依頼を受ける

 朝起きると、やっぱりみんないつもよりもふもふだった。やっぱりお風呂は良いよね。起きて朝ごはんの準備を始めよう。


 今日の朝ご飯は何にしようかな。お魚の塩焼きと卵焼き、お味噌汁、おにぎりにしようかな。和食がいつでも好きに作って食べられるの嬉しいなぁ。お魚もたっぷりアイテムボックスに入っているから、いっぱい食べられるしね。


 ひぃろ達は骨もそのまま食べちゃうから本当に凄いと思う。私もそう食べられたら、ぱくぱくお魚食べちゃうのに。


 お料理を作り終えたらみんなを起こしに行く。寝室に入ると、もうみんな起きてぽよんぽよん遊んでいた。


「みんな、おはよう。朝ごはんが出来たから食べよう」


 みんなでリビングに向かって朝ごはんを一緒に食べる。ん~、やっぱり朝の和食は美味しいし、ほっこりするね。


『ん~、お魚美味しいくま!』


『ふふ、美味しいのぴょん!』


『おにぎりも好きぱん』


『ハル、お魚おかわりぴよ~!』



 みんなで美味しく朝ごはんを食べた後は、クリーンしてお皿を綺麗にして片付ける。お片付けが終わったら、お家を出て冒険者ギルドへ向かう。


 冒険者ギルドのドアを開けて、依頼票を見に行く。今日はどんな依頼があるかな、わくわくするね。


「何か楽しそうな依頼がないかなぁ」


 依頼票を見ていると、変わった依頼があるのが見えた。ピジョンフラットの採取?


(ピジョンフラット? ピジョンって鳩? 平たい鳩? ってなんだろう?)


「ねぇ、あの依頼はどうかな? ピジョンフラットって何か気になるのだけど……」


『ピジョンフラットはひらひらの鳥くまね』


「ひらひらの鳥?」


『そうぱんよ』


(うん、そのままなのね……でもどんな風に飛ぶんだろう?)


『行ってみるぴょんよ!』


『行くぴよー!』


 受付のイルナさんに手続きをして貰ってから、冒険者ギルドを出て西門へ向かう。今日のピジョンフラットは王都の南西辺りに生息しているみたいなので、そちらに向かう。


 西門で門番さんに手続きをして貰ってから外に出て、生息地に向かう。もちろんシールドと鑑定は発動させておく。


 ライチもみんなと一緒にぽよんぽよん跳ねて行く。


(ふふふ、今日もみんなの後ろ姿可愛いなぁ……)


 癒されながら2時間くらい歩いて行くと、ひぃろがそろそろピジョンフラットの生息地だと教えてくれた。


『ハル、どっしーんしたいぴょん!』


 念のため、全員に雷を纏わせておいた。


「みんなに雷纏わせておいたからね」


 少し先に進むと、空からひらひらと何かが舞っている。


『ハル、それがピジョンフラットくまよ!』


「えっ?! このひらひらしているのがピジョンフラット?」


『そうぱんよ』


 横から見たら鳥? 鳩? だけど正面から見たら平べったくてペラペラの紙みたい。本当にフラットだね。


 ベリーがアタック攻撃をするとピジョンフラットはひらりと避ける。ひぃろがアースアローを撃っても避ける。


『なんで避けるぴょん!』


『ぼくのも避けられたくま!』


「ひらひらだから避けられちゃうみたいだね。どうしたら良いかなぁ」


『任せるぴよ! ファイアーウォールぴよ!』 


 ライチのファイアーウォールはさすがに避けられないみたいだ。ひぃろとベリーは、ライチが出しているファイアーウォールの方に追い込んでいるみたいだ。次々とアイテムがぽふん! とドロップしている。さすがひぃろ達、順応性が高い。ピジョンフラットのドロップ品は、討伐記録、ピジョンブラッドだった。


(……またこのパターンなのー!?)


 ピジョンブラッド:最高級ルビー


 次から次へとピジョンフラットを倒していく。少しするとピジョンフラットを倒し終わったみたいだ。みんなでドロップ品を回収して、場所を移動してから休憩しよう。


 休憩場所に着いたら、みんなにクリーンをしてからバングルのお部屋に移動する。みんなは一斉にこたつに潜り込んで、悲しそうな顔でちょこんと顔を出した。


「ふふ、まだ温かくなってないものね。すぐに付けるね」


 こたつのテーブルの中を叩いて温かくしてあげてから、お茶の準備をする。ここにはおやつの錬金ボックスもお茶の錬金ボックスもあるから、ボタンを押してお茶とおやつを準備する。


 今日の私のおやつは、たい焼きだった。私は頭からかじる派なのです! ぬくぬくしてから出て来たみんなはそれぞれおやつボックスから取り出したおやつを食べ始める。ベリーもたい焼きだったのでよく見ていると、ベリーはしっぽからぱくんと食べていた。


 みんなはおやつを食べてからまたこたつでぬくぬくのんびりしている。


「ふふふ、みんなはぬくぬくしていていいよ。私はお外に出て街に向かうね」


『くま~……一緒に……』


 珍しくひぃろがこたつから抜け出せなくて、ちょっと困った顔になってる。


「ふふ、大丈夫だよ。飛ぶこたつで街に帰るだけだからね」


 このままここにいても帰れないので、私はこたつとお部屋を出て、外に出て飛ぶこたつを出す。飛ぶこたつに乗り込むと、タルトがぽよんとバングルから出て来た。


「あれ? タルトは出て来たの?」


『だって、こっちもこたつがあるから一緒ぱんよ。それに危ない事があっても中からじゃ分からないぱんよ』


「そっかぁ。ふふ、いつも守ってくれてありがとうね」


 いつもタルトは私の安全を守ってくれていて、優しいんだよね。


『でも、ぼくだけだから~……ハル、抱っこしてぱん』


「きゃー、タルトったら可愛いなぁ。いくらでも抱っこしちゃうよ~!」


 こたつに入ってタルトを抱っこしてこたつに少し入れてあげる。それから飛ぶこたつを浮かせて街へ飛ばしていく。その間もタルトをなでなでもふもふして癒される。


 門の手前で飛ぶこたつから降りて、門へ向かう。門番さんに手続きをして貰い、街の中に入って冒険者ギルドに向かう。今日はタルトしかいないので、肩に乗せて歩いて行く。


 冒険者ギルドに入って、まずは買い取りカウンターへ向かう。買い取りカウンターで討伐確認を貰ってからイルナさんの所へ向かう。


「イルナさん、ただいまです。手続きお願いします」


 討伐確認と冒険者カードを出して、依頼完了の手続きをして貰う。


「はい、手続き完了よ。あら、今日はタルトちゃんだけなのね」


「ありがとうございました。今日は他の子達は、お部屋の中でぬくぬくしてます」


「まぁ、そうなのね。ふふふ」


 手続きが終わったので、冒険者ギルドを出てお家に向かう。まだ時間は早いけれど、お家でのんびりしようかな。


 お家に帰って、まずはバングルのお部屋に行って、みんなにお家に着いたことを伝えてから、私はお家に戻り地図を広げた。


 今度はどこに行こうかなぁ。王都から東に行った所にある港町に行って、にがりを作ってくるのもいいなぁ。後は王都の近くの鉱山ダンジョンも行ってみたいなぁ。


 どこに行くか迷う所だけど、やっぱり港町に行ってにがりを作って来ようかな。お豆腐が食べたい!


「ねぇねぇ、港町のパルムに行きたいんだけど、どうかな?」


『港町、良いくまね~』


『海、楽しかったぴょん! また波でくるくるしたいぴょん~!』


『あっ、それはぼくもしたいぱん!』


『ライチもぴよー! 楽しかったのぴよ』


「じゃぁ、次は港町に行こうね。他にも鉱山ダンジョンに行きたかったりもするのだけどね~」


『それも興味があるぴょん!』


『ライチもダンジョン行きたいぴよー!』


「じゃぁ、港町から帰ってきたらダンジョン行こうね」


『やったぴょん!』

『やったぴよー!』


 そろそろお夕飯を作ろうかな。今日は海の事を考えていたから、海メニューにしようかな。カニのフライとお魚のフライを作ろうかな。エビも欲しいなぁ。エビフライたべたーい! 後は、具沢山の豚汁とご飯にしようかな。


 みんなが遊んでいる間に、次々とお料理を作っていく。お魚のフライは多めに作ってパンに挟んでアイテムボックスに入れておこう。お料理を作ってお夕飯の準備をする。


 お夕飯の準備が出来たら、みんなをテーブルに乗せてあげて一緒に食べ始める。


『このカニのフライ美味しいくま!』


『お魚のフライも美味しいぴょん』


「うんうん、どっちのフライも美味しいね」


『豚汁も美味しいぱん~』


『どれも美味しくてうれしいぴよ』


 ご飯を食べた後は、お風呂に入ってふわふわのみんなと、もふもふする。私がふわふわになったみんなを、もふもふするのが好きなのを知っているみんなは、ふわふわの身体で突進してくる。


「きゃー、みんな気持ちいいー!」


『すりすりしちゃうくまー!』

『すりすりするぴょん!』

『もふもふしてぱん~』

『なでなでもしてぴよー!』


 もふもふすりすりしているとすぐに眠くなって寝てしまう。おやすみなさい。

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