ギルドから追放された実は究極の治癒魔法使い。それに気付いたギルドが崩壊仕掛かってるが、もう知らん。僕は美少女エルフと旅することにしたから。
第98話 ミニマム少女付与術師が巨人の攻撃力をアップさせて無双させます
第98話 ミニマム少女付与術師が巨人の攻撃力をアップさせて無双させます
タイチは3メートルの巨人、デドリアーノを、傍目から見ても分かるくらい押していた。
タイチはレベル90。
デドリアーノはレベル92。
レベルに差はあるが攻撃力に特化したタイチは一度波に乗れば、後はひた押しに相手を追い詰めることが出来る。
反対に押されると弱いところがあるが……
たまらず逃げるデドリアーノに、セイラの風の魔法による牙が襲い掛かる。
「やばい……」
「え?」
私のつぶやきに、側にいたロドリゴが反応する。
デドリアーノに付属している付与術師。
彼女達は彼に加勢することなく、ひと固まりになって詠唱を続けている。
何か一発を狙っているのは明らかだ。
「もしや……」
私は気配を消した。
「おらおら、どうした!? その鞭は飾りか!?」
「まだまだこれからだよ」
不利な状況にもかかわらず、デドリアーノはにやりと笑った。
「さぁ、下僕ども、俺に力を与えよ!」
四人の付与術師に向かって声を上げた。
「
四人の付与術師は一斉に唱えた。
詠唱を終えた付与術師四人が一斉に巨人に向かって手をかざす。
その手から、青白い光が飛び出した。
「うおおおおお! 力がみなぎるぜ!」
デドリアーノの攻撃力が一気に上がる。
付与術死の狙いはこれだったのだ。
メインのメンバーに攻撃力アップの魔法を掛ける。
付与術師は敵を直接攻撃することが出来る魔法を持たない。
その代わり、味方を間接的に強化し、戦闘に寄与する。
四人も付与術師を連れていたのはデドリアーノ一人を強化するためだった。
「くっ……遅かったか!」
私は二人の付与術師を屠った。
残り二人は取り逃がした。
逃げた付与術師はデドリアーノの肩に乗り、詠唱をし始めた。
「兄者、気を付けろ!」
攻撃力が4倍になったデドリアーノの猛攻が始まった。
鞭の一撃が強い。
「来て見ろ! この盾で防いでやるぜ!」
「ほざけ、脳筋が! 何でこの鞭を使っているか、教えてやろう!」
攻撃力がアップしても逃げ回るデドリアーノ。
武闘家だけに素早い。
次の魔法への時間稼ぎか。
私は巨人の肩に乗った付与術師に斬り掛かる。
「
間に合わない!
二人の付与術師がデドリアーノの器用さをアップさせる。
魔法を唱えたと同時に私は二人の付与術師を屠る。
鞭の精度が上がる。
鞭はタイチの横をかすめ後方のセイラを狙った。
「きゃあ!」
セイラのHPが半減する。
「くそ! てめ!」
「ははは! もう付与術師は用なしだ! また調達すればいい! 強くなった俺さえいれば問題ない!」
攻撃力4倍、器用さ2倍のデドリアーノはタイチを追い詰めた。
つづく
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