第9話 のんびり街を散策

「ひぃろ、おはよう」


『ハル、おはようくま~』


「準備して朝ご飯食べに行こうか」


『ご飯くま~』


着替えをして、ひぃろと一緒に食堂に向かう。今日の朝ご飯はソーセージとオムレツ、パンとスープだった。今日もとても美味しそう。


「ひぃろ、今日も美味しそうだね」


『早く食べようくま』


「いただきます」


『いただきますくま!』


 お膝の上で、ぷるぷる震えていただきますのご挨拶するひぃろにほっこりしつつ、朝ご飯を一緒に食べていく。


 オークのソーセージがとってもジューシーで、とても美味しいからひぃろにも食べさせてあげる。


「ひぃろ、これ美味しいよ」


『お、美味しいくま~。ソーセージがこんなにジューシーで美味しいなんて知らなかったくま!』


「ごちそうさまでした」


『ごちそうさまくま~』


 部屋に戻ると、今日の予定をひぃろと話し合う。



「今日はどうしようか? 何か希望はあるかな?」


『うーん、特にはないからハルに任せるくま』


「うーん、昨日ブラックウルフも倒して疲れたから、今日はちょっとお休みして街を回ろうか」


『ハル、ハル! 美味しい串肉食べたいくま~!』


「うん、いいよ。お昼に食べようね。後は、お砂糖と小麦粉も買い足しておこうね。後フルーツがあったらジャムにしたいかな」


『早く行くくま~』


 2人で準備をして宿を出発する。今日はのんびり街を散策してお買い物だから、ひぃろも足元をぽよんぽよん跳ねている。しかし、やることが食べる物ばっかりでなんだか私達らしい。


 今日はまだ朝だから市場から先に行く事にする。

 ひぃろと歩いているとじゃがいもを見つけた。これは買っておかないと。フライドポテトにポテトチップス、コロッケも作りたいなぁ。


『ハル? どうしたくま?』


「はっ! ごめんごめん。じゃがいもが買えたから、ついついお料理のこと考えてたよ」


『さっき買ったの美味しいのくま?』


「うん、揚げても煮ても焼いても、何にしても美味しいんだよ。今度作るね」


『わぁ、すごいくま。何でもできるくまね。楽しみくま~』


 よだれが垂れそうなひぃろの表情に、早めに作ってあげようと心に決めた。

 それからも市場で小麦粉、お砂糖、牛乳、バターを買い足して置いた。


 果物屋さんで、ジャムに出来そうな果物をいろいろ買っておいた。今回はお砂糖を多めに買ったので、心置きなくいろいろ作れる。

 ジャムが出来たらスコーンも作りたい。腹持ちが良さそうだし、ひぃろも好きそう。


『ハル~、お腹空いたくま~』


「お昼食べようか。今日は何が良いかな。ひぃろが串肉だから私もそれにしようかな」


『串肉3本でもいいくま?』


「もちろんいいよ。遠慮しないでいっぱい食べてね」


『わぁい、ハル大好きくま~』


「今日は20本買って、アイテムボックスにも入れておこうか」


『やったくま~』


 屋台についたので、20本お願いしてから飲み物を買いに行く。今日も前に飲んだアプルジュースを2つ買ってきた。


「はいよ、お待たせ。いつもありがとうな」

「ありがとうございます、今日もとっても美味しそうです」


 お金を支払い受け取ると、ひぃろと近くのベンチへ向かった。15本はアイテムボックスに仕舞ってから、ひぃろに串肉とアプルジュースを目の前に出してあげた。私も串肉を1本頬張った。やっぱり美味しい。


『ねぇ、ハル。ぼくパンも欲しいくま~。2個は挟んで欲しいくま』


「いいよ~」


 挟んで食べても美味しかったから、パンに挟んでお皿に乗せてあげた。私も1本は挟んで食べた。ひぃろも美味しそうに食べている。



「なぁ、おやじ。あの子が食べてるパンに挟んでるのが食べたいんだが、パンはあるのか?」


「俺もだ!」


 広場にいた人達が、私達が美味しそうに食べてるのを見て、そう屋台のおじさんに声を掛けていた。ちょっと申し訳なくなってしまった。


「嬢ちゃん、それ真似させて貰っていいか?」


 と屋台のおじさんに声を掛けられた。


「もちろん、どうぞです~。そのままの串肉でも美味しいですし、パンに挟んでも美味しいのですよ~」


「ありがとうな!」


「今日はパンがないから今度から準備しておくから、今日は我慢してくれな!」


「パンありますから、どうぞ」


「い、いいのか? ありがとうな」

「ありがとう」


 近くの冒険者達にパンを差し出した。冒険者は身体が資本だからいっぱい食べておかないとね。

 それに、次からはパンに挟んだ物も買えそうだ。今度から挟んだ物もあったらどっちも買おう。


 午後はのんびり街を見て回る。アクセサリー屋さんがあってついつい見てしまった。石を使ったブレスレットとかネックレスとか、とても素敵だった。一つとても目を惹くものがあった。水色の石と青い紐を使ったブレスレットだ。ひぃろの色みたいで、とても綺麗で買ってしまった。


「この色ひぃろみたいでお揃いだね」


『お揃い! 嬉しいくま~。早く付けて欲しいくま』


 右の手首につけた。うん、可愛い。喜んでくれるひぃろが、とても可愛くて思わず買ってしまったが、買って良かった。

 色々と見て回ってから、少し早いけど宿に帰った。錬金したいからね。


 今日はパンとジャム、後スコーンは作ろう。後はポーションも作ろうかな。明日ギルドで売ろう。

 まずは酵母を作らなきゃね。アプルとお水を準備して錬金して酵母を作る。


『ハル、今何を作ってるくま?』


「今は酵母を作ったから、今度はパンを作るよ~」


『やったくま。美味しいパン嬉しいくま』


 材料を準備してから、錬金して美味しいパンを作った。

 次はジャムかな。フルーツをお砂糖を準備して、酸味のあるレモンみたいな果物も少し入れてジャムにしていく。ベリーとアプルのジャムが出来た。これでスコーンを作っても美味しく食べられる。

 次はスコーンを作る。材料は小麦粉、バター、お砂糖、牛乳を準備する。美味しく出来るように思い浮かべる。


「錬金!」


 いつものように光が収まると、お皿に乗ったスコーンが出来ている。美味しく出来たかひぃろと味見をする。


「ひぃろ、味見する?」


『するくま~!!』


 半分に割り、そのままのスコーンとジャムを乗せたスコーンと両方出してあげた。私も同じようにして一緒に食べる。やっぱり日本で食べていたのよりもとっても美味しく出来た。


『ハル、パンともクッキーとも違うけど、これも美味しいくま~! ジャム乗せたのも美味しいくま』


「良かった。これはスコーンっていうんだよ。私もこれ好きなんだ」


『ぼくも好きくま~』


「残りはアイテムボックスに仕舞っておくから、今度また食べようね」


 次は明日ギルドに売るポーションを30個ずつ作っておいたらちょうどお夕飯の時間になった。ひぃろと一緒に食堂へ向かう。


『今日のご飯は何だろうくま~』


「楽しみだね」


「今日はココ肉のソテーとスープとパンだよ。いっぱい食べておくれ」


「ありがとうございます。いつも美味しいから楽しみです」


『ぼくもビスさんのご飯好きくま~』


 今日のご飯もやっぱりとても美味しかった。二人で半分にしながら食べて大満足。キャルさんにお礼を言って部屋に戻る。

 2人にクリーンを掛けて綺麗にしてからひぃろをむぎゅっとして横になる。


「今日も楽しかったね。明日は依頼受けに行こうね。明日もよろしくね」


『楽しかったくま~。ハル、おやすみくま』


「ひぃろ、おやすみ」

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