国王様の所で2
その後国王様も試していた。国王様はマドレーヌが出た。ギルマス達もおまんじゅうとかフィナンシェが出ていた。1人で何個も食べていたけど、さっきご飯をいっぱい食べていたような……?
ひぃろ達も加わって全員沢山食べているので、アイスティーを入れて出す。国王様がこの錬金ボックスを作って欲しいと言ってきた。
「まだドラゴニアルビーがあるので作れますけど、錬金ボックスに使っちゃって良いですか?」
「えっ?!」
「ドラゴニアルビーを使ってるのか!?」
「ハルっ!?」
ドラゴニアルビーを使っていると知った国王様とギルマス達にとっても驚かれました。そういえば、時間停止だって言っていいかなぁ……。
「えーっと……えへ?」
「こらっ! ハル、何を隠してる!?」
商業ギルドのギルマスのヌーガさんに凄まれたので、正直に言う事にした。
「えーっと……ドラゴニアルビーを使って、時間停止のアイテムボックスを付けました」
「はぁ……なんでそんなもの付けたんだ?」
「材料を入れておかないとお菓子が作れないので、材料が無駄にならないように時間停止にしました! 後は、自分達だけで使うつもりだったので、材料は気にせずに作りましたね。全部自分達で取って来た物ですしね~」
「だろうな。それにしても時間停止のアイテムボックスまで作れるのか……」
「ひぃろ達がいつでもおやつを食べられるようにしたかったんですよー」
「なるほどな」
「国王様に献上するのは問題ないですけど、そこに使って良いですか? 耐熱の装備の問題もありますけど、どうしましょう?」
耐熱と快適な温度に保つ魔道具を作るのに、ファイアルビーとドラゴニアルビーを使う事を伝える。国王様とギルマス達が話し合っている間に、私はカイル様とルリア様と遊ぶひぃろ達を眺めている。
カイル様とルリア様がお菓子が出る錬金ボックスを気に入っているので、作ってあげたいなと思ってしまう。ドラゴニアルビーもまだ大分あるけれど、冒険者達や騎士達の装備品を作ることを考えると数が足りないかもしれない。
国王様とギルマス達の相談が終わると、やっぱり装備品に回して欲しいという事だった。しかし、どんな物に付与するのかが問題だ。
「ファイアルビーが80個とドラゴニアルビーが30個くらいあるのですが、何に付与すれば良いですか?」
「国からの貸与になるから、国の紋章が入った物に付与して欲しい。こちらで付与する物を準備するから、ハルに付与して貰いたいんだが良いかい?」
「はい、大丈夫ですよ。でも冒険者達にはどうするんですか?」
「それは商業ギルドが請け負う事になった。商業ギルドでも付与するものを準備する予定だ」
「分かりました。準備が出来たら教えてください。でも、もしかしたらランタール王国を旅してるかもしれませんけど、大丈夫ですか?」
「王都に戻ってくるんだろう?」
「はい、王都に家を1カ月借りたので、王都を中心に見て回って来ようと思ってます」
「だったら大丈夫だ。王都に戻った時に、商業ギルドに声を掛けてくれると助かる」
「分かりました」
素材が集まったら付与しまくる事になりました。みんなが火山に行けるように頑張ります!
落ち着いた所で粒の実を植える場所に移動です。
「ハル、カイルとルリアが言う飛ぶこたつとやらに乗りたいのだが……?」
「ぼくもまた乗りたいです!」
「私も乗りたいですわ!」
「ちょっと気になるな」
「確かに……飛ぶ事なんて出来るのか不思議だな」
「国王様が乗って良いんですか?!」
「なんだ。カイルとルリアは乗ったんだろう?」
「の、乗りましたけど、あれは仕方なかったんですよ」
「はは、分かっているよ。でも空を飛べるだなんて楽しそうじゃないか」
「もちろん初めての経験で、とても楽しかったです!」
「私も楽しかったですわ!」
国王様に押し切られてみんなを乗せて、粒の実を植える所に移動する事になりました。王城の外に移動してアイテムボックスから大きい飛ぶこたつを出す。
「おお! これが飛ぶこたつ! 大きいですね」
「これはカイル様とルリア様を乗せる時に作った大人数用ですね。普段はこっちです」
いつも使っている飛ぶこたつも出して見せる。そういえば、大人数用はまだ温かいこたつになってないな。こたつの良さを伝えちゃう? 火の魔石を大きな飛ぶこたつの上に置いて、テーブルの中を叩くと温かくなるように錬金する。
「錬金! よし、では乗ってみますか?」
「今は何を錬金したんだい?」
「飛ぶこたつの中のテーブルを叩くと中が温かくなるんです。火の魔石を手に入れたので作れるようになったのですよ」
カイル様とルリア様が、ひぃろ達を連れて飛ぶこたつに乗って座る。それに続き国王様やギルマス達も乗ってこたつに入る。私も乗ってテーブルの中を叩いて温かくする。
「ゆっくり浮かせますね。粒の実を植える所を教えて貰えますか?」
そう言うと、飛ぶこたつをゆっくりと空に浮かせる。粒の実を植える所を案内して貰い、ゆっくりと進ませる。みんな大騒ぎだった。
そして粒の実を植える所に着いた時が大変だった。
「ハル、これは……出たくないな」
「ハルさん……この温かいの気持ちいいです」
「ハルさん、このままいたいです!」
「私もこのまま座っていたいですわ。温かくて気持ちがいいんですもの」
「確かに……こたつは一度入ると出るのが大変なのですよね。こたつはぬくぬくで気持ちがいいんです!」
「ハル、こんな快適な移動手段があるのか……」
「これ、冒険者ギルドに欲しいな」
「えーっと……とりあえず粒の実植えましょう?」
「そ、そうだな」
国王様と商業ギルドのギルマスのヌーガさんが、こたつから出たくなさそうに出てきて案内してくれた。他のみんなはこたつでのんびりしている。カイル様とルリア様もひぃろ達とこたつで遊んでいる。
アイテムボックスから粒の実を出して、ここの広場一面に1本ずつの間隔をあけて粒の実の木を植えるように思い浮かべる。
「錬金!」
辺りが光り、光が収まると粒の実の木が沢山生えて粒の実も生っている。
(うん、これで良いね)
粒の実を植えて飛ぶこたつに戻ると、全員こたつでぬくぬくしていた。カイル様はひぃろとタルトを抱っこして、ルリア様はベリーとライチを抱っこしてぬくぬくほっこりしている。冒険者ギルドのギルマスのデニスさんも、こたつに入ってぬくぬく気持ちが良さそうだ。
「えーっと……火魔草も植えてみますか?」
「そ、そうだね。助かるよ」
「そうだな。火魔草も植えられると良いのだが……」
粒の実を植えた近くに火魔草を植える事になった。火魔草を出して畝を作って植えるように思い浮かべる。うん、出来そうだ。
「錬金!」
辺りが光り、光が収まると畝が出来て火魔草が植わっていた。これで増えてくれると良いのだけど。
飛ぶこたつに乗り王城の入り口に戻って来た。でも誰一人降りようとしない……どうしたものか。
「あの、着いたので降りて下さいね?」
「これは、出たくないなぁ。ハル、これを国王の部屋に置くというのはどうですか!」
「うー……ハルさん出たくないです」
「私もですわ」
「ハル、これを商業ギルドに置こう!」
「ハル、冒険者ギルドにも!」
えーっと……これは置いたらダメなやつですよね。どう言ったらいいかな。そのまま寝ちゃったり、低温やけどになったら危ないし……。
「えーっと、どこにも置きません!」
「「「なんでだ!?」」」
「危ないですし、お仕事してください!」
「「「危ないのか!?」」」
(仲良しさんですねー……)
「そうですね、そのまま寝たりしたら、低温やけどになったり風邪をひく可能性もあって危ないので置きません!」
(そして……どこからも苦情の嵐が来そうなので、置かないのが安全だと思います!)
なんとかこたつの要求を跳ねのけて王城を後にする事にした。でも馬車の中でもギルマス達に欲しいと散々要求されたけど、突っぱねました。
こたつに入ってお仕事なんてなかなか出来ませんから、絶対に苦情が来るんですよ?! 絶対に認めません!
そんなこんなでなんとか商業ギルドに着いたので、お家に帰る事にする。お家に帰ってお夕飯を作る。今日はなんだかちょっと疲れちゃったので、簡単に錬金スキルで作っちゃおう。
今日は煮魚と温野菜、お味噌汁、ご飯かな。材料と調味料を出して錬金する。一瞬でご飯が出来る素敵生活です。
「今日は簡単に錬金で作っちゃったけど、ご飯食べよう~」
『お腹ぺこぺこくま~』
『食べるぴょん!』
『お腹空いたぱん~』
『おいしそういぴよー!』
みんなにクリーンを掛けてテーブルに座らせてあげると、みんなでご挨拶をして食べ始める。相変わらずお魚の骨を気にせずにぱくんっと食べている。
『お魚美味しいくまね~』
「うんうん、どうしても宿だとお魚がなかなか出ないものね」
『お味噌汁大好きぴょん』
『ぼくもお味噌汁好きぱん~』
『ライチはお野菜もすきぴよ』
「ふふ、みんなお野菜もちゃんと食べていてえらいね!」
と褒めたらお野菜がどんどん減っていった。ご飯を食べた後は、お風呂だ! お風呂に入ってみんなの身体をドライヤー魔法で乾かしてふっくらすると、お布団に入ってむぎゅむぎゅっともふもふっとすりすりっとして癒される。
「明日は特に予定がないけど、どうしようか?」
『何か依頼受けに行きたいぴょん!』
「あっ、そうだね。じゃぁ、冒険者ギルドに行ってみようね」
『楽しそうな依頼があるといいぴよね~』
「そうだね、楽しみだね!」
みんなでもふもふすりすりしておやすみなさい。
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