ギルドから追放された実は究極の治癒魔法使い。それに気付いたギルドが崩壊仕掛かってるが、もう知らん。僕は美少女エルフと旅することにしたから。
第39話 逆に、異世界から地球に転生しても、小指の赤い糸の先はしっかり存在してる。
第39話 逆に、異世界から地球に転生しても、小指の赤い糸の先はしっかり存在してる。
「私が魔王を倒す理由。それは……」
答えの代わりとして、ガイアは私に本を渡した。
「これは?」
「大祖先様達、つまりゲームに閉じ込められた最初の世代の人達が、書き綴って来たものです」
表紙にはこう書かれている。
『
ページをめくる。
花、星、緑、空、食事、空気、水。
それらは、ゲームという牢獄の中にもある。
だが、地球に存在するそれと比べると、ゲームのものは色褪せて見える。
人の容姿、声もそうだ。
高度なレンダリングで、どの顔も美男美女に作られている。
声優かと思う程の綺麗な声は、多数のボイスサンプルから最適なものが選ばれているのだろう。
最初の頃は良かった。
だが、時が経つにつれ……
そう感じる様になって来た。
「何だこれは?」
ここでの世界が全ての私には、特に気にならなかったことが書かれている。
料理が素材を選択することだけで完成することも。
離れていても脳内で会話が出来ることも。
生まれた時からそうだったから、という理由で私は全てを受け入れていた。
「貸しますので、読んでおいてください」
◇
用意されたギルド部屋に戻ると、既にタイチとセイラは就寝していた。
私はベッドに座り、本を開く。
◇
いつの間にか寝ていた。
窓から差す日の光で目が覚めた。
<リンネ>
ガイアから通信が入った。
「読んだぞ。
<はい>
この世界にある海より、青い海。
果ての無いどこまでも続く丸い大地。
この世界より不便だが、どこまでも複雑で、行って見たい世界だと思った。
この世界で触れるよりも、もっと、体温を感じることが出来そうな気がする。
「だけど、私達は
<確かに。行くことは出来ません。が、転生することは出来る。私はそう信じています>
「どういう意味だ?」
<大祖先様は、死ぬと
「ふむ……」
<この世界の神話……>
『救世主』は『守護者』を引き連れ魔王を倒す。
「それは知っている」
<その後、こう続いているのです>
犠牲になった全ての魂は救済される。
「それは初耳だ」
<大祖先様達は、この世界で出会った者と
なるほど。
神話の通り、救世主が魔王を倒す。
すると、
この世界で死んだ者も含め全員、
この世界で一緒になった者同士が、
私は想像した。
自分の祖先が
そして、ユウタと出会うということを。
<では、今日はこれで>
通話は切れた。
今日は、大仕事がある。
今の話をタイチとセイラに話さなければ。
行き場のない鉄騎同盟が、
つづく
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