第95話 ギルドを潰された落とし前はキッチリと!
和風のギルドホール内のあちこちから火の手が上がった。
DEATHの連中が外からギルドホールに火を着けて周っている様だ。
「リンネ! そっちは任せたぞ!」
タイチの呼び掛けに私は無言で頷いた。
目の前にいる武闘家を、暗闇の小太刀で真っ二つにする。
次に踵を返し、後ろから襲い掛かろうとする暗殺者を縦横十文字に切り裂く。
「暗殺者のくせに、殺気を漂わせ過ぎなんだよ」
既にHPが0になった暗殺者の死体に向かって、私はアドバイスをした。
「おっと」
黒焦げになった柱が天井から落ちて来た。
私は後方に飛び退いて、それをかわす。
先程の暗殺者の死体が柱と一緒に紅く燃え上がった。
辺りを見渡すと、至るところで戦いが繰り広げられていた。
DEATHとその傘下のギルドメンバーは、20のパーティを組んで
寝込みを襲われた形になった
もちろん私達、鉄騎同盟も。
「どらあああっ!」
戦いに飢えていたタイチが嬉しそうに、身の丈程もある巨大な斧を振り回している。
まるで、水を得た魚の様だ。
まったく……戦えればどんな状況でも構わないのか、私の兄者は。
「タイチ、そこの角に追い詰めて!」
「おうよ!」
タイチはセイラの呼び掛けに応じた。
傷つきボロボロになった盗賊を、壁際に追い詰める。
「た、助けてくれ!」
「お前ら何でこんなことしやがるんだ! 不意打ちとギルドホールの破壊はペナルティの対象だぜ。そうまでして、ここに攻め込む理由は何だ? 素直に言えば命だけは助けてやる」
タイチが怯える盗賊の首筋に斧の刃先をあてがう。
「ギルマスの指示だ」
「そんなの分かってる。ごまかすな」
「俺達、末端は指示通り動くだけだ」
タイチは盗賊の腹に膝蹴りを入れた。
「わ、分かった……確か、小耳にはさんだ情報によると……復讐だとか何とか」
「復讐……?」
「それ以上は、分からねえ」
タイチは盗賊を投げ捨てた。
彼は壁にぶち当たり、床に転がった。
すぐに立ち上がる。
背を向け、歩き出したタイチにレイピアを手に突進する。
マンドラゴラの毒がタップリ塗られた剣先。
盗賊はあれで数々の
「兄者、危ない!」
「
私が叫ぶと同時に、セイラが風の魔法を唱えた。
盗賊の周囲が真空状態になった。
気圧差で、彼の上半身と下半身が剣で切られたかのようなザックリと真っ二つになる。
「サンキュ」
「どういたしまして」
二人は仲良くグータッチした。
「復讐……か」
私がB.B.B倶楽部の奴らを倒したのが、バレたのか。
その報復なら分かる。
それにしても、なりふり構わないやり方だ。
そして、これだけの侵入者を許しているということは、
つづく
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