ギルドから追放された実は究極の治癒魔法使い。それに気付いたギルドが崩壊仕掛かってるが、もう知らん。僕は美少女エルフと旅することにしたから。
第130話 メイド服の侍女は天然エルフの扱い方に慣れっこです
第130話 メイド服の侍女は天然エルフの扱い方に慣れっこです
翌日。
『ラストダンジョン攻略会議』
姫主催の会議。
そう銘打たれた打ち合わせに私は呼ばれた。
「リンネ様、お初にお目にかかります。姫の侍女をしているシィダと申します。よろしくお願いいたします」
「うむ」
メイド服にメガネで黒髪の真面目そうな女が出迎えてくれた。
姫はNPCだが、侍女である彼女は人間だった。
「そちらは、ユウタ様に、ガイア様、……そして、ことらは?」
シィダが背伸びし私の頭越しに、目を細める。
視線の先には尖った耳と緑の髪。
「フィナだよ。エルフの」
明るい声でフィナが応える。
「リンネ様、これは一体?」
亜人間のフィナを見て、シィダはどうすべきか迷っている様だ。
「僕の大切な人です」
ユウタがすかさずフォローに入った。
◇
「ガイア様とフィナ様は、ここでしばらくお待ちください」
姫がいる大広間の扉を前にして、シィダが頭を下げる。
「え~!? なんで!? ユウタと一緒がいい」
フィナは地団駄を踏み駄々をこねる。
石畳に彼女の足踏みが鳴り、円形の天井にこだまする。
「秘密は多くの人間の前で話してはならない。少ない人数で共有すること。それが情報漏洩対策だと姫は仰っています。ご協力ください」
人の口に戸は立てられぬ。
フィナにそんな難しいこと言っても分からんだろう。
案の定、彼女は目が点になっている。
そして、すぐさま表情が険しくなる。
難しいことを言われても理解出来ないが、仲間外れにされた疎外感は感じている様だ。
「フィナ、大人になれ。今から大事な話なんだ。ただの内緒話とは違うんだよ」
ユウタにそう言われても不服そうな顔のままだ。
私はフィナが2000歳だとはどうしても思えない。
「フィナ様。別部屋にてケーキを用意しています」
「え!? ホントぉ!」
急にフィナの顔が明るくなった。
シィダは出会って数分でフィナの扱いに慣れた様だ。
私もそんなスキルが欲しい。
◇
円卓の中央に座るは、黒髪の美少女。
頭頂部に出来たツヤはまるで、天使の輪の様だ。
彼女の瞳に、私が映り込んでいる。
この世界の人間を統べる者である姫の姿を、私は初めて見た。
「リンネが
凛とした姫の声が響く。
パラパラと拍手が起こる。
招集された5大ギルドメンバーが私に向かって目礼する。
私は初めて見るメンバーが全員美少女だということに驚いていた。
つづく
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