ギルドから追放された実は究極の治癒魔法使い。それに気付いたギルドが崩壊仕掛かってるが、もう知らん。僕は美少女エルフと旅することにしたから。
第94話 治癒魔法使いが仲間に加わった! そして、パーティは治癒魔法使いが二人になった!
第94話 治癒魔法使いが仲間に加わった! そして、パーティは治癒魔法使いが二人になった!
空を覆いつくしていた雲が二つに割れた。
その裂け目から一条の光が祠に向かって降り注いだ。
「んっ」
眩しい。
僕は視界を手でふさいだ。
指の隙間から白い光が漏れる。
やがて、少女の澄んだ声が聞こえた。
「私の名はガイア」
僕は顔から手を離し、祠の前に立つ少女を見た。
朱の差した白い
着ているものは布の服の上下のみで、裸足。
まるで、スラム街に降り立った天使の様だ。
僕は彼女のステータスを確認した。
全回復している。
彼女は守護者として蘇ったのだ。
「ガイアさん」
「ユウタさん。あなたが私を呼び寄せたんですね」
「はい。あなたを生き返らせるためには、こうするしか方法がなかったのです」
救世主になりたかった彼女が、守護者として生まれ変わるのはどんな気分だろうか。
「僕と一緒に戦ってください。そして、魔王を倒しましょう!」
彼女は沈黙していた。
やがてゆっくり口を開いた。
「嫌だと言ったら?」
「え?」
僕は不安になった。
彼女はそんな僕の顔を見て、小さく口角を上げ笑った。
「ユウタさんに呼ばれてから、こうしてここに降り立つまでに、不思議な体験をしました」
「それは、一体?」
「子供の頃の自分に出逢ったのです。そして現在の私にも……自分の心を振り返ることが出来ました。そして自分が何をすべきか分かったのです」
そして、彼女はこう続けた。
「ユウタさん、不安を顔に出してはいけません。あなたはこれから守護者を率いて魔王を倒しに行くのです。虚勢を張ってでもいいから、あなたはいつでも、強くなくてはならないのです」
僕に言い聞かせる様に語気を強めた。
「ガイアさん……では」
「私をあなたの元で戦わせてください」
こうして彼女は僕の仲間になった。
「やったー! ガイアも友達だー!」
フィナが手を叩いて喜ぶ。
◇
とはいえ、ガイアは
そんな彼女が僕の仲間になるということは、彼女は
「そのことについては、これから話に行きます」
今回は運良くガイアを呼ぶことが出来た。
だが、実際は、誰が僕に呼ばれるかは神が決めるので、この世界にいる人間は全て守護者になる可能性がある。
そういった意味では、誰を守護者に選んだとしても、こういった後処理みたいなことはこれからも発生していくのだろう。
「ちょっと、失礼」
通信が入ったらしく、ガイアは誰かと話し始めた。
通信が終わると、僕に向き直りこう言った。
「ユウタさん、すぐに戻らなければいけなくなりました」
「え!? 今日はゆっくりしたほうが……」
「ギルドホールがDEATHの連中に襲われているんです。行かなければ」
つづく
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