『大渋滞』

雨が降ると通学路はいつも大渋滞。

徒歩30分の家からはバスよりも歩く方が早い。

堅苦しい制服を重くする湿度と雨粒。

荷物に加え傘を掲げる憂鬱。

だけど私は待ち望む。


「おはよ。ダルいな」

部活の朝練がない彼と30分並んで歩く。

「たまには雨もいいよ」

「そうだな」

秘密のように笑い合って。

-------

まだ秘密の関係の、若々しい二人。

青春なり。


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