第10話 依頼先で仲間になったのは……?
「ひぃろ、おはよう」
『ハルおはようくま~』
「今日は依頼を受けに行こうと思うのだけど、どうかな?」
『行くくま~』
着替えて出かける準備をしてから食堂へ向かう。
今日はソーセージとオムレツ、スープとパンの朝食だった。今日もとっても美味しかった。ひぃろと一緒に完食して、キャルさんに挨拶してから宿を出て、冒険者ギルドへ向かう。
冒険者ギルドのドアを開けて、まずは依頼の掲示板を確認しよう。
「お、嬢ちゃんお早う。こっちから見れるぞ」
今日も冒険者の皆さんは、場所を開けて見えるようにしてくれる。
「ありがとうございます」
『ありがとうくま~』
にこにことお礼を言うと掲示板を確認する。
(冒険者達もハル達の可愛さにほっこりしている)
今日は南の森で、ゴブリンの討伐依頼を受けることにした。依頼書を持ちサラさんの所へ行く。
『おはようくま』
「サラさん、おはようございます。これお願いします」
「ひぃろちゃん、ハルちゃんおはよう。今日はゴブリンの討伐なのね。今増えているみたいだから助かるわ。でも、ゴブリンが増えているから、怪我には気を付けて行ってきてね」
「はい、行ってきます」
南の門へ向かう。
門で手続きをして森へ向かう。門から500メートルくらいは平原なので、のんびり歩いて行く。
「森に入ったらサーチお願いするね」
『任せてくま~』
「ゴブリンが増えているみたいだから、沢山倒そうね」
『ゴブリンはすぐに増えちゃうから大変なのくま』
「そうなのね」
森についたら、ひぃろにサーチをしてもらい、私も何か変わった薬草やハーブがないか鑑定を使いながら歩いて行く。癒し草もちょこちょこあるから採取しておく。ポーションはあると助かるからね。
『ハル、この先にゴブリンが3体いるくま』
「ん。エアーカッター準備するね」
少し先に進むとゴブリンが3体見えてきた。気が付かれる前にエアーカッターで討伐した。
ゴブリンの素材は特にないらしい?でもカードが3枚落ちていた。
「このカードは何だろう?」
『それは討伐証明だくま』
「えぇ! これが討伐の証明になるんだ。じゃぁ、ちゃんと出たら拾っておかないとなんだね」
アイテムボックスに仕舞っておいた。日本にいる時に読んだ小説とか漫画みたいに耳を集めるとかじゃなくて良かった。かなりホッとした。
その後も3~5体のゴブリンにちょこちょこ遭遇した。
「やっぱり増えているっていうからか、よくいるね」
『ハル、ちょっと待ってくま。少し行ってくるからここで待っててくま』
「うん? 分かったよ」
ひぃろがそんな事を言うのは珍しいので、疑問はあったけど大人しく待ってみる。
危なくないように周りには気を付けておく。
『ただいまくま~』
「おかえり、ひぃろ。その子……誰?」
ひぃろの隣にピンクの毛玉……丸いしっぽもあって、耳が長いからうさぎ? もしかしてまたスライム?
『この子も特殊スライムなのくま。それで、ハルにテイムして欲しいのくま』
やっぱりひぃろみたいにスライムだそうだ。ピンク色の毛玉に長い耳をして目が赤い。ピンクの雪ウサギみたいで可愛い。
「私の名前はハルっていうの。テイムして良いの?」
ぽよんと跳ねてくれたのでテイムをする。
「テイム!」
スライムが光りその後また可愛い声が聞こえた。
『ご主人様、よろしくぴょん』
(やっぱり語尾はぴょんなのね。)
「ご主人様じゃなくて、家族みたいに仲良くなりたいからハルって呼んでね」
『分かったぴょん。ハル、よろしくぴょん』
「それで、お名前はある?」
『ないからハルにつけて欲しいんだぴょん』
「じゃぁ、君の名前はピンクが可愛いからベリーでどうかな?」
『私の名前はベリーだぴょん、よろしくぴょん』
ベリーがぴょんと飛び跳ねて私に飛び込んできた。慌てて抱き留めるともふもふ、むぎゅむぎゅした。ひぃろより更にもふもふで気持ちがいい。
ひぃろもそわそわしているので、ひぃろも一緒にむぎゅーっと抱きしめる。そして二人をそっと降ろしてからなでなでする。
(可愛いくて幸せ~)
「よろしくね」
『ぼくはひぃろ。よろしくくま~』
ベリーをなでなでしてご挨拶を済ますと、またゴブリン討伐に戻る。
「ベリー、私達ゴブリンの討伐をしているの。危なくなったら私がシールドを張るから怖くなったら側にいてね」
『わかったぴょん』
ひぃろとベリーがぽよんぽよん跳ねて先を進む。
(か、可愛い……早く宿に帰ってまたむぎゅむぎゅしたい……)
「ひぃろ、休めそうな場所があったら、少し早いけどご飯にしちゃおうか。そこでベリーの鑑定させて貰っても良いかな?」
『ご飯っ!わかったくま~』
『わかったぴょん』
『でもその前にゴブリン5体くま』
「了解」
エアーカッターを5発分準備して先に進む。さくっと倒して先に進む。
ちょうど広場になっていたのでここでご飯にする。今日はゴブリンが増えていて危険なので、買っておいた串肉をパンに挟んでお昼にする。やっぱりサンドの方が食べやすいよね。
「今日は買っておいた串肉を挟んだよ。二人とも2個? 3個?」
『ぼくは3個食べたいくま~』
『私はどんな物かよく分からないけど、2個食べたいぴょん』
それぞれお皿に乗せて出してあげて、アプルウォーターも出しておく。
「いただきます」
『いただきますくま~』
『いただきますぴょん』
やっぱり串肉も美味しいからパンとよく合うね。とっても美味しい。
『やっぱり、ここの串肉は美味しいくま~。ハルの作ったパンとも良く合って、いくつでも食べられそうくま』
『! こんな美味しい物があるなんて知らなかったぴょん! ひぃろが3個って言った意味がよく分かったぴょん』
「もう一つ食べるなら作るけど、どうする?」
『今日は2個で大丈夫だぴょん。ハルありがとうぴょん』
私は1個でお腹いっぱいなので、食べ終わってからベリーの鑑定をさせてもらった。何が出来るか分からないといざという時に動けないしね。
名前:ベリー
種族:特殊スライム(うさぎタイプ)
LV:3
スキル:回復魔法、解毒魔法、溶解、ホーリーアタック
やっぱりうさぎタイプ。ベリーは聖属性な感じだね。回復が得意なのはとても助かるね。
「よし、休憩したしもう少しゴブリンの討伐をしてから帰ろうか」
『わかったくま』
『わかったぴょん』
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