国王様の所で1
良く眠れたのですっきりと目が覚めた。
『ハル、おはようぴよ』
「ライチおはよう。朝ごはん作ってくるね」
着替えて朝ごはんを作ろう。今日のメニューは簡単にベーコンエッグとサラダとパンにしようかな。ジャムも色々あるから出しておこうかな。
ささっとご飯を作ってからみんなを起こそうと寝室に行くと、もうみんな起きていた。リビングに行ってみんなでご飯を食べる。ささっとご飯を食べて、商業ギルドへ向かおう。
みんなで仲良く朝ごはんを食べた後は、商業ギルドへ向かう。受付のお姉さんに声を掛けるとギルマスの部屋に案内された。ひぃろ達には馬車の中でもお話があるからバングルのお部屋にいていいよと言ってある。こたつでぬくぬくが気に入っているから馬車に乗ったら部屋にいるみたいだ。
部屋に入ると冒険者ギルドのギルマスのデニスさんもいた。今日も一緒みたいだ。馬車が到着して、馬車で王城へ向かう。馬車の中で昨日のアクセサリーの件を話し合う。
「昨日、アクセサリー屋さんに行って相談していたのですが、アクセサリーに付与が出来るようになったんですよ」
「付与か……なかなか付与を付けるのは大変らしいな」
「そうですね、明確に思い浮かべないといけませんから。それで、耐熱装備が出来ないかを一緒に考えて貰ったんです」
「耐熱装備か……確かに、それがあればうちの冒険者達も火山で狩りが出来るな」
「火山が噴火したら危ないので、色々な人が火山で探索が出来たら良いなと思うんですよね」
「そうすると商業ギルドとしても、素材などとても助かるな」
「火山のファイアーゴーレムとファイアードラゴンから付与素材が取れるんです。ファイアーゴーレムの落とすファイアルビーを使うと耐熱効果が、ファイアードラゴンが落とすドラゴニアルビーを使うと快適な温度に保つ事が出来るようになるんです」
「「……」」
とうとうギルマス達の反応が無くなってしまった。
「ハル、快適な温度に保つのと耐熱とどう違うんだ?」
「耐熱はそのままの意味ですが、快適な温度という事は暑くても寒くても使えると思うんです」
「なるほどな。確かに野営中の夜中に、寒くなって体調を崩すこともあるからな……」
「汎用性はありますね。ただ、ドラゴニアルビーを使うので……値段がいくらになるのかが分からないんですよね」
「確かにな。商業ギルドでもドラゴニアルビーはなかなか入らないからな」
「冒険者としては快適な温度にしたいな……でも誰が買えるかが悩ましい所だな」
「ですよねー……」
とりあえず、国王様にも相談する事になった。そうこうしている間に王城についた。まずはいつものように、調理場に通された。
今日はフリーズドライも試せるマツタケご飯とカニご飯、お味噌汁、ミネストローネ。後は天ぷらとお野菜を蒸した温野菜にしようかな。温野菜にはマヨネーズとお味噌を混ぜたソースを準備しよう。
今回も料理長や他の料理人が手伝ってくれたので、教えながらでも早く作る事が出来た。お料理が出来たら国王様の所へ案内される。ギルマス達に着いて歩いて国王様のお部屋に入ると、中には国王様の他にも人がいる。
「あっ、ハルさん!」
「ハルさんだ!」
「ん? カイルとルリアはハルを知っているのか?」
「はい、先日カロンの街から王都へ帰る途中、襲われた時に助けてくれたのがハルさんです」
もしかして、カイル様とルリア様って王子様とお姫様って事だよね……私、失礼な事しなかったかなぁ……。
「お父様、ハルさんは凄いのですよ! 私、お空を飛んだの初めてでした!」
「それがいつ聞いてもよく分からないんだよな。ハル聞いてもいいか?」
「カイル様、ルリア様、お久しぶりです。私が持っている魔道具で空を飛べるのですよ」
「はっ?!」
「ハル、空は飛べないだろう?!」
「飛べるのかっ!?」
国王様とギルマス達にも驚かれた。実物を見せて欲しいというので、食事の後に見せる事になった。今日はカイル様とルリア様も一緒に食事になった。先日、国王様だけ美味しい物を食べたと批判があったそうだ。
「ハルさんのご飯は美味しいから楽しみです」
「私も楽しみですわ」
「なんだ、お前達もハルのご飯を食べていたのか」
「助けて頂いた時にご飯も作ってくれたんです」
「えぇ、今まで食べたことないくらい美味しかったのですわ。そういえば今日はひぃろちゃん達はどうしましたの?」
「今、お部屋に入っているので呼びますね」
(あっ、中に声を掛ける機能つけ忘れた……)
バングルのお部屋にちょこっと入るとみんなを呼んで一緒に出てくる。
「ハル、今のはなんだ?」
「ハル! 今何をした?!」
「いなくなったけど、どういうことだ!?」
国王様とギルマス達に驚かれた。バングルに部屋を作った事と自分も入れる事でかなり驚かれた。なかなか自分も入れるバングルなんてないらしい。
「あっ、ひぃろちゃん達だ!」
『あっ、カイル様とルリア様くま~』
『こんにちはぴょん』
『久しぶりぱん~』
『かいるくんとるりあちゃんぴよー』
カイル様とルリア様にひぃろ達を預けて、バングルのお部屋の事を説明すると……とてもとても驚かれた。
「ハル、中に入ってみたいんだが良いか?」
国王様を入れて良いのかな? ギルマス達を見たら自分達も入りたいと言われたので、3人を連れてバングルのお部屋に入る。一通り説明したけれど、色々と規格外というか非常識だと言われた……酷い言われようだ。
しかもおやつ錬金ボックスとかスルーしようと思ったけど、すぐに見つかって怒られた。ドラゴニアルビーをおやつに使うとかもったいないって言われたけど、みんなの為なら全然惜しくないんだけどなぁ。
窓にもびっくりされたけど、一通り説明したので全員で外に出ると、カイル様とルリア様がひぃろ達と遊んでいる。
(ふふ、やっぱり美少年美少女とひぃろ達って眼福です!)
まずはみんなでご飯を食べる事になった。
「ハルさんのご飯はやっぱり美味しいですね」
「本当ですわ。私ハルさんのお料理好きですわ!」
「ふふ、ありがとうございます」
美味しく食べた後は、フリーズドライを試すことになった。お味噌汁とミネストローネ、マツタケご飯とカニご飯をそれぞれ錬金ボックスに入れてフリーズドライをする。
全員に渡してお湯を注いで貰って食べて貰う。ミネストローネも上手く戻っていて美味しかった。
「これは凄いですね。これなら外でも美味しく食べられそうです」
「本当に、こんなご飯まで出来るだなんて、うちの冒険者達がとても助かるな」
「このまま持ち運べて、日持ちもするなんて!」
国王様やギルマス達に喜ばれたので、ちょっとホッとした。カイル様とルリア様も喜んで食べてくれたので嬉しい。と思っていたら、国王様に呼ばれた。
「ハル、さっきのお菓子が出る錬金ボックスを試してみたいんだが良いか?」
「えーっと……持ってきますね」
お部屋から錬金ボックスを取ってきて国王様の近くに置くと、全員興味津々に覗きに来た。まずは子供が先という事で、カイル様とルリア様が試す。
「わぁ、ハルさん。これはなんですか!?」
「それはおまんじゅうですね。中にアズの実とお砂糖で作った餡子を入れてあって甘いですよ」
次にルリア様が試すと、たい焼きが出た。
「ハルさん、これは何ですの?」
「それはたい焼きですね。それも餡子が入っているのですよ」
「わぁ、美味しいですね! 外側はちょっとふわっとしているけど、中の餡子がしっとりと甘くて美味しいです」
「こっちも美味しいですわ! 外がカリっとしていて中の餡子とも合っていて美味しいですわ」
カイル様とルリア様は仲良く半分個して食べている。仲良しで微笑ましいね。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます