第1話 異世界転生とステータス確認

 そういえば、転生したのだったわ。

 辺りを見回してみると、神様の言った通り結界が張ってあった。これで安心してステータスの確認が出来るね。


 きっと言わなくても出来ると思うけど、異世界に来たなら言ってみたい。恥ずかしいから、周りに誰もいないのを確認してから……。


「ステータスっ!」


 感動! 目の前に半透明な板が出てきた。本当に転生したのだと実感が沸くわ。

 わくわくしながらステータスの確認を始める。



名前:ハル

年齢:12

レベル:1

運:9999

スキル:異世界言語、全属性魔法、テイム、錬金、鑑定、アイテムボックス、シールド



(んんん?)


 何かおかしい。色々とおかしい……。どうして年齢が12歳?

 手の平を見てみるとなんだか小さい気がする。さっきからここの世界の木が大きいのだとおもっていたけど、私が縮んでいたのね。


 えーっと、若返ったと喜ぶべき? でもね神様、12歳はやりすぎだと思うの。子供の姿じゃ逆に危ない気がするよ?


 服もいつものスーツとも部屋着とも違って、シンプルだけど可愛らしい青いワンピースに、膝までの黒のブーツを履いている。

 髪も伸びているみたい。背中の真ん中辺りまでありそうな長い髪で色も綺麗な銀色。銀髪なんて初めてみたけど綺麗。鏡がないから顔は分からないけど、ちょっとうきうきしてしまう。



 レベルの概念もあるのだね、1だけど。やっぱり魔物とか倒さないとレベルが上がらないのかしら。細かいステータスは出ないみたい。でも運の数値は出ているけれど、おかしくないかな……9999って。これってカンストしたって事なのかな……?



 よ、よし! 気にせず次にいこう。次はスキルの確認しよう。

 まずは、異世界言語。良かったぁ、言葉が通じないと困るものね。これで街についても安心だね。


 テイムも錬金もちゃんとある、どんな子が家族になってくれるのかとても楽しみ。向こうでは、家族も恋人もいなかったからとても嬉しい。早くテイムしてみたいなぁ。


 錬金ってことはポーションも他の物も作れるのかな。色々と作るの好きだったから楽しみだなぁ。早く色々試してみたくてわくわくしちゃうね。

 薬草なんかもあるのかな。鑑定とアイテムボックスもあるから、後でいろいろ探して採取しておこうかな。

 アイテムボックスの性能を鑑定してみる。

 

 アイテムボックス:別次元に物を入れたり出したり出来る。入れた物は時間経過しない。生き物は入れられない。容量無制限


 アイテムボックスがとても助かる。時間経過なしで容量無制限は嬉しい。食べ物と飲み物とかたくさん入れておいたら、どこに行くにも安心だね。

 そういえば、この世界の食事情はどうなんだろうな。美味しいといいのだけど。お米とかお醤油にお味噌もあるかなぁ。街に着いたら探してみよう。街に行くのが楽しみになってきた。



 さて、これからどうしよう。


 魔物がいるって事は、ゲームによくある冒険者ギルドとかあるんだろうか。 薬草とか取って行ったら換金出来るかな?

 それとも錬金スキルでポーション作った方が良いかな。まずは魔法の確認をして、薬草探そうかな。


 よし、念願の魔法の確認をしよう。この世界の魔法は意思の力で使うらしい。だから頭の中できちんと思い浮かべたら魔法が使えるらしい。


 試しに飲み水を呼び出してみる。


 頭の中で綺麗な飲み水を思い浮かべて手をお椀みたいにして出してみる。


「ウォーター!」


 みるみる手の上にお水が出てきた。飲んでみたらとても美味しかった。


 試しに温かいお水を思い浮かべてウォーターを心の中で唱えてみるときちんと温かいお水が出た。これはとても助かる。お鍋があったら熱湯も出せそうね。


 次は身体を綺麗にするイメージでクリーン!

 とてもスッキリした感じがする。思い浮かべるならいろんな事が出来そうだ。地球での漫画とかゲームとかの知識が役に立ちそうだ。



 攻撃魔法はどうしようかな。ゲームとかを思い出してみて、やっぱりファイアーボールとかエアーカッター辺りが使いやすい気がする。今は森の中だからエアーカッターかな。


 後は、シールドを発動してみると、自分の周りに半円状の半透明な壁が出た。

 このまま魔法が撃てると助かるけどどうかな。私はシールドの中からエアーカッターを放ってみるとシールドの中からでも出来た。これでかなり安全に魔法が使える事が分かった。



 魔法の確認を終えた私は近くの草を鑑定してみた。


 雑草:どこにでも生えている草。特に使い道はない。


 しかし全部に鑑定を掛けていくのはとても効率が悪いし、採取出来なそうだ。

 魔法は意思の力という事から、ポーションに使える草! と思い浮かべて鑑定を使ってみると、視界の端々に矢印マークが浮かんできた。


 その一つを良く見てみると癒し草と名前があった。これはポーションを作る時に使用するらしい。きちんとポーション作成時に使用出来る草が鑑定出来たので、鑑定で出た近くの草を片っ端から採取してアイテムボックスに収納していく。


 採取出来たのは癒し草、魔力草、毒消し草だった。


 採取出来たので、錬金のスキルを使ってみる。初級ポーションは癒し草と水で出来ると分かった。土魔法でお椀を作ってそこにお水を出して、採取した癒し草を横に置く。


「錬金!」


 お水と治癒草が光った。光が収まるとそこにはポーション瓶に入ったポーションが出来ていた。ゴリゴリ擂鉢で擂ったり鍋で煮る事もなく……こんな簡単にポーションが出来るとは。

 しかし、この瓶は一体どこから? 瓶の材料なんて置いていなかったのになぜ……。ま、まぁでも助かるから深い事は気にしないことにする。


 とりあえず、出来たポーションを鑑定してみた。


初級ポーション★★★☆☆

 普通の初級ポーション。軽い傷を治す事が出来る。



 むぅ…星3の普通のポーションだそうで……これは気になる。星5にしたい! どうしたら星が5個になるのか……。

 とりあえず考えられるのは、お水を綺麗なポーション作成に適したお水にして、癒し草も洗う? クリーンしたらいいかも?



 お椀に綺麗なお水とクリーンした癒し草を置いて錬金して鑑定してみる。


初級ポーション★★★★★

 とても良く効く初級ポーション。普通の初級ポーションよりも1.5倍の効果がある。


 無事に星が5個のポーションが出来た。中級ポーションはまだ出来なかった。癒し草の他に治癒草も必要みたい。街に行くまでに採取出来るといいな。


 次は毒消しポーションかな。毒消し草とお水で出来るので、また綺麗なお水とクリーンした毒消し草で作成してみる。これも瓶に入った毒消しポーションが出来た。



初級毒消しポーション★★★★★

 とても良く出来た初級毒消しポーション。普通の1.5倍の効果がある。


 こちらも星5個のポーションが出来た。こちらも中級は出来なかった。


 後は魔力草が採取出来ているから、魔力が回復出来るポーションが出来そう。綺麗なお水とクリーンした魔力草を準備して、錬金して出来た魔力回復ポーションを鑑定する。


初級魔力回復ポーション★★★★★

 良く出来た初級魔力回復ポーション。普通の1.5倍の効果がある。


 これも星が5個だ。これも中級は出来なかった。中級には魔力草の他に魔力回復草が必要みたい。3種類とも、いくつか作成してアイテムボックスにしまっておくことにした。


 そろそろ街に向かおうかな。

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