第48話 新しい錬金ボックスでお料理

 今日もすっきり目が覚めたので、お着換えをして、まずは食堂へ向かう。


「ステラさん、おはようございます」


「ハルちゃん達、おはよう」


 ステラさんが朝ご飯を持ってきてくれた。今日はオークベーコン入りのスープとパンだった。オークベーコンが入っているからスープがとても美味しかった。


「ハルちゃん、また後でね」


「はい、また後で」

『くま~』

『ぴょん』

『ぱん~』


 一度、部屋に戻り準備をする。今日のお料理教室は、ケチャップ、ソース、コンソメを使った物を作る予定だ。ケチャップとコンソメを使ってオムライス、ソースはコロッケ、コンソメでスープを作ろう。


 今日はベリーと同じうさ耳フードを着てから、部屋を出る。食堂へ向かうとステラさんも準備が終わっていた。


「ステラさん、お待たせしました」


「大丈夫よ、さあ、行きましょう~。ふふ、今日も楽しみだわ。あら、今日はベリーちゃんとお揃いなのね~」


『ぴょんっ!』



 ステラさんと一緒に商業ギルドへ向かう。今日もメレさんがギルドの前で待っていてくれた。


「メレさん、おはようございます」


「ハルさん、ステラさんおはようございます。今日もよろしくお願いします」


「メレさん、よろしくお願いします」


 メレさんと一緒にギルドの中へ行って、前と一緒の部屋に入るとギルマスがいた。


「おはようございます、今日もお願いします」


「おはよう。ハル、今日も頼むな」


 まずは調味料を作るので、新しく作った錬金ボックスをテーブルの上に出した。


「今回も同じような見た目ですが、作れる物が違います。今回はトマトを使ったケチャップ、野菜とスパイスを使ったソース、野菜とお肉を使ったコンソメが作れます」


「ほう、また面白いな」


「どんな物かとても楽しみです」


「今回は私も食べてないから楽しみだわ~」


 まずはケチャップを作る。


「ケチャップには、トマト、玉ねぎ、酢、塩、砂糖、水を錬金ボックスに入れて、ケチャップのボタンを押します」


 ピー! パカッ!


 瓶に入ったケチャップが出来た。次はソース。


「ソースには、玉ねぎ、人参、トマト、アプル、スパイス、塩、砂糖、酢、醤油、水を錬金ボックスに入れて、ソースのボタンを押します」


 ピー! パカッ!


 こちらも瓶に入ったソースが出来た。次はコンソメだ。


「コンソメは、玉ねぎ、人参、ココ肉、ウルフ肉、塩を錬金ボックスに入れて、コンソメのボタンを押します。」


 ピー! パカッ!


 こちらも瓶に入った顆粒コンソメが出来た。


「これは粒なんだな?」


「そうですね、これはスープを作る時などに入れると、美味しくなるんです」


「もう1つのボタンが、昨日言っていた出汁のなのか?」


「そうです、こちらもコンソメと同じく粒で出来ます。お味噌汁を作る時に入れると美味しくなるんです」


『お腹すいたくま~』

『お腹空いたぴょん』

『お腹空いたのぱん~』


 3人がお腹が空いてしょんぼりしてきたので、ささっと料理を始めよう。


「今日はまず、オムライスを作ります。お米は錬金で炊いちゃいますね」


 粒の実と美味しいお水を出して錬金する。玉ねぎと人参をみじん切り、オークベーコンも小さめに切る。まずは具材を炒めて、コンソメとケチャップを入れて少し炒めてからご飯を入れて炒める。


 ケチャップライスが出来たら、卵を焼いた中にケチャップライスを巻いたら完成。


「これはオムライスと言います。ケチャップを掛けて食べて下さいね」


 ひぃろ達にもオムライスを作って出してあげた。


「ん! このケチャップ少し酸味はあるけれど、トマトの甘みも出てて旨いな!」


「ん~~! この卵のトロっとしてるのが良いですね!」


「ハルちゃん、ケチャップの酸味と甘みが卵とご飯に良く合ってるわ」


「オムライス美味しいですよね~。私も好きなんです」


 次はコンソメを使ってスープを作る。普段作っているようなスープの方がコンソメの美味しさが伝わりやすいだろうからシンプルに、玉ねぎ、人参、ベーコンで簡単に作った。


「これはコンソメを入れたスープです」


「おぉ! 普段のスープより確かに旨いな。これがコンソメか」


「普段と同じようなスープなのにとっても美味しいです!」


「ハルちゃん、このスープ美味しいわ~!」


「ふふ、気に入って貰えて良かったです。次はソースですね、今回はコロッケを作ります」


「ころっけ?」


 じゃがいもを茹でている間にパンを削ってパン粉を作る。具材は玉ねぎ、人参、ウルフ肉を炒めて軽く味付けをする。じゃがいもが柔らかくなったら、皮をむいて潰して具材を混ぜて、少し魔法を使ってささっと冷ます。小麦粉、卵、パン粉を付けて後は揚げるだけだ。


 油を温めたら、コロッケを揚げていく。


「ソースを掛けて食べてくださいね」


「熱っ! うまっ!!」


「あ、熱いけど、このさくってするのが美味しいです~」


「熱々だけど美味しいわ! このソースも良く合ってるわ」


『ハル、コロッケお代わりくまー』

『私も食べたいぴょん!』

『ぼくもぱん~!』


 みんなにコロッケのお代わりをあげる。うちの子達よく食べるなぁ。でも美味しそうに食べている姿がなんとも可愛くて、ついつい色々な物を作ってあげたくなっちゃう。


「しかし、ハルは色々な調味料も料理も知ってるな。まだまだありそうだしな」


「本当に、ハルさんは不思議ですね」


「ハルちゃんは頑張り屋さんだもの、きっとお料理も頑張ったんだと思うわ」


「私の故郷が美味しい物が沢山あったので、自然とこうなってしまったんですよね」


「ハル、明日このコロッケも出来そうか?」


「はい、しかし揚げ物ばかりですけど、良いですか?」


「まぁ、多分好きだから良いだろう」


 ついでに、明日おにぎりにするから味見して貰おう。炊いたご飯がまだあったのでおにぎりを作ってフライパンで焼いていく。焼けてきたら醤油と味噌を塗って焼く。


「これはご飯を握ったのがおにぎりなのですが、今日は焼いたので焼きおにぎりです。味噌と醤油味があるのでどうぞ」


『ハル、どっちも美味しいからお代わりくまー』

『私も両方お代わりぴょん~』

『ぼくもぱん~』


 ひぃろ達にお代わりを渡してあげる。


「これも旨いなぁ! 明日ご飯これにするのか?」


「そのつもりなのですが、どうでしょう?」


「明日何かあるの?」


「あぁ、明日ハルを国王に合わせる事になってな。ついでに食事が食べたいらしい」


「えぇぇ!? ハルちゃん凄いわ」


「ハルさん、凄いです!」


「私が会って良い方ではないと思うのですけどね……。明日は他に味があるものばかりなので、ご飯の方が良いですかね?」


「うーむ、これも旨いし悩ましいな。明日はおかずがいっぱいあるから普通にご飯にしておくか」


「はい、分かりました。聞いて良かったです」


「これはお味噌もお醤油のもどっちも美味しいですね」


「本当は串肉の屋台みたいに火であぶった方が美味しいとは思うのですけどね」


 明日のメニューも決まったので、今日はこれでお開きになった。ステラさんと宿に帰る。

 宿に着くとロールさんが待っていた。今日のメニューと調味料一式を渡しておいた。私もロールさんの美味しいお料理が食べたいのです!


 部屋に戻ると、私はお風呂に入りに行って、のんびりゆったりと身体を休める。その後はお夕飯だ。

 みんなで食堂へ向かうと、今日のお夕飯は、ボア肉のトマト煮込みだった。コンソメを使ったみたいで、とても美味しかった。


 部屋に戻ると、ひぃろ達をもふもふして一緒にゴロゴロして遊んだ。いっぱい遊んで明日の緊張感をなくしたい。


『ハル、なでなでしてくま~』


「ふふ、いいよ~」


『ハル、むぎゅ~ってしてぴょん~』


「もちろんいいよ」


 タルトがじーっと上目遣いで見つめてくる。


(タルトに見つめられてる。どうしたんだろう?)


『ハル~、ぼくもいっぱいむぎゅむぎゅなでなでしてぱん~』


「いいよ~。どうしたのかと思っちゃったよ」


『くふふ、嬉しいぱん~』


「ふふ、みんな大好き~!」


 みんなをむぎゅ~っとしてそのまま寝る事にした。明日の国王様の謁見頑張ろう。

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