも良いけど、これも美味しいぱんね~』
『おいしいぴよ~!』
みんなで仲良くご飯を食べた後は、お片付けをしてから外に出て歩き始める。ライチはまだ小さいので、たまにひぃろ達の頭の上に乗ってぽよぽよ揺れている。みんな仲良しさんで嬉しいね。
『ハル、この先にいっぱい人がいるみたいなんだけど……どうしようくま?』
「人がいっぱいって珍しいね。魔物はいる?」
『いないのくま~。でもさっきから進んでないみたいくま』
『ん~、特に危険とも出てないぱんね』
「タルトが言うなら危なくないんだね。2人ともありがとう、どうしようかな」
うーん、特に魔物に襲われているわけでもないみたいだけど、何か困っている事があるのか聞いてみた方が良いかな?
「そぉっと見てみようか?」
『じゃぁ、ハルはちょっと待っててくまよ。ぼくとタルトで見に行ってくるくま~』
「えぇ?! 2人だけで大丈夫?」
『ハルのシールドがあるから大丈夫ぱんよ』
「うん、じゃぁお願いするね」
ひぃろとタルトが様子を見に行ってくれているので、私達は少しここで待つことにする。待っている間お茶を入れて待っていようかな。久しぶりに土魔法でテーブルと椅子を出して、アイスフルーツティーを入れよう。
ベリーとライチは下でぽよんぽよんして周りを警戒してくれている。お茶を入れ終わった所でひぃろとタルトが帰って来た。
『ハル、魔物に襲われた後だったくま。でも全部倒せていたみたいだったくまよ』
『ただ、壊されたりとかで困っているみたいだったぱん』
「わぁ、それは大変だね。お手伝いがいるか聞いてみようね。お茶は終わってから飲もうね」
『そうぴょんね』
みんなで急いで行ってみると、何台もある馬車のいくつかが壊されている。沢山品物を乗せているみたいだから、商人さんの馬車っぽいかな。護衛の冒険者達もいる。
「あの~、すみません。ちょっとお尋ねしたい事があるのですが?」
「え!? 子供?! 君はこんな所で何をしているんだっ!?」
護衛の人にも周りの人にもとっても驚かれました。
「えっと、私達は港町のパルムへ行く旅の途中なんです」
「えっ?! そ、その恰好でか?!」
「あっ、俺……聞いたことがある! 最近噂になっている可愛いスライムを連れた女の子の話!」
「なんだそれは?」
「なんでも、普通の服で武器も防具も持たずに、深い森の中もにこにこ歩いていくって!」
(うわぁ……そ、そんなに噂になってるの?!)
「しかもなんか空を飛んでたとか聞いたぞ?」
「も、もしかして君が……?」
「え、えっと、その噂は知りませんが……た、多分そう……かと?」
冒険者さん達の中で、そんな噂がされているなんて知らなかった。あれだけ冒険者さん達に驚かれてたら噂にもなる……よね。
「それで、その君がどうしたんだい?」
「あっ! えっと、何か困っている事があるか聞いてみようかと思って……」
「そうか、ありがとうな。ちょっと待っていてくれな」
そう護衛の冒険者は言うと、商人さんっぽい人の所へ話に行った。その間に馬車を見てみると、荷馬車が壊されて荷物が大分落ちてしまっている。でも、馬は大丈夫そうだから馬車を直したら大丈夫かな?
後は、ベリーにお願いしてみんなにヒールを掛けて貰う。
「あの、商人のヘーゼルと申します。何かお話があると聞いたのですが……?」
「私は冒険者のハルと言います。こっちは獣魔のひぃろ、ベリー、タルト、ライチです。何かお困りの事があるかなと思って、お声を掛けさせて貰いました」
ヘーゼルさんとお話をさせて貰う事になった。
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