付与とお家を整える

 みんなにお代わりをあげたりしながらお昼ご飯を食べて、アイスティーとチョコを出してお茶をしながら、付与について話し合う。


「冒険者達が使えるように、耐熱の装備が作れると良いかなと思うんですよね」


「あら、確かにそれは良いわね~」


「耐熱ポーションとかもあるけれど、効果時間があるからどうにか出来ないかなと思っているんですよね」


「そうね、耐熱効果があれば火山の攻略が楽になるわね。あそこは地熱が大変らしいものね」


「私が行ったとき、かなり魔物がいっぱいいたんですよ。あんなに増える前に適度に討伐出来たら、溢れる事はないかなと思うんです」


「それは確かに大事ね。耐熱にするか、それとも快適な温度に保つのか……」


「快適な温度に保つのも良いですね。でもファイアルビーだと厳しいかもしれませんね」


「そこが問題なのよね。ドラゴニアルビーを使ったら、一体いくらのアクセサリーになるのか……」


「ですよね……ドラゴニアルビーって、最上級の付与が出来るってありましたしね」


「それをいくつも持っているハルちゃんが凄すぎるわ……こんなに可愛い子達が強すぎるだなんてびっくりよ!」


 てれてれもじもじするひぃろ達……私もつられて一緒に照れちゃったら、なぜかフィルさんに頭をなでなでされた。


 快適な温度に保つのは、きっとドラゴニアルビーじゃないと作れないだろうけれど、あったらとても便利だよね。高レベル冒険者だったら買うかもしれないとフィルさんも言っていたので、作れるか試してみよう。


 作れるかどうか試すだけなので、みんなのシルエットを刻印したネックレスとファイアルビーを出して快適な温度に保つ効果を思い浮かべてみる。


 やっぱりファイアルビーでは無理で、ドラゴニアルビーだったら付与出来そうだった。ファイアルビーで耐熱効果が付けられるか試した所、それは問題なく出来そうだった。


「やっぱりドラゴニアルビーじゃないと快適な温度に保つには無理ですね。でもファイアルビーで耐熱効果は付けられそうでしたよ」


「やっぱりそうよね。でも、ファイアルビーで耐熱効果だけでも付けられるなら良いわね」


「あの……フィルさん、もしかしてこれってギルマス案件ですかね~……?」


「そうね、もちろんよ!」


「ですよねー……。明日会う予定があるのでお話してきます」


「ふふ、じゃぁお願いするわね」


 明日、ギルマスに話を通して来よう。報連相は大事!


「実物持って行った方が良いですかね?」


「ん~、話だけでも大丈夫だと思うわよ。ハルちゃん、いっぱい持っているから忘れがちだけど、どっちも貴重なのよ?」


「そ、そうでした」


 その後もお茶をしながらみんなでワイワイお話をしてから、お店を出る。


「フィルさん、ありがとうございました」


「こちらこそ、貴重な品を買い取らせて貰って嬉しいわ」


 フィルさんと別れてから、雑貨屋さんへ寄る。そこでバングルのお部屋用のお布団とこたつ用の布団、クッションとか生地とか色々購入する。後は、3つ口コンロでオーブンも付いていて、とても使いやすそうなコンロがあったので買っちゃおう。


 それから新しく借りたお家に帰る。みんなも楽しそうだった。


「今日から借りたお部屋だよ、とっても楽しみだね」


『たのしみくまね~』


『楽しみぴょん!』


『街の中でもハルのお料理が食べられるの嬉しいぱん~!』


『それはいいぴよね~』


「まずはお家に入ったらお部屋ごとクリーン掛けちゃおうか」


『そうくまね』


『今日はお夕飯何にするぱん?』


「何がいいかなぁ」


 みんなであれが良い! これが良い! ってお話しながらお家に着いた。今日のメニューはトンカツが良いみたい。


 お家に入ると、すぐに全体にクリーンを掛けた。埃っぽい匂いもしなくなり綺麗になった。ベッドにお布団を敷いて、お夕飯の準備を始める。


 今日はトンカツをいっぱい揚げよう。今度かつ丼にしても良いし、カツサンドも美味しいね。大量に仕込んで油で揚げていく。油汚れがあってもクリーンの魔法で一瞬で綺麗になるとか、日本にいた時から欲しかった。


 次はお味噌汁だね。お味噌汁は玉ねぎとサツマイモにしよう。サツマイモのお味噌汁は甘くって好きなんだよね。


 ご飯も炊いて、準備をしてからみんなにクリーンを掛けてからテーブルに乗せてあげる。


 みんなでご挨拶をして一緒に食べ始める。なんだか街の中でお料理をして食べる事って、なかなかないからちょっと変な気分だ。


『やっぱりハルのお料理美味しいくまね』

『私もハルのお料理好きぴょん』

『ぼくもぱん~!』

『ライチもぴよー!』


 みんなで仲良く食べた後は、バングルのお部屋を少し整えよう。いつでも使えるようにしておかないとね。


「バングルのお部屋に行くけど、みんなはどうする?」


『行くくま!』

『行くぴょん!』

『行くぱん!』

『行きたいぴよー!』


 全員連れてバングルのお部屋に入る。まずはこたつの下に敷くラグを作ろう。毛皮とわたの実でふわふわにしよう。錬金してラグを敷く。


 次に木材と火の魔石を出してこたつを作る。こたつ用に買ったお布団を掛けて天板を乗せて、クッションを配置したらこたつの出来上がりっ!


『入りたいくまー!』

『こたつ好きぴょん!』

『ぼくもぱん~』

『ライチもはいるぴよー!』


 みんなをこたつに入れてあげる。こたつが気に入ったみたい。中も温かくしてあげるとみんな気持ちよさそうな顔をしている。


 次はコンロを置いて、広めの作業台を作る。これでこの上で色々作れるかな。後は、棚を作ってキラキラの実で作ったみんなの置物を飾ろう。


(ふふ、かわいいなぁ)


 次はベッドを作ろうかな。毛皮とわたの実を錬金して広めのベッドを作る。お布団も出して、ブランケットでライチ用のベッドも作って完成!


 そういえば、みんながここに入っても自由におやつを食べたり出来ないなぁ……。せっかくだから、自由に過ごして欲しい。おやつも食べたいときに食べさせてあげたいな。


(あっ、みんな用の錬金ボックスを作っちゃう?)


 上に大き目のボタンを作って、押すとおやつが出たら良いんじゃないかな。付与で時間停止のアイテムボックスを付けようかな。そうしたら材料が悪くならないし、いつでも出せるかもしれない。


 木材を出して、付与をするからファイアルビーを出してみる。ボタンを付けて、時間停止のアイテムボックスでボタンを押すとお菓子を作って出してくれる。と思い浮かべるとファイアルビーではやっぱり無理だった。ドラゴニアルビーを出して思い浮かべてみるとこれなら出来そうだ。


 ドラゴニアルビーだと時間停止のも作れるんだね。さすがドラゴンさんです。お菓子は何を出そうかなぁ。あっ、たい焼き食べたい! たい焼き作って下さい、錬金ボックスさん。後はおまんじゅうと、マドレーヌとかフィナンシェかな。思いつく限りのお菓子を思い浮かべておく。


 ふふふ、何が出るか分からないランダムにしちゃおうか。よし、作ろう! よく思い浮かべて、私が思い浮かぶお菓子を色々考えながら、作ったお菓子は目の前にお皿に乗せて出るようにして貰おう。


「錬金!」


 材料が光り、錬金ボックスが出来た。


『ハル、何を作ったくま~?』


 こたつからお顔をちょこんと見せたひぃろが聞いて来た。


(そのちらっと見えるお顔が可愛すぎてきゅんってする)


「ふふ、この錬金ボックスはね~、この上のボタンを押すとお菓子が出るんだよ!」


『くまっ!?』

『ぴょん?!』

『ぱん?!』

『ぴよっ!?』


 みんなびっくりしてこたつから飛び出してきた。お菓子の威力は凄いな~。話しながらも錬金ボックスに材料を次から次へと入れていく。


「やってみたい人ー?」


『くまっ!』

『ぴょん!』

『ぱん!』

『ぴよっ!』


 みんなは順番にボタンを押していく。押すとランダムでお菓子がちゃんと出てきた。


『ハル、これ素敵くまー!』

『ハルすごいぴょん!』

『おやつがいつでも食べられるぱん~』

『おいしそうぴよ!』


「これがあれば私がここに居なくても、みんな好きにおやつが食べられるでしょう? 後は飲み物の錬金ボックスも作ろうね。果物色々入れておいて飲み物もランダムにしようか?」


『ハル、ジュースとお茶を入れてくれるの2個作れるぴょん?』


「うん、出来るよ。そうだね、ベリーはお茶好きだものね。じゃぁ、ジュースとお茶と2種類作ろう! 私も紅茶が出るの欲しい!」


『ハル、ありがとぴょん!』


 同じようにジュースがランダムで出てくる錬金ボックスと、お茶がランダムで出る錬金ボックスを作って設置する。 


 これで大分バングルのお部屋が充実した気がする。後は借りたお家の方にもお菓子とお茶が出る錬金ボックスを作って設置しておこう。


 さくっと作ってみんなが使いやすい所に設置してから、寝室に行く。明日は国王様の所へ行く予定だ。みんなでもふもふすりすりしてからおやすみなさい。

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