第45話 北の山での依頼1
昨日早く寝たので、今日はみんなすっきり起きられた。今日は北の山に行く予定だ。ついでに北の山の依頼がないか確認してから向かう予定だ。結構高い山なので、もしかしたら今日中に帰れないかもしれないので、ステラさんに一言声を掛けてから向かう。
今日のフードはベリーと同じうさぎ耳付きフードだ。ベリーが照れてもじもじしている。
朝ご飯を食べてから、冒険者ギルドに向かう。ドアを開けて、リルさんがいたので声を掛ける。
「リルさん、おはようございます」
「あっ、ハルちゃん。商業ギルドのギルマスから指名依頼が来ているけれど、何かあったのかしら?」
「えっと、お料理教室やっていたのですよ~。そこで材料が足りなくなったので、私が向かう事になったんです」
「えぇ?! お料理教室?! 私も行きたかったわ~」
「きっとそのうちまた何かあると思いますよ。お誘い出来なかったので、これだけでもどうぞ。皆さんでお茶の時間にでもどうぞ」
クッキーと焼き菓子を、皆さんのおやつ用に渡しておいた。美味しく食べて貰えるといいな。
「ハルちゃん、商業ギルドからの依頼の他にも依頼も受けていくかしら?」
「何かあるようだったら、それもお願いします」
「治癒草と魔力回復草の採取と、北の山のレッドボアの討伐があるわ」
「治癒草と魔力回復草があるんですか! ずっと探していたので嬉しいです。レッドボアと両方受けます!」
「ふふ、手続きするわね。でもレッドボアの突進は危険だから気を付けてね」
「はい、分かりました。行ってきます」
『くまっ!』
『ぴょん!』
『ぱん!』
治癒草と魔力回復草があると中級のポーションが作れるので、鑑定をばっちり掛けて向かうつもりだ。冒険者ギルドを出て、北門へ向かう。北門を出ると森が広がっていた。森の中に入ると、鑑定を発動させた。
「今日はタルルの木と治癒草、魔力回復草、レッドボアを探すよ」
『任せてくま~』
『頑張るぴょん!』
『ぼくもがんばるぱん』
「みんな、よろしくね」
今日も3人は、仲良くぽよんぽよん跳ねて行く。今日も跳ねるたびに揺れるしっぽを見て、癒されながら歩いて行く。どこら辺に依頼品があるかなぁ。
鑑定の矢印を色々と見て探しながら、途中でオークやボアの討伐をしながら北の山に着いた。ここまででは、やっぱり依頼品はどれも見当たらなかった。王都からここまで離れていたら、タルルの木が王都にないのも仕方ないと思う。私にはアイテムボックスがあるけれど、なかったら大変だ。
「北の山の入り口に着いたから、ここら辺でお昼にしようか」
『お昼くま~』
『食べるぴょん』
『お腹空いたぱん~』
土魔法で椅子とテーブルを作って、みんなにクリーンを掛けてから乗せてあげる。食べたい物のリクエストを聞くと、みんな串肉をパンに挟んだのが食べたいというので今日はそれにする。
みんな3個ずつはきっと食べるかな。私は1個と食べ終わってから焼き菓子を食べちゃおう。
準備をしてみんなでご挨拶をして食べる。食べ終わってお茶を飲みながらこの先の予定を話し合う。
「ここからは、依頼の品を探そうね。レッドボアも探さないとだね」
『ハルは、鑑定で薬草探してくま。ぼくはレッドボアを探すくま~。くふふ、美味しいお肉くま!』
『ふふふ、頑張っちゃうぴょん! お肉い~っぱい取って帰るぴょん!』
『みんなにお土産も取って行くのが良いと思うぱん』
『タルト、良い事言うくま! 頑張るくま~』
『頑張っちゃうぴょん!』
2人の気合が入ってしまったので、ひたすら討伐しましょうか。私は鑑定で薬草とタルルの木を見つける事にしましょう。他にも何か良い物があるといいなぁ。
「じゃ、じゃぁ、北の山に登って行こうか! みんな疲れたらいつでも言ってね」
『くまっ!』
『ぴょん!』
『ぱん!』
お片付けをして北の山を登り始める。北の山に登り始めると、すぐにさっきまでの森と様子が違くなった。北の山は木の種類も違って、数も減っているから少し先まで見通せる感じだ。薬草も探しやすそうで助かるね。
治癒草と魔力回復草とタルルの木をメインとして、他にも食材とかあるかどうかを鑑定を発動させて調べながら、ひぃろ達に続いて進んで行く。
「あっ、治癒草あった」
治癒草を見たひぃろ達は、近くを散策して治癒草を探してきてくれた。
『ハル、こっちにもあったくま』
『ハル、あっちにもあったぴょん』
『ハル、ここだぱん』
「わぁ、みんなありがとう。おかげで沢山集まったよ」
みんな木の実で良く知っているので、きちんと全部取らずに少し残している。みんなのおかげで沢山治癒草が集まった。私の分も取っておけそうだ。
また他の物を探しに歩き回っていると、ひぃろがレッドボアを見つけたみたいだ。
『ハル、レッドボアが2体いるくま』
『ハル、びりびり強力にしてぴょん!』
みんなにシールドを掛けてから、ベリーには強力に雷を纏わせる。
「よし、準備出来たから倒そうか」
と言ったすぐ後には、大きな雷が落ちた音がした。ぽふん! と魔石、お肉、牙がドロップされていた。
「2人とも強いね~」
『びりびり楽しいんだぴょん』
『ぼくも土魔法楽しいくま』
「うんうん、楽しいのが良いよね」
『ぼくは応援するぱん!』
みんなをなでなでして、和んでから次へ進む。
また治癒草を見つけたので採取をした。そろそろお茶の時間かな。今日のおやつは何にしようかな。今日はベリーのジャムを使ったパウンドケーキにしようかな。
「そろそろお茶にしようか」
『やったくまー! 場所を探すくま』
『やったぴょん!』
『やったぱん。手伝うぱん』
みんなが場所を探してくれたので、椅子とテーブルを作ってから材料を準備する。今日はパウンドケーキなので、バター、卵、小麦粉、アモン、ベリーのジャム、重曹、牛乳を出して、美味しいしっとりパウンドケーキを思い浮かべる。
「錬金!」
いつ見ても不思議な光景だけれど、材料が光り、光が収まった時にはお皿に乗ったパウンドケーキが出来上がっている。後はアイスティーを入れて、パウンドケーキを切り分けてそれぞれの前に置いてあげる。
『ベリーのジャムが入ってしっとりして美味しいくま~』
『美味しいぴょん! このベリーのジャムが最高だぴょん』
『しっとりしていて美味しいぱん』
久しぶりにパウンドケーキを食べたけれど、やっぱり美味しいなぁ。
みんなでお茶をして休憩した後は、また山を登りながら色々と探していく。ここら辺は治癒草が多いみたいで、沢山集まった。他の地域では見つからなかったから、少し高い所に生えているのかもしれない。
その後野営の場所を探すまでに、またレッドボアを倒した。相変わらずの強さでさくっと討伐完了させた。野営場所の確保が出来て準備が出来たので、シールドを張り、お夕飯を作る事にする。
「お夕飯何か食べたい物あるかな?」
『レッドボアのお肉食べたいくま~』
『スープ食べたいぴょん』
『ジーン焼きがいいぱん』
「じゃぁ、それ作ろうね」
前にコンソメを作ってまだスープを作っていなかったから、お野菜いっぱいのスープを作ろう。後はレッドボアで、スパイス塩、ジーン焼き、ガーリ焼きの味比べセットにしよう。
まずはスープの準備。玉ねぎ、人参、かぼちゃ、キャベツ、トマト、ソーセージを切って煮込んでいく。煮込む時にコンソメも入れて煮込む。美味しく出来ますように。
レッドボアのお肉は、スパイス塩を振りかけて少し置いておく。ジーン焼きとガーリ焼きはトロンの粉を付けて焼いて行く。火が通ったら、半分はガーリ焼き用に取り分けて、ジーン焼きの味付けをする。味は、醤油、砂糖、酒、ジーンだ。絡んだらお皿に盛りつけて完成。
フライパンにクリーンを掛けてからガーリ焼きの味付けだ。こっちは味噌、砂糖、酒、ガーリで味付けをした。最後はスパイス塩のはそのまま焼いたら完成。
ご飯とパンどっちが良いか聞いたら、みんな両方だったので、お皿に全部盛り付けて皆の前に出してあげて、お茶はさっぱりと緑茶にした。
みんなでご挨拶をしてから、食べ始める。
『美味しいくま~。どれもパンにもご飯にも合って嬉しいくま~』
『どれも美味しいけれど、このスープいつもよりとっても美味しいぴょん!』
『どれも美味しいけれど、ガーリ焼きとご飯が最高ぱん』
「このレッドボアのお肉、とっても美味しいね。ご飯とパンどっちにも合うね~」
食べ終わった後は、食後のデザートにシャーベットと温かい紅茶を入れる。のんびりお話しながらのティータイムだ。明日の予定などを話し合った。
まだ魔力回復草とタルルの木が採取出来ていないので、明日はそれを探す予定だ。
食後はクリーンを掛けて、テントの中でみんなをむぎゅむぎゅっと、もふもふっとすりすりして仲良く寝た。
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